逮捕そして拘留生活4

普段私のストレス解消は毎日の入浴である
留置所生活は月曜日、木曜日の2回のみ入浴が許される
これが1番辛かった
何日も風呂に入っていない人間が私の前に入浴をするので湯舟に浸かるなんて汚くて出来ずシャワーのみで入浴を終わらす
ストレスMAXである
しかし、拘留生活何日目だったか、同じ檻の中に1人入ってくる事になった
相部屋で一緒になった人は傷害、強盗で入ってきた元ヤクザだった
名誉毀損という小便刑の私とは違い本当の悪人である
いつもだったら、このような悪人に関わることは無いのだが1人で24時間会話も出来ない状態が辛かったので看守にバレないよう小声で話しかけ、すぐに仲良くなった
なんでも8月に内縁の妻が子供を出産するというのに現役ヤクザだった2年前に飲み屋で喧嘩になった事で、今更逮捕されたそうだ
本人は喧嘩を止めただけと言っていたが実際そうなのかは微妙なところである
しかし、1人でいるより全然マシな生活になった
本来はダメなのだが本を回し読みする事で午前だけで6冊も読めるのだ
しかも小声ではあるが会話もできる
一気に環境が変わり、なんとか10日満期までは留置所生活に耐えれそうだと思った

ここでネタではない本当の話しをする
相部屋の元ヤクザが本を差し入れて貰っていたので、後でコッソリ読ませてもらおうと、読んでいる本を覗いてみた
すると、元ヤクザの男がまさかの「BL本」を熟読していたのである
本当に身の危険を感じ、元ヤクザになんでそんな本を読んでいるのか尋ねると、俺どっちもいけるんですよねと答えたのである
そして笑いながら、36番さんを襲ったりしないから大丈夫ですよと言われたが、それから数日間夜襲われないか不安な日々を過ごした
あの時の衝撃と恐怖は今でも鮮明に覚えている

相部屋で気は紛れるが暇で苦痛の生活なのは少し軽減されたくらいだった
それは私だけではなくほかの檻に入っている凶悪犯達もストレスMAXだったのだろう
皆看守に聞こえないように話しているつもりなのだが隣の檻の話し声は聞こえるのだ
だから本来はお互い様なのだが、私の隣の檻に入っている人が私達の話し声が聞こえると急に壁を殴り洗面台を殴り威嚇してきたのである
相部屋のヤクザは無視していたが私はストレスMAXだったのと暇で面白いことがしたくなり、隣りの檻に向かって「33番、終身刑」「33番、保釈申請却下」と何度も聞こえるように声を出した
すると、33番さんが腹を立て大声で怒鳴り散らし檻を殴り、慌てて看守が飛び出してきた
看守が「33番!保護房に行くか!」と33番さんに叱りつけ私は声に出して笑いそうになった
翌日、運動の時間に33番さんが私に言われたことを看守にチクり、私は自分の運動の時間に看守に怒られてしまった
自業自得である
その日から看守は私に厳しくなってしまった
お茶を持てない飲めないくらいナミナミに注がれ、何もしていないのに檻を叩いてきたりと、イジメみたいな事をしてくるようになった
最初は我慢したが限界で看守に「私は被疑者であって犯罪者じゃない、犯罪者みたいな扱いをするな」と言ってやった
それから看守は運動の時間であっても私を無視するようになった

次回は刑事の取り調べで話したことを綴ろうと思う


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