逮捕そして拘留生活8

留置所を出る時は毎回、身体検査をしてワッパ(手錠)をかけられ縄で繋がれ移動する
今日でワッパをかけられる生活も終わりになるはずと
信じて身体検査を受けワッパをかけられ縄で繋がれ、ひたちなか警察署の警察官の元に行き護送車に乗り込んだ
常陸太田署から水戸検察庁まで1時間弱の道のりで護送車の中、両隣りに座っている警官に多分自分は今日不起訴処分になると話していた
そして荻津が数年に渡り1級建築士、行政書士を詐称していること、行政書士だと信じ込ませ嘆願書を集めていることを説明した
そして、これから検事が私に話すであろう内容を予想して話した
警官は「そうなるといいですね」というニュアンスで返事をしてくれた
検察庁に到着し検事室に入り検事の目の前の椅子に座る
同行した警官は私の両手のワッパを外し椅子にワッパをかけ直し私の後方の席に座る
検事は毎度お馴染みの「この会話は録音しています。話したくないことがあれば黙秘しても構いません。」と言い、私は「はい」と返事をする
対面の検事と見つめ合う
沈黙が続く
検事は真剣な表情で私を見ている
緊張が走る
しばらく間を置いて検事が言葉を発した
「2級建築士を持ってなかったです」
私は荻津が建築士は持っていないのは知っていたので、それはどうでもよかった
「行政書士は?」と私は検事に尋ねた
検事は真剣な顔で「持っていないです」と答えた
やはり私は間違っていなかった
正直、安堵した
行政書士だけは調べきれていなかったので少し不安だったからである
ここからは検事との会話でハッキリ覚えていることだけを綴る
私「私は間違ってなかったってことですね」
検事「私も驚きましたよ」
私「何がですか?」
検事「荻津は最初2級建築士を持ってるって言ってたんだよね。だから証明書を持ってきてと言ったら持ってきますって自信満々に言ってきたから、こっちも持ってるもんだと思ってたんだけど、急に合格して登録してないから証明書がないって言ってきた」
私「検事さんにも同じようなこと言って騙そうとしたんですね。ところで何で2級建築士なんですか? 」
検事「荻津が2級建築士は持ってると言ってきたから。証明書がないと言ってきた時、私も怪しいとは思ったんだけど3回目に来た時は略式では許せないから刑事裁判にしてくれと自信満々に書類を持ってきたから合格してるものだと騙された」
私「それは検事さんでも騙されるの仕方ないですよ。私の弁護士に聞いたら荻津が私達が逮捕されたとYouTube配信までしてたみたいですよね」
検事「それは私も見たよ。途中で目が泳いでた」
私「検事さんが見てくれたんですか。うちの弁護士は配信してるのだけ確認しただけで内容までは見てないって言ってたんで帰ったら見てみます」
「昨日、荻津を呼び出したら真剣な顔して入ってきて建築士も行政書士も持ってないって言ってきたんだ。私もかなり怒ったよ。そしたら荻津が久保さんと駒田さんに謝りたいって言ってきたよ」
私「え!?今なんて言いました?」
検事「久保さんと駒田さんに謝罪したいって言ってたよ」
私「嘘でしょ?」
検事「嘘じゃないって泣き出しそうな顔で真剣に言ってた」
私「とりあえず、分かりました」
私「それで私達はどうなるんですか?」
検事「告訴取り下げで釈放」
私「今日釈放?」
検事「もう拘留する理由がないから今日釈放ね」
私「この時間から戻って釈放されても辛いから明日の朝イチって訳にはいかないですか?」
検事「それは無理だね」
私「了解しました。荻津に伝えてもらっても良いですか?」
検事「ちゃんと伝えておくよ。何?」
私「今回の件を包み隠さず全てインターネット上で公表して荻津が騙した信者、資格に疑問を持った人達への暴言や信者を使ったネットリンチ、我々への謝罪を絶対にしろ。しなければ告発すると伝えてください」
検事「わかった。告発って何処にするの?」
私「ひたちなか警察署は全くアテにならないので水戸検察庁に直接持っていかせます」
検事「ここか・・・ わかった伝えておく」
私「よろしくお願いします。お世話になりました」

こんな感じで最後の検事調べが終わり、護送車に戻り常陸太田署までの帰路についた
常陸太田署に向かう途中、両隣りのひたちなか警察署の警官が行きの道中に私が言った通りになったことに驚いていた

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