中古で買ったどう森の住人、わざわい

人の生活には人が交わっていて、だって私は生きてるんだもん。
だけど私はこの上なく孤独だ。毎日ボロボロのアパートのボロボロの水道管を伝って上下左右のいろんな部屋から水がキューキューって伝う音が聞こえてくるけど。それでも私は孤独なのだ。
大学の講義で歴史とか経済とか人間生活のあれこれを勉強してみて、その後バイトで沢山の人にどうせすぐ吐き出しちゃうような量のお酒とかお魚を運んだ。(バイト先のお客さんにとったら私は料理を運んでくるために必要な”人”なのかなとか考えてみても、全然そんなことなくて。)
家に帰って、やっと私は一人じゃないって実感する。私の家には小蝿がたくさんいて、シンクの周りを仲良く泳いでるかわいい。私がここにいるよってことアパートのみんなには知られたくないから夜はシャワー浴びない。
右隣から毎朝4時に聞こえてくる目覚まし時計のアニメ声でもうすぐ朝だなって気づいて眠りに着く。
毎日たくさんの夢を見て、その夢の中には今まで出会った沢山の人たちが出てくるけどその人たちに会うことはもうきっとないのだろうなって思ってすぐに忘れていく。めんどくさいことは嫌い、ずっと小蝿たちとボロボロのアパートで誰にも見つからずにいたい。
冷蔵庫の中身が空っぽになって寝てるだけで朝をかいちゃうから、一番近くの業務スーパーに行った。生きるために食べるものを外に買いに行くなんて冒険だー。
業務スーパーには本当にまずいまずいやすいやすいものがいっぱい置いてあるから好き。外に出ると私は一人になるから、それがどうしようもなく寂しいから、溜まっていたラインを一件一件返した。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?