ポーカー体験談　第１話：L座り野郎

ポーカーにイライラはつきものだが、特に個人的に腹立つ瞬間やシチュエーションの体験談を、やり場がないのでnoteで発散し、浄化したい。

　第１話 : L座り野郎

　とあるポーカーハウスにお邪魔した際の話。L座りをしてチュッパチャップスを舐めながらプレーしているやつがいた。え、こんなやつ本当にいるんだ。絶対に日頃からそんな座り方はしていない。この小さなコミュニティでのみその座り方をしているに違いない。ましてやチュッパチャップスって。俺も中学２年生のときに天才と思われたくてノートを広げたところから書き始めるといった奇行を試みたりしたことがあったが、目の前にいるLもどきは恐らく俺と同じ28歳くらい。痛すぎる。

　Lは３ベット頻度が明らかに高く、btnから38sで３ベットを打っているシーンもあった。フロップ以降もガンガン打ってくる、お手本のようなルースアグレッシブなプレーヤーだった。確かにその卓はタイトパッシブ気味で、Lはポット獲得頻度が高かった。そして何となく、プロポーカープレーヤーのような素振りが、正直ちょっと鼻にはかかっていた。

　９人卓で同卓して２時間経ち、LがBBの時にUTG（hero）でKKが入った。当然オープンレイズ。全員降りて、Lから３ベットが入った。４ベットしてもよかったが、ヘイトが高かったので降りる選択肢を与えてあげるような優しいことはせず、コールにとどめた。

　フロップ：6 8 K （rainbow）

　L チェック。Kのトップセットが刺さってしまい、現状はナッツハンドである。あまりにも強すぎるのでチェックでターンに移行してもよかったが、ポットをたきたかったのでミドルポケットペアに向けてCBを打つことにした。このボードでチェックして、ターン以降にディレイCBを打つのもいかにもKを持っていると読まれそうだ。少し大きめに、ポットベット8,000点。私は何もヒットしていません、どうか降りてくださいと言わんばかりの大きなベットである。

  するとLからチェックレイズ20,000点。なんだこいつ。Lのスタックは70,000点。俺のスタックが40,000点で、確かに20,000点のレイズにはAA、AK、KK、88、66くらいしかコールできないだろうが、とはいえUTGのオープンレンジはAA、AK、AKは大本命。28コンボある。QQとAQsもありえるが10コンボしかないため、チェックレイズはリスクが高いプレーだ。

  Lのレイズに対し、さらにレイズして降りる選択肢を与えたくはない。レイズはせず、コールすることは決めたが、ターン以降の方針を考えるために相手のハンドを時間をかけて推測した。

  インプライトオッズを信じて79のストレートドローでレイズをかますタイプか。88、66あたりをしっかり持っている上でのバリューベットなのか。それとも俺のハンドをQQ以下と祈ってK以外をおろしに来ているピュアブラフか。最高なのはAAを持っているパターンだが、もしLが本当にAAの場合俺のAKをブロックしてしまうので20,000点のレイズは俺をおろしてしまうことになる。俺ならAAではレイズしない。まぁ、AAはないだろう。さっきからブラフが目立つ。ノーヒットのCBに対してKを主張してレイズしている可能性も多いにある。というか、その可能性が一番高い。

  などとぐるぐる考えていた。そんなとき、事件が起きた。

　L、余裕の顔で新しいチュッパチャップスをリュックから取り出して舐め出した。

　いや、俺の方が今はハンドが強いのよ。悩んでいるのは負けているか勝っているか分からなくて悩んでいるわけじゃなくて、どうやってお前を食うか考えているのよ。チュッパチャップス舐められるのもお前今のうちだけだからな。初対面でなければ「リュックに何個チュッパチャップス入ってるんですか？箱買いしてるんですか？どんな顔してレジに持っていくんですか？」とツッコミを入れるところである。とりあえずフロップは悩ましそうにコールして、ドンクベットを誘うことにした。

　リバー：6 8 K 2

　２が落ちた瞬間に、Lドンクオールイン。

　嬉しい。。。勝った...！！！もしターンでチェックされたら、リバーでドンクベットをしてもらうためにターンはチェックするか。それともダブルバレルを打つか。打つとしたら小さく10,000点くらいのレイズオールインしてもらえそうな額にするか、それとも先にオールインしてしまうか。。などと色々悩んでいたが、ドンクでオールインしてくれるとは思っていなかった。

  当然のスナップコール。気になるLのハンドは２ポケで、リバーで運悪くセットが完成。プリフロップで２ポケでUTGに対して３ベットしてたの？w フロップもまともなUTGのオープンレンジに勝ってるハンドが無い状態でのチェックレイズw  やんちゃさんだね。まぁ4万点は美味しくいただきます。以降反省して大人しくしてろ。ぺろぺろチュッパチャップスしゃぶってろ。あと正座な。

 さぁ、ラストカード。

　ターン：6 8 K 2 2

　・・・は？

　KKK22のフルハウスが完成したが、Lに2222Kのクアッズが完成し、逆転負け。卓の他のやつらは「おー」とか言ってやがる。おーじゃねぇよ。ディーラーもヘラヘラしていた。そしてさらに俺のボルテージを高めたのはLの行動である。

　さっき出した新しいチュッパチャップスを咥えたまま、すました顔でチップをかきあつめた。

　いやいやいや。10秒前まで内心恥ずかしっ！！！ってなってたやろ絶対。チュッパチャップスを咥えたLは、当然の結果ですという顔で俺のチップをかき集めていた。俺なら「ラッキーしました、すみません」とか一言放つが、その男はチュッパチャップスを舐めて相変わらずLになりきっている。う、う、う、う、うざい。。でも負けた。。どこにも怒りのぶつけ先がないまま、辛すぎてリエントリーもせずトボトボ帰途についたのであった。
※追記 つらくて口ぶりが悪くなっておりますが、おーと言った周りのプレーヤー、2を落としたディーラー、そしてチュッパチャップスのL、誰も悪くはありません。残りのデッキ３０枚のうち、ラスト１枚の2が落ちたというそれだけの話です。

  それ以降Lとは会っていない。元気にしているだろうか。次は倒したい。