2024.3.3〜3.9

3月3日(日)

 すこしの幸せのあとで打ちのめされる夢から覚め、心の第一声が、わたしなんかを特別だと思うひとなんているわけないだろうだった。呪いをかけているのは他でもない、わたし自身なのだな。

 昨日に引き続き同じ本の在庫ばかり訊かれる。問い合わせが多く、混み合う時間帯も多いにもかかわらず思ったより売り上げが伸びない。もっとも士気の下がるパターンだ。1時間残業。

 昨日書きそびれてしまったが、某大賞のお礼にと大好きな作家さんからサイン本を贈っていただく。しかも為書き入りで。思いもよらぬ出来事に声が出る。同僚に見せびらかす。最繁忙期に涙目になりながらPOPを書いてよかった。お会いしたことのない営業さんの尽力である。お礼のメールをしたためた。

3月4日(月)

 8時頃起床。30分ほど動けなかったが9時半には家を出て、東白楽へ。Uraに来たところ、まだ10時半であるにもかかわらず、わたしでちょうど満席。大盛況だ。ウィンターブレンドとチーズケーキを食べ、賑やかな店内でひとり読書に勤しむ。コーヒー豆と母に頼まれたドリップバックを買い、ラテをタンブラーに淹れてもらう。

 行きとは違うルートで帰り、これまた母に頼まれていた焼き菓子を買う。

 夜はファンタジスタチャンネルのTikTokライブ。オフ会が近づいてきた。楽しみだ。

 古賀及子『おくれ毛で風を切れ』(素粒社)を読んだ。発売と同時に購入し読み始めていたものの、本屋大賞で中断していたので再開できてほんとうに嬉しい。これからも古賀さん一家を推していきたい。


3月5日(火)

 文庫新刊出しのため早出。大量の客注と補充と品出し、休憩後怒涛の入荷連絡、大量の新刊出し。早出残業合わせて2時間半。

 朝、バスの手すりにコートをおもいきり引っ掛けてしまい、スリットのところがすこし破けてしまった。調べてみると職場近くにも最寄りにもお直しのお店があって安心したが、アウターなしでは帰れないので明日以降にお願いしようと思いそのまま帰宅。母に見せると、そんな目立たないところ自分で挑戦しなさいと窘められる。裁縫は得意でないが大丈夫だろうか。ひとまず次の休みまで他のコートを着ていくことにする。よりによって4連勤。

3月6日(水)

 文庫新刊出しのため早出。人員は足りていたがとにかく入荷が多い。問い合わせも多い。早出残業合わせて1時間半。

 津村記久子『まぬけなこよみ』(朝日文庫)、川上未映子『きみは赤ちゃん』(文春文庫)を買う。『ねむらない樹 vol.7』(書肆侃侃房)をいただく。

3月7日(木)

 文庫新刊出しのため早出。文庫の在庫はすべて把握しているので問い合わせの際にすぐご案内できるのだが、最近はそれで褒めてくださるお客様が多い。普段精神が削られることばかりなのでありがたい。早出残業合わせて1時間強。

 思ったより早く帰れたのと、連勤中でやや躁になっていて、先日破けてしまったコートを繕い始める。なんとか形になったので胸を撫でおろす。

3月8日(金)

 文庫新刊出しのため早出。案の定暇な1日だった。返品作業や次の会議までの宿題を進める。早出残業合わせて45分。

 昼頃、今日は休みのコミック担当から電話があり、鳥山明の訃報を知る。頼まれるまま発注したが、ふとしたときに悲しくなる。弟と一緒にドラゴンボールを観て育ち、やはり弟と一緒にドラクエをやり込んだ世代だ。

 帰宅して弟にLINEをする。年に数回のことだ。返信がずいぶん速くて驚きながら、他愛もないやりとりをする。悲しみが紛れた。

 Qoo10メガ割で購入した商品が大量に届いていて、意気揚々と開ける。まだあと4点ほど届くのだった。

3月9日(土)

 9時過ぎに起きて部屋の掃除。昨日届いたスキンケアを試し、上機嫌で父のぶんまでコーヒーを淹れ、朝食兼昼食。体調があまりすぐれないなか、ずっと美容のことを考えていて、調べものばかりしていたため読書がはかどらなかった。つい最近まで成分を気にして慎重に選んでいたのに、いまは避けていたそれらを使う不安より、新しい商品に出合う喜びのほうが大きい。ずぶずぶと、音を立てるようにはまってゆく。

 たくさんの友人と連絡を取った日でもあった。あの子もその子もうつくしくありたいのだな。
 

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