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足場屋さんとは?鳶(トビ)職人との違いも紹介! 2023/4/20

建設工事の現場で活躍するのが「鳶」と呼ばれる職人たちです。鳶職人の歴史はとても古く、日本最古の木造建築物である法隆寺を建立した時には既に存在したと言われています。

当時も高い建物を建築するために、作業足場を組んで、その上でさまざまな職人が作業をしたことでしょう。しかし現在では、鳶職人と言ってもその仕事内容によっていくつかの種類に分類されています。

今回は鳶職人を目指す方向けに、鳶職の種類や鳶職と同時に使われることの多い「足場屋さん」と呼ばれる職人について解説します。

1.足場屋さんとは

足場屋さんとは、文字通り高所作業の足場を組み立てたり、解体したりする作業を専門に行う職種のことです。

足場屋さんは高所作業の足場以外にも、イベント会場の設営やステージ、舞台の照明を組み立てる仕事なども行います。

足場屋さんは、足場に関する専門的な知識を持った職人です。高所作業の足場は、建物の形状やサイズに合わせて組まなければなりません。建物の形によっては、複雑な形の足場を組む場合もあります。足場屋さんは、建築工事を効率的かつ安全に行うために重要な役割を果たしています。

2.足場屋さんと鳶職人の違いは

ところで、足場屋さんと鳶職人の違いはあるのでしょうか。

まず鳶職という名称が生まれたのは、江戸時代の頃と言われています。当時の鳶職人は、建築現場などの高い場所で作業をする以外にも、火災が発生した時には火消しの仕事も行っていました。

現在では、鳶職人が火消しの仕事をすることはありませんが、高い場所で作業を行う職人を鳶職と呼んでいます。

今では高所作業の内容が細分化されていて、それぞれの高所作業で専門知識と高い技術が必要なことから、足場屋さんという職種が誕生しました。

つまり、元々鳶職人とは高い場所で作業を行う職人の総称で、足場屋さんは鳶職人の中でも足場に特化したスペシャリストを言います。

3.鳶職人の種類

仕事内容によって細分化された、鳶職人の種類について説明します。

3-1.足場鳶

足場鳶は足場を専門に作業する鳶職人であり、いわゆる足場屋さんです。

足場と言っても、数メートルの高さから数十メートルの高さのものまであります。一般的に住宅専門の足場鳶については、足場職人と呼ばれ、ビルやマンション建築のような足場を組み立てる職人を足場鳶と呼んでいます。

足場鳶は真っ先に工事現場に入って、後から作業する職人が作業をしやすい安全な足場を組み上げます。他の職人が安心して作業できる場を作る仕事なのです。

3-2.橋梁鳶

橋梁鳶は、高速道路の高架や橋の工事に関わる鳶職人です。橋梁鳶の特徴は、横に伸びていく建設物を組み立てていくところです。一般的な建設物は縦方向に伸びていくように組み立てていきますが、橋梁鳶は横方向に組み立てるため、鳶職の中でも専門知識が必要です。

また、作業足場の下が海や川、道路や鉄道といった状況があるため、高い技術が求められます。

3-3.鉄骨鳶

鉄骨鳶は建物の骨格となる鉄骨の柱や梁をクレーンで吊り上げて、組み上げる鳶職人です。鉄骨鳶の仕事は、建物をまっすぐ建てるために重要です。

鉄骨をボルトで固定するだけでなく、固定する柱を垂直にしたり梁を水平にしたりしなければなりません。鉄骨鳶には高所作業の危険が伴うだけでなく、建物をしっかり組み立てるための専門性が必要です。そのため鉄骨鳶として一流になるためには、豊富な経験とさまざまな資格を取得することが求められます。

3-4.重量鳶

重量鳶は、大型の機械や構造物などの重量物をクレーンで移動させる作業を行う鳶職人です。

足場鳶や鉄骨鳶のように、高所を移動するような作業は少ないのですが、非常に繊細な作業になるため、精度の高いクレーン操作技術が必要です。

3-5.送電鳶

送電鳶は高所の電気工事を行う鳶職人で、正式な呼び名は「送電線架線工」と言います。7000ボルトを超える送電線の鉄塔に上がって、敷設作業や保守点検を行います。

送電線の鉄塔は山奥にも多くあるので、険しい山の中で作業を行うタフな精神力が必要です。送電鳶はラインマンとも呼ばれ、国内には4000人ほどしかいないとされています。

3-6.町場鳶

町場鳶は、主に一戸建ての木造住宅に関した作業をする、地元に密着した鳶職人です。

足場や柱、梁の組み立てから神輿の出し入れ、お祭りで使う屋台の設営なども行います。

4.職人に足場屋さんが選ばれる理由

さまざまな種類がある鳶職人ですが、その中でも足場屋さんと呼ばれる足場鳶の仕事が多くの人に選ばれています。

次からは、仕事として足場屋さんが選ばれる理由について説明します。

4-1.給料が高い

足場屋さんは経験を積むことで給料の上昇が期待できる職種です。親方レベルになれば、年収は600万円〜800万円程度と言われています。

一般の作業員として働く場合は、スキルや経験値によって給料に差がつくことがあります。高度な技術や経験を得るに従い、給料も上がっていきます。

一般的な仕事をこなせるようになるまでには、単管足場やクサビ式足場などの種類と組み方を覚える必要があり、覚えるまで3年はかかると言われています。

特に、他の作業者も足場で作業をするため、安心安全な足場を組まなければなりません。足場の組み立ては建設工事において欠かせない作業であるため、需要が高いのが特徴です。

4-2.独立がしやすい

足場屋さんが選ばれる理由は、建築業界の中でも独立がしやすいことです。足場鳶の仕事内容は高い専門知識が必要ですが、パターンを覚えてしまえばシンプルな作業が多いためです。

3年間程、現場を経験すればほとんどのことを覚えられると言われています。足場組み立て作業を習得すれば、単なる作業者としての役割だけではなく、工事現場の管理・監督を任せられるようになるでしょう。

工事現場を管理・監督できると、独立をしても問題ありませんが、いきなり起業するのはリスクがあります。そこでおすすめなのが、一人親方です。起業する必要はなく、個人事業主として活動ができるからです。

一人親方で独立すれば、元いた会社から仕事を請け負える可能性もありますので、独立する際は仕事を請け負えるかを聞いてみるといいでしょう。

5.まとめ

高所で作業を行う鳶職の仕事は、1400年以上の歴史があり、時代によっては火消しの役割を担っていました。

現在では鳶職人の仕事も細分化されており、より専門知識や技術が必要です。

鳶職人の中でも足場屋さんは仕事の引き合いが多く、収入が高い状況は続くことでしょう。

将来職人として独立を考えている方は、足場鳶を目指してみてはいかかでしょうか。


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