20240112②/あの星を集めてこの胸に飾りたい

ふと、小学学生の頃にA4サイズのノートに手書きでせっせと小説を書いていたことを思い出した。
私は授業をきちんと聞き、かつ内容を面白いと思っている子供だったので、勉強はきちんとしながら、休み時間にシャーペンを走り回らせていた。
登場人物は『るろうに剣心』を薄めて抽出したようなキャラクターで、ラムちゃんを更に電波系にしたような方言を発させ、肝心の話は支離滅裂・尻切れ蜻蛉・要素を詰め込みすぎて筋なんてもう見えないような酷いものだったと思うけど、同級生にも読ませていたし、読まれることを恥とも思っていなかった。
小学校の卒業アルバムには「あの小説を書き続けていつか見せてねー!」というコメントだってある。
でも、前述の通りめちゃくちゃな仕上がりだから話が破綻して途中で書くのをやめてしまった。
あの小説(A4ノート三冊分くらいある)は、今どこにあるんだろう?

中学生に上がってからも、小説を書いていた。
ガラケーにぽちぽち文字を打ち込んでは、友人にメールで送っていた。まさに文字通りの携帯小説である。
その頃はケータイ小説が爆発的に流行って、映画化したりしていた。同級生の女の子たちは授業そっちのけで教科書に文庫本を挟んで夢中で読んでいた。
私も夢中で読んだ一人で、かなりの数を読んだ。「これなら私でも書けるなぁ」と思う作品もたくさんあって、そういう感想と友人からの評価を原料に、親に見せられないような小っ恥ずかしい恋愛小説をちまちま錬成し続けた。
完成した作品は一つもなかった。
当時のメールを見返せるものなら見返してみたい。小学生の時に書いた話はある程度なぞれるのに、この頃の話はどんな内容だったのか、一切思い出せない。

小学生の時も中学生の時も、私には「完結させる」ということができず、話は変な方向に膨らんで横道に逸れて獣道どころではない道を辿って、収拾がつかなくなってほっぽり投げてしまった。普通に才能がない。
でも最近、また何か書きたいなーと思うことがある。
大人になった今、今度こそは自分に負けずめげずしょげず泣かず、時間がかかってもいいから、完成させてみたい。
少しずつ書き始めてみようと思う。

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