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DIYで Hewing Axe (合わせ切り斧)


Log Houseを手作りするときの道具の一種にこれがある。
使い方はこちら ↓ をご参考に

Logを横に置いて、その上に体を持っていき、Logの側面を垂直に削って材に利用するときのハンドツールだ。

もう一つ参考に

Hewing Axeは2種類ペア

Logの左右両面を削るから、Hewing Axeは2種類ペアで使う。
Right beveled (片刃で、構えたところを上から見て、刃のベベル(傾斜面)が右側にあるもの)と、
Left beveled (片刃で、構えたところを上から見て、刃のベベルが左側にあるもの)の二つ。

刃の方向から見くらべると、こんな具合。
下の画像で、左にあるものが「Left beveled Hewing Axe」、
右のものが「Right beveled Hewing Axe」。

(写真を撮る目的でクランプをつかっている)

左の「Left beveled」はHeel(刃の手前側)が柄の中心線から外側へ開いている。
右のはこの開きが少ないが、外側へ開いている。

Logの側面をまっすぐに削ろうとすると、体を削りたい目標線に対してオフセットさせないと作業がはかどらない。
それでHewing Axeではこんな風に刃の取り付けを工夫している。

右の斧で開き方が少ないのは、私の体の癖と筋肉の癖が原因で、左と同じように角度を多く取ると、切り込み角が強くなってしまう。
トライ&エラーで、角度を修正しながらこれくらいの角度に決めた。

柄を取り付ける「Poll」は市販の斧を流用

斧の柄を取り付ける部分を「Head」とか、「Poll」と呼称している。
この部分に使う鋼を自作するのはしんどい。
市販の安価な斧を得て、この部分を切り取って使った。
切り取り位置は「Cheek」と呼ばれている位置の、PollからBit(刃先)までの中間にした。

刃の鋼と、Pollの鋼はTIG溶接すると割れる

このPollの先に取り付ける刃はロータリーカッターの平刃を流用した。
ロータリーカッターとは、農業で牧草を細断するためのカッターで、平刃が扇風機のように回転する。
スクラップで処分した時に取り置きしておいてよかった。

ロータリーカッターの平刃も、Poll の鋼もそれなりに硬いから、ツボサン硬度テスターで調べてみる。

ロータリーカッターの平刃 : HRC 57、
Poll の鋼 :HRC45少し上、
だった。
HRC、というのは硬さの国際基準の一つで、「Hardness Rockwell C」の意味。

こういう硬い鋼を互いに接合するには、TIG溶接ではなく一旦焼き戻ししてから「鍛接」という方法を使うことが一般的らしい。
鍛接はまだ経験がない。
それで、TIG溶接の方法で「シリコン・ブロンズ」棒を使う。

シリコン・ブロンズ棒は鉄より低温で溶け出す。
鋼が高温に至る前に、鋼と鋼の隙間を埋めるという、ロウ付けのような接合だ。

接合した部分は黄銅色になる

使い勝手

Log House の Log のように太いものに使うチャンスが、まだ無い。
径が10cm程度のちいさい丸太や、節の少ない枝などを加工するのに使っている。

左右の削り込みがはかどって良い。
切る丸太の木目によっては、切り込む方向を変えたいときがある。
そんな時に丸太の位置を変更しないで済む。

出来上がり


左の斧、赤いペイントは後に削って落とした
仕上げは鉈や、ナイフで



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