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足場の番線とは?締め方とポイントも解説 2024/3/19

建設現場にて足場材の固定などによく使われる番線ですが、固定する際の正しい締め方やポイントを知りたい方もいるでしょう。番線による足場板などの固定は、高所の足場上で作業する人の命を預かる重要な役割を担っています。

本記事では、足場の番線の締め方を詳しく解説します。番線の適切な締め方を知ることで、安全な足場を設置し、建設現場における事故を防ぎましょう。


1.足場の番線とは

番線とは、建設現場で足場などの結束に使用される鉄線のことをいいます。番号によって太さが異なることから番線と呼ばれます。番線は、焼きなましと呼ばれる方法によって熱処理されており、手で簡単に曲げられるほど柔らかいという特徴があります。

番線は針金に似ていますが、針金よりも加工がしやすいため、足場材の緊結や梱包など作業の用途に合わせて幅広く使用されています。一方でサビやすい特徴があるため、仕上げ材などの固定には使用されません。番線は、太いものほど数字が小さいです。

必要な強度や加工のしやすさなど、用途によって番線を使い分けることで作業効率をアップさせることができます。一般的な足場の作業においては、12番線が多く使用されています。通常はメートル単位で円形に束ねられて売られていますが、結束用に切断された状態で販売されているものもあります。

番線を使用して足場材などを結束する際には「シノ」と呼ばれる工具を使用します。コツさえ覚えれば誰でも簡単に結束することができます。

2.足場の番線の太さ

建設現場で主に使用される番線は10番、12番、21番です。番線の強度や扱いやすさによって用途を使い分けることで作業効率が上がります。それぞれの特徴と主な用途を見ていきましょう。

2-1.10番線

型枠などの結束には、直径約3.2mmの10番線が使われます。生コンクリートの型としての役割を担っている型枠には、コンクリート打設時に大きな圧力がかかります。そのため、型枠の結束や押し引きに耐えられるよう、一般的12番線よりも少し太い10番線が多く利用されます。

2-2.12番線

建設現場で最も多く使われるのが、直径約2.6mmの12番線です。10番線より細いため、扱いやすく、一般的な足場材の緊結や荷崩れ防止のための結束に使用されます。

2-3.21番線(結束線)

21番線は結束線と呼ばれることが多く、足場の設置には基本的に使われることはありませんが、鉄筋の結束などに使用されます。直径約0.8mmの針金ほどの細さで、容易に扱えることから鉄筋の配筋作業においてはなくてはならない存在です。

「ハッカー」と呼ばれる工具を結束線の輪に通して、手首をスナップすることで、鉄筋を縛ることができます。

3.足場の番線の締め方

足場の番線の締め方は、主に2種類あります。番線を絞めつけるために必要な工具は、番線を切るための「番線カッター」と、番線を締めつけるための「シノ」だけです。

番線の締めつけ作業は、足場で作業する作業員の安全を守るための重要な作業の1つです。適切な締め方を解説するので、ぜひチェックして現場での事故をなくしましょう。

3-1.2本締め

建設現場の足場作業において最も多く使用される番線の締め方が、2本締めです。2本締めは、番線を番線カッターで縛りたい材料の幅に合わせてカットし、画像のように半分に折り曲げた部分に輪をつくります。

この状態で、縛りたい資材同士の周囲に、ぐらつきがないよう最短距離で番線を巻きつけます。番線を巻きつけたら、交差させてできるだけ締め付けます。締め付けた番線同士を時計回り(左利きの場合は反時計回り)に軽くねじります。

軽くねじったら輪の中にシノを2cm程差し込み、輪になっていない側の番線を巻き込みながら時計回り(左利きの場合は反時計回り)にさらにねじります。この際に、輪になっていない番線の先端を左手で固定しながらシノを回すのがポイントです。輪を2回転ほどねじると堅固に締めることができます。

3-2.1本締め

足場材を2本締めで縛りづらい場合や簡易的に縛りたい場合には、1本締めを使用します。1本締めでは、番線を半分に折り曲げずに使用します。2本締めの場合と同様に、番線を巻きつけ、交差させて締め上げます。交差した番線同士を時計回り(左利きの場合は反時計回り)に軽くねじります。

ねじった交点にシノを近づけて、ねじり合わさっている番線をシノに巻きつけて輪をつくります。左手で番線の先端を固定しながら、右手のシノを時計回り(左利きの場合は逆)に回します。輪を2回転ほどねじると堅固に締めることができます。

4.足場の番線を縛る時のポイント

先述した足場の番線の縛り方には、堅固に締めるための方法や、その足場を安全に利用できるようにするためのポイントが4つあります。それぞれ解説するので、一緒に見ていきましょう。

4-1.締めつけ過ぎない

番線は引張方向の力には強いですが、ねじれには弱いため、締めつけすぎると破断してしまいます。そのため、締めつける際は、番線と足場材とのすき間がなくなってから半回転する程度がベストです。

万が一、破断してしまった場合は、その番線は弱っているため、再利用せずに新しい番線を使用しましょう。

4-2.足場材の角で絞る

番線を交差させる交点は足場材の角にすると締め付けやすいです。角を利用すると番線と足場材のすき間を減らすことができ、シノを回す回数も少なくて済むため、作業効率が上がります。

足場材の中央に番線の交点をつくると、足場を利用する作業員がその交点につまずいて転倒したり、転倒した勢いで足場から転落したりする恐れがあります。これらの理由からも、番線の交点は、角に設けるのがベストです。

4-3.番線同士の交点を輪のある先端に近づける(2本締めの場合)

2本締めの場合、足場材に巻きつけた番線同士の交点を、輪をつくったあとに2本の番線を交差させた部分に近づけると締め付けやすいです。

交点を交差部分から遠ざけると足場材と番線との間にすき間が増え、番線を回す回数が増えてしまうため、あらかじめ近づけておくのがポイントです。

4-4.締めた番線の余った先端は切って処理する

番線を締めたあとに余った先端は短く切って処理しておくことをおすすめします。長いまま処理せずにおくと、足場を利用する作業員が番線に引っ掛かり、転倒や足場から転落する恐れがあるためです。

5.まとめ

今回は足場の番線の締め方について詳しく解説しました。足場を組む際に番線を適切に使用することは、足場上での事故を減らすための重要な要素の1つです。本記事で説明した番線の適切な締め方と処理方法を参考にすることで、現場での足場を原因とする事故をなくしましょう。


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