適当に書いたやつ⑨
登場人物
白田太呂氏 本作の主人公 高校3年生 男子バレー部
西片友香 本作のメインヒロイン 謎が多い女子生徒
黒川雪春 主人公の中学からの友達 男子バレー部
藤野紫織 3−5のクラスメイト
小谷真里 3−5のクラスメイト
今井隆史 3−5のクラスメイト
ついに週末がやってきた。今日はポートピアランドに行く日だ。
僕は結局何を着て行ったらいいのか分らなかったから母親に言われるがまま、白いオックスフォードシャツに親父のお下がりのネズ紺色のサマーカシミヤのVネックセーター、同じく親父のお下がりのブルージーンズにローファーという格好になった。なんだかオヤジ臭いなあと思った。それにセカンドバッグって何?
家から待ち合わせの駅までバスで向かった。毎日自転車で通学するルートをバスがゆっくり走る。僕はA型だからなのか関係ないのかよく分らないけど、待ち合わせには10分前には到着しておきたい性格だ。相手のことが好きであれ嫌いであれ、興味があるにしても無いにしても、自分が遅れることは許せなかった。だから今日も少し早く家を出た。それでも待ち合わせの駅に着くとすでにクラスメイトの今井隆史が到着していた。
「おう太呂氏」
「おはよう今井」
今井は衿ぐりが赤いリンガーTシャツに薄いブルーのデニムシャツ、それより濃いめのブルージーンズにナイキのスニーカーという服装だった。今井はギターが好きで、今井のギター話を聞いているうちに藤野さんと小谷さんが一緒にやってきた。中学が同じだから家も近いのだろう。
普段制服姿しか見ないから同級生の女子がどんな服装をするのかなんて知らない。知らないけど、なぜかドキドキした。二人は学校で見るよりもとても大人っぽい。小谷さんはリボン付きの白いブラウスにベージュのマキシ丈スカート、ブルーのGジャンという格好で今井とよく合いそうだ。藤野さんは薄いピンク色のマイクロミニのフリルスカートから、普段はニーハイソックスで隠れているところから肉付きのよい健康的できれいで白く長い生脚が露出していて、目を奪われてしまった。足元は高いハイヒールで、近くに来ると僕より少し低いけれどやや同じくらいの身長になっていた。上に淡い花柄のブラウスに、白いジャケットを羽織っている。白とピンクでとても可愛くコーディネートされていた。
「おはよう」
僕たちはお互いにあいさつをして券売機に向かう。券売機に行く時点で既に小谷さんと今井がペアになっているから、必然的に僕と藤野さんが一緒に並ぶ。
「太呂氏くん・・・私の私服、どうかな?」
券売機で並びながら藤野さんが聞いてくる。本当によく似合っていて、服装だけじゃなくて、髪型も、お化粧も、全てがとても可愛かった。
「ちょ・・・超かわいいと思う」
僕は照れてるのもあって気の利いたことが言えなかったけど、かわいいということは伝えられた。僕の返事に対して藤野さんはとても満足げな表情でニッコリ微笑んだ。僕は同時に、藤野さんがせっかく頑張ってオシャレをしてきてくれたのに、何だか冴えない格好で申し訳ない気持ちになった。
「僕の方は全然オシャレじゃなくてごめん。ほとんど親父のお下がりで・・・」
藤野さんの横にいると、全然釣り合ってなくて恥ずかしくなった。でも藤野さんはそんなことお構いなしの様子だ。
「そうかしら?私は太呂氏くんの服装とっても素敵だと思うわ」
そんなことを言われると思わなかったから、内心ホッとした。僕たちは電車に乗り込んで一路ポートピアランドに向かった。電車の中でも相変わらず小谷さんと今井が一緒に座るから、僕と藤野さんが横同士になった。僕たちはポートピアランドに着いたら何に乗るかを話した。
「太呂氏くん、観覧車は絶対乗りましょう」
藤野さんが念を押して観覧車を勧めてくる。観覧車は遊園地のアトラクションの定番だから高所恐怖症でもない限り、乗らないということはない。
「うん、そりゃあ乗るよ」
「観覧車は遊園地の取りだから、最後にしましょう」
「そうだね、観覧車は確かに遊園地の取りだ」
そんなことを話ししていた。乗り換えを2回して1時間くらいでポートピアランドに到着した。小谷さんの母が福引で当てたチケットをチケット売り場で見せて、フリーパスと交換し、僕たちはいよいよゲートの中に入った。快晴の空の下、楽しそうな音楽が流れて子供連れの家族、カップル、女子のグループと多くの人で賑わっていて、みんな楽しそうに笑顔だった。
さあ何から回ろうか、小谷さんの方にチラッと目をやるや否や小谷さんが僕と藤野さんに向かっていう。
「じゃあお昼ご飯の時間にレストラン前集合ね!」
待って!という間も無く、小谷さんは今井を連れて行ってしまった。僕と藤野さんは取り残された感じでポカンとなった。
「えっと、、藤野さん別行動だって思ってた?」
