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足場の許容積載荷重と最大積載荷重の違いについて詳しく解説 2023/6/2

高所作業を安全に行うために、足場を正しく使用することが重要です。建設現場の足場は、労働安全衛生法で定められている基準を順守しなければなりません。

労働安全衛生法で定められている基準とは、足場の構造や落下対策などです。特に重要なのが、組んだ足場の最大積載荷重を守ること。最大積載荷重を超えるような使い方をすると、足場の崩落をまねきかねません。そのため事業者は、作業者に足場の最大積載荷重を周知させる必要があります。

足場の積載荷重には、許容積載荷重と最大積載荷重があります。これらの荷重は、同じ荷重でも意味が違うため、区別して知っておくことが重要です。

そこで今回は、足場の許容積載荷重と最大積載荷重の違いについて解説します。

1.足場の許容積載荷重とは

足場の許容積載荷重とは、足場の床に使用する布板1枚が許容できる荷重のことです。

例えば布板の幅が500mmの場合、許容積載荷重は250kgとなります。布板の幅が300mmの場合は許容積載荷重が150kg、幅240mmで120kgとなります。

許容積載荷重は布板の幅で異なります。幅が広くなるにつれて数値も大きくなり、大きな重さにも耐えられるようになります。

2.足場の最大積載荷重とは

足場の最大積載荷重とは、足場に布板を組み合わせて設置した状態で、1スパン当たりに載せられる最大の重量のことです。

実際の作業で足場を使用する際は、足場にかかる重さが必ずこの最大積載荷重を超えないように管理しなければなりません。

足場の最大許容荷重は、足場の種類によって異なります。ここでは、足場の種類別に許容荷重を説明します。

2-1.ブラケット一側足場

ブラケット一側足場は、片側だけに足場を建て、ブラケット等を取り付けてその上に足場板を敷き詰めた足場のことです。

ブラケット一側足場は、敷地が狭く、枠組足場や二側足場の設置が困難な場所で使われます。足場を支える建地が片側にしか無いため、最大積載荷重は1スパン当たり150kg以下、建地1本当たり100kgとされています。布板の許容積載荷重が150kg以上だったとしても、150kg以上の物を置くことができません。

ブラケット一側足場で特に注意しなければならないのが、同一スパンに2人以上で作業する場合です。最大積載荷重には、作業者の体重も含まれます。

日本の成人男性の平均体重が64kgから65kgと言われており、同一スパンに2人の作業者が同時にのった場合、約130kgの荷重となります。

また、作業者はヘルメットや墜落制止用器具などの保護具を着用しており、腰には腰道具と呼ばれる道具入れを携帯しています。腰道具には作業に必要な工具等が入っており、作業者によって異なりますが5kgから10kgの重量があると言われています。

それらの重量も含めると作業者の体重によっては、最大積載荷重を超える可能性もあるため、ブラケット一側足場では同一スパンに同時に2人で作業をすることの無いように作業管理をした方がよいでしょう。

2-2.次世代足場

次世代足場は、従来の打込み式クサビ緊結式足場から進化した足場です。近年の建設現場における労働力不足の解消や安全性低下の防止、作業負担の軽減などを目的に開発されました。

枠組足場に代わる次世代の足場として、運搬が容易でコスト面でも優れています。最大の特徴は、システムとして承認を取得することにより全体の強度計算が容易になることと、足場の組み立て・解体の危険性を軽減できることです。

中央ビルト工業では、次世代足場として「スカイウェッジ427」を販売しています。「スカイウェッジ427」は、支柱の外径が建枠と同じ42.7mmとなり、幅木やジャッキベースなどの既に保有している足場部材の資産を活かせる足場です。

足場の組み立て・解体については、2層5スパンの足場を地上で組み立て荷揚げすることを推奨しています。外形は従来品と比べると細くなっていますが、梁間方向の支柱間隔900mm以上で、1スパンの積載荷重の合計が最大800kgまで使用することができます。

また1層1スパンの積載荷重は、連続スパン載荷の場合は250kg、1スパンおき載荷の場合は400kgです。使用条件によって最大積載荷重が変わりますので、作業内容によって最大積載荷重を設定します。

2-3.単管足場

単管足場は、直径48.6mmの「単管」と呼ばれる鋼管を使って組み上げる足場です。「単管」に「クランプ」という金具を取り付けて、さらにボルトで固定して組み上げていきます。

単管足場の特徴は、足場の形状を自由に組むことができるため、狭い場所でも足場を組めることです。材料となる「単管」もホームセンターなどで安価に購入することができます。しかし自由に足場を組める反面、組み立てと解体に時間がかかります。また組み立てる際には、インパクトドライバーと呼ばれる電動工具が必要です。

単管足場の最大積載荷重は、労働安全衛生規則で1スパンあたりの積載荷重は400kgが限度と決められています。

2-4.枠組足場

枠組足場とは、ジャッキや筋交、鋼製布板などの部材を組み立てて構築される仮設足場の一種で、足場工事の中で最もよく使用されます。

枠組足場には先述した部材に加えて、ジョイントやアームロック、壁つなぎなど、さまざまな部材が使われます。また、作業員や資材の落下を防止するために、先行手摺(てすり)や幅木、メッシュシート等の設置が義務付けられているのです。

枠組足場の最大積載荷重は、建わく幅で異なります。建わく幅が1,200mmの場合は、500kg以下、900mmの場合は400kg以下と決められています。

3.足場の積載荷重表示に注意

建設工事では、着工から完成まで同じ作業者が作業を行うことはほとんどありません。多くの作業者は工事の進捗によって入れ替わります。

作業者の中には、1日しか作業に来ない人もいることでしょう。1日しか作業をしない作業者であっても、足場の最大積載荷重を把握していないと、事故や足場崩落の原因になりかねません。

事業者は、設計で決まった足場の最大積載荷重を超えないように、作業を管理しなければなりません。また、作業者も足場が許容できる荷重を把握しておく必要があります。作業者に最大積載荷重を周知させるためには表示が不可欠ですね。

作業状況によって、荷重が場所ごとに変わる場合は、各スパンに最大積載荷重を正しく表示し、その日にはじめて作業に入る作業者であっても、容易に理解ができるようにしておきましょう。

4.まとめ

今回は足場の許容積載荷重と最大積載荷重について解説しました。

許容積載荷重と最大積載荷重の違いは、布板1枚が許容できる重量なのか、1スパンあたりに載せられる最大の重量なのかという点です。

足場の許容積載荷重は布板で決まっていますが、最大積載荷重については、足場の種類や足場全体の荷重状況によって変化します。

建設現場の足場には、作業者だけでなく工事に使用する資材や機材などを一時的に仮置きすることがあります。それらは全て足場に荷重をかけることになるので、現場で足場にかかる全ての荷重を把握しておかなければなりません。

最大積載荷重の誤表記は、大きな事故に繋がる可能性があります。事業者は、最大積載荷重の計算方法を理解して、適切に荷重を管理することが求められます。


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▼手すり先行くさび緊結式足場(次世代足場)『スカイウェッジ427』

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