第六天魔王知乃氏に勝訴しました

おはようございます。年の瀬に失礼いたします。
中野雄斗です。

今年初めに、私は「劇団TremendousCircus」団長 ならびに「演劇・映画・芸能界のセクハラ・パワハラをなくす会」代表(当時) の第六天魔王知乃(当時は「知乃」)氏を提訴しました。
提訴について、詳しくは下のリンクからご覧ください。
知乃氏を提訴しました(2023.2.15追記)|中野 雄斗 (note.com)
提訴内容は、第六天魔王知乃氏から私への暴言による損害の賠償請求です。

なお訴訟に関して、私は仕事の都合もあり期日に出席できない日程もありましたので、弁護士に代理人として出席をお願いしておりましたが、被告は弁護士を立てず、期日直前に出席しないことになり期日が変更されることもありました。そのため、判決が出るまで当初の予定より長引いてしまいました。

判決は11月14日に言い渡され、被告:第六天魔王知乃氏・原告:中野ともに控訴しなかったため、原告:中野の勝訴で結審しましたので、ご報告いたします。

判決としては、
①被告:第六天魔王知乃氏は原告:中野に対し、10万円及びこれに対する令和5年1月28日から支払い済みまで年3%の金員を支払う
②訴訟費用の2割を被告:第六天魔王知乃氏が、残りを原告:中野が負担する
③原告:中野のその他の請求を棄却する
(提訴時、私からは
・50万円及び訴状送達の翌日より支払い済みまで年3%の金員を支払うこと
・訴訟費用の全額負担
を請求していました)
という内容でした。
なお、第六天魔王知乃氏からは12月11日付で支払いがあったことを併せてご報告します。

名誉感情侵害として被告:第六天魔王知乃氏の発言の不法性が認められました。
名誉感情侵害というのは、ものすごくざっくり言うと、自分の名誉に関する感情(言われて嫌だという気持ち)は個人差が大きいものの、単純に自分が傷ついた、嫌だったというのを超えて、「表現行為の違法性が強度で、社会通念上許容される限度を超えた」といえる場合には違法性が認められるというものです。そして、被告:第六天魔王知乃氏の「去勢したほうがいい」というのは、「社会通念上許容される限度を超えた」私に対する侮辱だということが判決でも認められたということです。

ただ、賠償金額面では、この発言に至る動機や経緯については「ハラスメントの撲滅に関心を持つならば、それに見合った相応の姿勢・態度を示すべき」と被告:第六天魔王知乃氏が考えたためと解釈され、発言の直後に謝罪・撤回(件のスペースでは、かなりおどけて発言しているように聞こえましたが)していることも考慮されていました。
個人的には、どんな理由があれひとに「去勢したほうがいい」と言うのはかなり侮辱的であり、誰が誰に言っても許されるものではないとは思うのですが、ただ、恫喝されたり「死ね」と解釈できる言葉を吐かれたりしてしまった方々に比べると、判決としてはこんなもんか……とも思います。

ともかく、まずはひとつ、ダメなことはダメだという判決が出たのでほっとしています。
第六天魔王知乃氏や、その周囲で同様に暴言を吐いたり、恫喝ともとられかねない言動をとったりしていた方々も、これを機に改めていただきたいと願います。

これはごく個人的な考えですが、異なるもの(者・物)が存在する限りそこに差は生まれますし、差別というものは生まれ得ると思います。同様に、暴力(物理的なものも、精神的なものも含みます)もそうです。とくに精神的なものは、物理的なものに比べダメだという線引きを共有しにくく、明確にしづらいぶんより難しいです。何を言いたいかというと、私は差別や暴力をなくしたいけれど、なくすことは(種としてのヒトが存在する限り)相当難しい、ということです。それでも、無碍に人が傷つけられることには抵抗し、なるべくなくしていけるように努めることが重要と考えます。
ただ、それらに抵抗したり撲滅を訴えたりするなかで、意を異にするなどの理由で他者を攻撃するということもまた暴力にほかなりません。特定の個人・団体に限らず、こんにちの社会にはあまりにもそうした暴力の再生産が多くあると思っています。そうした暴力をなくしていけるよう、万一暴力にさらされてしまったものがあれば助けていけるよう、私も引き続き努めていきたいと考えています。

気にかけてくださった方々には、この場を借りて御礼申し上げます。
ありがとうございました。

よいお年を。

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