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「アイヌ民族」と「アイヌの人々」③

中間テストが終われば、あっという間に期末テストがやってくる。
テスト勉強を始めなければ、、、と思っている頃、3ヶ月に一度くらいのペースでやってくる解熱剤の効かない発熱の日々が続いた。病院へ行き検査をし、感染症でないことを確認、診断結果はいつもの「疲労」だった。とにかくよく寝た。
感染症であれば出席停止期間の間、熱が下ると家でゆっくり読書や映画を楽しむが、疲労熱の場合はそうはいかない。数日高熱が続きそんな余裕はない、ただただ寝る。
その頃、東京では都知事選が始まっていた。
都知事選挙へは1日だけ行った。時間が限られていたので、多くの演説は聴けなかったが、選挙公報を手にいれ、公営掲示板もいくつか回り、掲示板の前で立ち止まったり横目で見ながら通り過ぎたりする都民の様子も観察した。
そして、期末テストが終わり、夏休みがやってきた。
書きかけたままになっていた「アイヌ民族」と「アイヌの人々」の続きを書きます。
※「アイヌ民族」と「アイヌの人々」①②をまだ読んでいない方は、是非とも読んでください。


ぼくは、帝国書院が教科書セミナーで質問した際に《民族というまとまりよりも、日本の先住民族として所属していたというところで、民族として切り離さずに考えて欲しい》と回答をした内閣官房アイヌ総合政策室に疑問を持っていた。
検索をすると教育新聞がこの時のやり取りを記事にしているものを見つけた。

教育新聞の記事によると、新しい学習指導要領では「アイヌ民族」と「アイヌの人々」と両方の記述があるため、教科書出版社から使い分けの質問が出され、内閣官房アイヌ総合政策室の担当官が「アイヌという言葉には民族の意味も含まれているので、アイヌ民族という表記は使わないようにしている」と回答、と書かれている。

ぼくが帝国書院から聞いた内容より強い言葉での回答だったことに驚いた。
聞きたいことをざっくりとまとめた後、アイヌ民族教科書セミナーを主催している内閣官房アイヌ総合政策室に電話をした。

ぼくー2019年7月23日に、内閣官房アイヌ総合政策室さんが主催の『令和元年アイヌに関する教科書セミナー』が開かれた際に、教科書会社の方からの《アイヌの人々とアイヌ民族という言葉はどのように使い分けているか》という質問に対し、内閣官房アイヌ総合政策室の担当官の方が《アイヌという言葉には民族の意味も含まれているので、アイヌ民族という表記は使わないようにしている》とお答えをされていますが、これは事実なのでしょうか。

内閣官房アイヌ総合政策室 Sさんー令和元年の教科書セミナーですね。私、担当でもないことと、ちょっと前の話だということでパッと、そうだとも申し上げられないんですが、お時間いただければ確認いたします。

ぼくー 現時点で教科書セミナーというのは 2019年以後も行われているのですか?

内閣官房アイヌ総合政策室 Sさんー平成29年(2017年)から実施されています。平成29年から毎年行なっており、令和4年(2023年)も行なっております。

ぼくー 2019年のアイヌ民族セミナーで質問に回答した担当官は誰か確認できませんか?どういうお立場の方なのか、教えていただけれれば助かります。

内閣官房アイヌ総合政策室 Sさんー分かりました。ちょっとすみません。調べてみましょうか。私は直接の担当ではないので、今、見てみるしかないんですけども…。

ぼくー 直接の担当者の方はいらっしゃいますか?

内閣官房アイヌ総合政策室 Sさんーえぇ。おります。ちょっとお待ちください。

内閣官房アイヌ総合政策室 Kさんーお待たせしました。お電話変わりました。

ぼくー 2019年に開かれた内閣官房アイヌ総合政策室主催の教科書セミナーについてなのですが、教科書会社の方から「アイヌの人々」と「アイヌ民族」の言葉の使い分けはどういうものなのかと質問された際に《アイヌという言葉には民族の意味を含まれているのでアイヌ民族という表記は使わないようにしている》と、内閣官房アイヌ総合政策室の担当官の方がおっしゃったそうなんですけども、これは事実なのでしょうか?

内閣官房アイヌ総合政策室 Kさんー2019年とおっしゃいました?過去のことなので、すぐにはちょっと分かりませんが。どういう経緯で、そういうふうに気になっていらっしゃるのでしょうか?