「私もビックリしているのだけど、別にいいんじゃないかしら」
「でも二人ってちょっと緊張するなあ」
「ダブルデートが、普通のデートになってしまったわね」
「やっぱりこういうのってデートって言うんだね」
「そうよ」
「じゃあ尚更緊張するじゃないか」
「私も緊張しているのよ」
藤野さんは可愛くてスタイルがよくてアイドルみたいだから男子からモテるだろうし、こういうのに慣れてそうなイメージだったから少し意外だった。藤野さんも緊張するんだ。
ポートピアランドには僕の好きなアトラクションがあってそれから乗ることにした。ミュンヘン・アウトバーンいう名前のジェットコースターだ。別にジェットコースターが好きな訳ではないけど、ミュンヘン・アウトバーンと言う名前をひどく気に入っていた。
「アウトバーンって知ってる?」
僕は藤野さんに聞いてみた。
「知らないわ、どう言う意味なの?」
「ドイツ語で高速道路って言うんだって」
「じゃあ今から高速道路でミュンヘンを走るのね」
「多分そういうこと」
僕たちはそんなことを話しながらミュンヘン・アウトバーンの乗降口がある2階に上がる階段の下に着いた。丁度横には身長確認のパネルが立っている。
「藤野さん、パンツ見えないの?」
遊園地は階段の上り下りや、アトラクションの乗降など、案外ただ立っているだけという訳にはいかない。普段から黒のニーハイソックスに膝上25cmのミニスカートで際どいのに、今日のマイクロミニスカートはさらに短い。しかも10cmはあるであろうヒールを履いているから、相対的にスカートの裾の位置が上がっているのだ。
「太呂氏くんが守ってくれるから大丈夫」
先日もそんなことを言われた気がするけど、今回ばかりは守りきれるか不安があった。なんせ普通にしていてもパンツが見えそうな感じになっているからだ。
「頑張るよ。それにしてもどうして制服でも私服でも藤野さんのスカートはそんなに短いの?」
女子のスカートは短いにこしたことはない。それは鈴木のような脚フェチじゃなくても男子一般は大抵そう思っている。しかし守る役目を頂いてしまうと何故か短いことが大変なことに思えてしまった。
「私美脚だから」
「そうか」
「それに・・・この方が太呂氏くんが喜ぶかなって思って」
ゴクリンコ。僕は生唾を飲んだ。そうだ僕は嬉しい。僕のために藤野さんがミニスカートでいてくれるのなら、僕は命を懸けてでもその美脚をパンチラからお守りする。今日の僕は大統領を警護する連邦警察なのだ。そして今からアウトバーンを走行する大統領車列の護衛任務に就く。
ジェットコースターの乗り降りはどうしても脚を上げないといけない。多分降りる時の方が危険だから、僕は先に乗り込んでヒールで不安定な藤野さんの手を取り座席に誘導した。連邦警察のつもりでいたから何も考えてなかったけど、一瞬とはいえ藤野さんと手を繋いでしまったことに気がついた。
「手繋いだね」
隣に乗り込んだ藤野さんがちょっと意地悪そうにそういった。言うな、言ったら恥ずかしくなるから、何事もなかったようにやり過ごしてくれたらよかったのに・・・
「今のは、一瞬だから手を繋いだことにはならない」
僕は答えた。ジェットコースターの座席に座っている藤野さんは、膝が腰よりもやや高い位置に来ていて、立っている時にも増してパンツが見えそうな状態になっている。
「藤野さんマズいことになっている」
それに気がついた藤野さんは、上着のポケットからハンカチを取り出した。藤野さんのピンクと白の春色コーディネートには合わない紺色の地味なハンカチだ。それをスカートの上に乗せて、安全バーで挟んだ。
「あっ、僕のハンカチ」
以前藤野さんと交換したハンカチだった。僕のハンカチは藤野さんの膝でパンツの一番近くというVIP席を与えられて、僕同様護衛任務に就いた。
「そうよ。私はいつも太呂氏くんのハンカチを持ち歩いているわ。太呂氏くんは?」
僕はちょっと恥ずかしかったけど、ポケットからピンク色のハンカチを取り出した。交換した藤野さんのハンカチだ。
「嗅いで見せて?」
そう言われると嗅がない訳にはいかない。僕はまた恐る恐る藤野さんのハンカチを鼻に近ずけて、それを嗅いだ。甘くて大人っぽい、ジメ〜っと淫靡な匂いが広まった。
「ああ、藤野さんの匂いだ」
「太呂氏くんも安全バーでハンカチを挟むのよ」
「えっ、僕も?」
「そう」
僕は言われるがままズボンの上にハンカチを乗せて、それを安全バーで挟んだ。丁度股間の上にハンカチが乗っかる構図になった。藤野さんの淫靡な匂いのするピンク色のハンカチが僕の上に乗っていて、それはなんというか・・・エッチな感じになった。
発車を知らせるブザーが鳴り、ジェットコースターが動き始めた。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?