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「ブレーキを外すだけで」

文学部4年 M

 堀江愛利さんの講義の中で、子どものおもちゃ「ゴムパチンコ」を例にしたお話があった。ゴムを持つ手をふっと離せば飛べるのに、何かがブレーキをかけていると飛べなくなるというものだった。そして、自分の中のブレーキになっていることや苦手なもの、それらを取り除くとどうなるかを考える時間があった。

 私の場合、行動にブレーキをかけているものは「自信のなさ」「失敗への恐怖心」「周りの目や期待」で、苦手なことは「何も考えずに自分の意見を主張すること」「評価されること」「人に頼ること」などだ。
自分に自信はないのに、周りの期待に応えようと1人で頑張ろうとして自分の首を絞めてしまう。自分の意見は持っているけれどそれを主張した方がいいと思った時にしか主張できない。頭では色々考えても失敗や周りの反対が怖くて行動に移せないというところがある。
 では、私からこれらを取り除いたらどうなるのだろうか。
 意外と自分が考えているより、何事も上手くいくのかもしれない。自分の向き不向きや新しい一面など、知らなかったことを知るきっかけになるかもしれない。

 ただ、これまで20年以上付き合ってきた自分の性格を変えるのはそう簡単ではないだろうと、また、ブレーキをかけようとしていた。
 そんな時に堀江さんは、「私も自信がないことはたくさんある。でも、自信がないからやらないのではなく、自信はないけどやってみるのだ。」「"challenge"だと大きいことのように思うけど、"try"でもいい」とおっしゃった。
 全くその通りだとハッとした。初めてやることを自信満々にできる人なんてほとんどいないだろう。世の中の多くの人は、自信はなくても頑張ってやっているのだ。それなのに私はなぜやる前から諦めているのだろうと思った。
 また、私は何か行動するときに、「頑張らないといけない」とも思っていた。いわば、アクセルを踏もうとしていたのだ。しかし、アクセルを踏むのではなく、ブレーキを外すだけでも進むことはできるのだ。もしかしたら、ゴムパチンコのように、ゴムを持つ手を離すだけで遠くまで飛べるかもしれない。

 学生生活も残りわずか、社会に出たら「アクセルを踏まなければ」と肩肘張ってしまう自分が容易に想像できる。しかし、「ブレーキを外すだけでもいい」と思えば、少し肩の力も抜けるだろう。そのためにも、今からできるtryを少しずつ積み重ねていきたい。

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