見出し画像

研げば1680円の斧がこんなに切れる

Aで始まる有名な通販で、これ以下は無いほど安価で購入できた。
「DKAEBLC」というなんの略語かも不明な不思議なメーカーで、台所用品、パーティーグッズとか、さまざま取り扱っている。
この小型の斧、いろいろ試すには良い。

普段に山仕事に持って行き、「枝払い」「下草刈り」など多用途に使える。
届いてすぐは、全然切れなかった。
それを研いで切れるようにする、のは購入者の仕事、、、らしい。

2週間使うと、少し刃先が鈍ってきた。
ちょうど良いので、これまでとは異なる研ぎ方を試みる。

刃の断面図;

(知っている人、説明は読み飛ばして)

一番下のラインが断面の中央線。
その上の「P」の範囲は、Primary Grindと呼ばれる。刃を焼き入れする前に鋼を焼いて、鍛造で形作る。
刃を作るときにここを叩く。鍛造という。
それで刃ができていく。

ここを叩けたら、焼き入れする。
焼きが入り、焼き戻ししたら、いよいよ刃を削り出す。
ここをはじめに削り、刃を作っていくので、
それで「Primary Grind」というと思う。

「S」の領域は「Secondary Grind」。
はじめのPrimary Grind を削り出したら、次に刃先の切れる部分を研ぎだす。

Primary Grind と、中心線との作る角度が、用途と切れ味に関わる。
Secondary Grindと、中心線との作る角度は、特に切れ味に関わる。

それが鈍角だと、刃が欠けにくく、薪割に適する。
それが鋭角だと、刃は鋭く木に食い込んで切れが良い。

(説明終わり)

この斧は、デフォルトでこのPrimary Grind がいまより鈍角だった。
左右面合わせて、35度もあった。
ここを鋭角にしようとしている。

25度に研削してみた。

これまでより食い込みが良い。
小物の加工に使えるほどには切れなかった刃が、鉈と同じくらいに切れる。
Mallet をいくつか作ってみた。

細い枝をまとめて細断するには、もう少し切れた方が楽に思う。
更に少し鋭角に加工してみる。

なかなか良い。
ちょっとした包丁くらいに切れる。

高級な斧でなくても、こんなに切れるか!
ただし、硬度の高い刃物鋼では無い、という感じだ。
ということは、使うたびに軽く研ぐ斧、ということだ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?