ぼくー ぼくは生徒で、現在使ってる中学校の教科書に「アイヌ民族」の表記はなく「アイヌの人々」の表記のみで書かれていることに違和感を感じ色々と調べています。2019年7月23日発行の教育新聞の記事を読んでみますと、教科書セミナーでそのような回答があったと書かれていて、これが事実なのか、知りたくて電話しました。

内閣官房アイヌ総合政策室 Kさんー事実かどうかというのはちょっと新聞の記事ですので承知はしてないんですが。古い話ですので。

ぼくー セミナーで使った資料や議事録が残っていると思うので、いただきたいのですが。

内閣官房アイヌ総合政策室 Kさんーそれは、ご質問か何か?

ぼくー 何か文字起こしなり残っていると思うので、まず事実なのか、事実なら誰かおっしゃったのか?というのを確認して教えていただければ助かります。

内閣官房アイヌ総合政策室 Kさんー残ってるかどうかもちょっと調べないと分かりませんが、お聞きになって、事実かどうかだけをご確認されたいということですか?

ぼくー 事実なのかもですが全体的にどういう話だったのか、誰がおっしゃったのか教えていただければと思います。

内閣官房アイヌ総合政策室 Kさんーそれがもし事実だとした場合は何かあるものなんですか?そこらへん残っているかどうかもわからないのですが。

ぼくー どういうことですかね?逆に教えにくいとかあるんですか?

内閣官房アイヌ総合政策室 Kさんー調べてみないと分からないですし、新聞情報ということもありまして、本当にそれが正しかったのかどうかも含めまして、、、その記事はお手元にありますか?

ぼくー 記事はあります。今、学校で使っている教科書が帝国書院なのですが、実際に帝国書院の教科書には「アイヌの人々」としか表記されていないんですね。

内閣官房アイヌ総合政策室 Kさんー帝国書院さんの方には「アイヌの人々」と書かれているということですね。「アイヌの民族」と表記は使わないとこちらの方で言ったということを川中さまが記事で確認したということですか?

ぼくー はい。帝国書院さんに電話をした際にも教科書セミナーで「アイヌの人々」と書くことを推奨しているとの回答だったと聞いています。

内閣官房アイヌ総合政策室 Kさんー帝国書院さんにも確認したところそのように言われたと。それで「アイヌの人々」と書きましたと、いうそういう回答があったと。

ぼくー そうです。2019年の5月にアイヌの方々を民族と定める法律ができたにもかかわらず、このように「アイヌの人々」の記述の方が良いと、アイヌ総合政策室の方がおっしゃるのはおかしいんじゃないのかなと、ぼくは思っています。

内閣官房アイヌ総合政策室 Kさんー法律では「アイヌ民族」と言ってるにもかかわらず、「アイヌの人々」というような表現ぶりを教科書で書かれていることについておかしいのではないかという、、、。

ぼくー そういう訳ではなく、内閣官房アイヌ総合政策室の担当官の方が教科書会社からの質問に対して「アイヌ民族」よりも「アイヌの人々」の方が良いという回答をここにされている。しかも帝国書院さんもそのような回答だからとおっしゃっていたので、それはおかしいんじゃないかなということも含め、もしこれが事実ではなかったらおかしいも言えないので、まず事実かどうかを確認がしたい。そして、事実ならば、そのような発言したのは誰かを教えていただきたいということです。
もう一点、内閣官房アイヌ総合政策室のホームページの方にも「アイヌの人々」の記述しか書かれていないのですけれども、それがなぜなのかという点も確認していただければ助かります。よろしくお願いします。

内閣官房アイヌ総合政策室 Kさんーわかりました。お調べするのにお時間がかかると思います。折り返しお電話させてもらいます。


数日後、ぼくは折り返しの電話を忘れられているのではないか?と思い、学校から急いで帰宅し、内閣官房アイヌ総合政策室に電話をした。Kさんに繋いでくださいとお願いをすると、Kさんは出張で不在、翌日は出勤とのこと。ぼくは、翌日も急いで帰宅し、電話をかけた。Kさんは体調不良で退勤したという。その翌日は病欠だった。
Kさんが元気になったかなと思う頃に再び電話をかけ、Kさんに繋いで欲しいとお願いをすると「Kさんはいないのですが、お待ちください」と言われ、代わりに対応してくださるという高圧的な話し方をされるNさんが対応をしてくださった・・・。


「アイヌ民族」と「アイヌの人々」④へ続く




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