良く生きるために、死を考える_アルフォンス・デーケン氏の本から教えてもらったこと。

今年の9月6日、より良き死のための準備教育を提唱した、上智大学名誉教授でカトリック司祭のアルフォンス・デーケン氏が亡くなった。

司祭が亡くなり、麹町のイグナチオ教会で告別式ミサが行われたことを、私は数日後Twitterを通して知った。

デーケン氏は、死との向き合い方を教える「死生学」を日本に広め、長年グリーフケアの普及に取り組まれた。

私はペットロス療法士の勉強をする過程で、同氏の著書に出会った。

それまで、私の「死」に対する認識は、まず遠ざけたいものだったし、愛する対象の死に直面した時、自分がその悲しみを乗り越えることができるのかを考えただけでも不安だった。


しかし、同氏の著書を拝読して、死と向き合うことは、より良い人生を生きるためにとても重要なことであることを知った。

また、愛する対象を失った時の悲嘆(グリーフ)の反応には「プロセス」があり、人はそのプロセスを一進一退しながら回復していくものであること、このプロセスが健全に行われることが大切であることを教えてもらった。

デーケン氏の著書「より良き死のために」から、私が心に残った一文をnoteに記録しておこうと思う。

苦しみへの対応には二つの道がある。
一つは、苦しみに打ちひしがれて、立ち直れないまま絶望の日々を過ごすという道。もう一つは、勇気を出して苦しみの中から立ち上がり、その経験を積極的に生かして、自分自身の人格的な成長に役立てるという道。

「にもかかわらず笑うことが」ができたら、どんなに厳しい状況であっても、最悪の事態でさえ冷静に受け止めることができるでしょう。

引用:アルフォンス・デーケン「より良き死のために」


愛する対象の死はとても辛いもの。私も想像するだけでも怖い。

しかし、いつかは迎える死のために、その怖がる心を少し置いて前を向いて準備していくことも、今を良く生きるために必要なことなのだ。


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