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伊藤詩織:学歴ミステリー❓

前回伊藤詩織さんの "学歴詐称" について書きました。ネットでは英語及び日本語で詩織さんの学歴を大卒としている記述は見つかりません。だから卒業しなかったと見るべきでしょう。最後のセメスターが不在ということでは卒業予定はあるはずがない。しかし、日本語の履歴書を送れと言った山口氏はそういう点には全く無頓着。これも彼の本気度を深く疑わせる要因の一つだ。

詩織さんの "学歴摩擦" はこれが最初ではないようです。詩織さんの本、Black Box、以下"BB"、によれば、高校卒業後、確かな時期は不明ですが、東京のあるTV局のニュース部門で一年間アシスタントのバイトをしたとなっている。その時の採用条件は4年生大学在学生だったが面接でうまく切り抜け採用された、と書かれている。 

"BB"中の事件に至るまでの詩織さんミニ伝記、英語訳で40ページあまり、には学歴の謎がありあり。読んでいて実に不思議な箇所です。

下は他のサイト等から得た情報に依拠した詩織さんの学歴です。

2005、相模女子大学高等部入学、一年間カンザスで米交換留学 

2008-2010、神奈川県立外語短期大学英語学科入学&卒業

ドイツの大学(ベルリン)で米大学編入に必要な科目を取得 

2013、NYメリーマウントマンハッタンカレッジ在学中に山口氏と遭遇(9月)

2014/1 イタリア・フィレンチェ留学(1セメスター)

    9月前に帰米、9月に日テレでインターン

    12月末頃NYから引き揚げて帰国

2015/5 NYメリーマウントマンハッタンカレッジ卒業予定(撮影・ジャーナリズム)


詩織さんが短大卒であることは著書BBでは全く言及なし、NYの大学名も全く伏せられている。

読んでる方は何か狐にでもつままれたような気がする。詩織さんの説明では米の大学編入に必要な2年分の科目はドイツの大学で取得したとなっているからだ。

詩織さんは9歳でモデルをはじめた。その事で周囲からのやっかみに遭遇し、家族ぐるみでかなり不快な経験をさせられようである。詩織さん一家は高層団地暮らしだったのでプライバシーを守ろうとする思いが逆に一般人より格段に強いのかも知れない。

BBで私の一番好きな箇所は詩織さんが到着した最初の地、カンザスのところだ。

カンザス州は米のほぼ中央部に位置しているせいかこの広大な地域には典型的アメリカ人が住んでいると思われている。私達一家も親戚を頼りにボロ車を運転してあのあたりを貧乏旅行したが、だだっ広い農地ばかりで何もなかった。日本では、名画 "オズの魔法使い" やTVシリーズ "大草原の小さな家" で知られていた。それらの中の登場人物は素朴で純真な本物のアメリカ人として描かれている。

この何もないだだっ広いばかりの地で詩織さんは中西部の人々と交流して米語をモノにしポジティブな生き方を感じ取ったという印象だ。これは素晴らしいことである。

しかし、詩織さんはそこで発病してしまうのだ。アズマ(=喘息)だった。BBではさらっと書き流しているが、かなり大変な事件であったはずだ。もしこの状態が事前に知られていたら留学できなかった可能性もあるからだ。

詩織さんは中学時代の長期入院が原因で高校受験に大きく出遅れた為私立女子高に進学した。それでも3年間で高校卒業した。米に高校留学すると一年留年を余儀なくされるのが通常だ。だから詩織さんは大学受験組みからもはずれたということだろう。

その後卒業した県立外語短期大は、2011年に廃校となっている。

外国人が米の大学に編入される為には、通常TOFELに合格しなければならない。英語の読み書きが得意ならあまり問題はないだろうが、数学でつまずく外国人受験者は結構多い。英語の読み書きが充分でないと人文科学系科目で落第するリスクが大きい。外国人学生にとっての難関は大学で必修の英作文だろう。外国人の英語を👀の仇にするインストラクターに私も遭遇。私立なら学生はお客様なのでこのトラブルはないかも知れない。

ところで詩織さんはドイツの大学での習得科目を米の大学の科目に替えたと書いている。ドイツの大学で学籍を得るには日本の短大卒資格で可能となっている。高卒だけなら大学共通テストの成績が必要。ドイツのある大学では英語での学士、修士コースが設定されている。しかしドイツの学生はギムナジウムという最初から大学進学高校出身なので科目テストの合格水準は米よりはるかに高いのではないかと思う。詩織さんが正式にドイツの大学の学籍を取得し、一般教養科目を習得したのなら、メチャ立派で文句無しに称賛に値する。

BBで言及されているフィレンチェ留学は、メリーマウント・マンハッタンカレッジの交換留学プログラムとして記載されている。

これに参加する学生達は現地フィレンツェにあるISI (=International Study Institute)で科目を習得。コースは英語で寄宿舎も用意され、1セメスター(実質4か月)通学することになっている。詩織さんはその時同棲中のボーイフレンドと一緒にイタリアに向かったと書かれている。

前回でも書いたが、MMカレッジのインターンは一科目と交換となっている。だからインターンが就職先に直接結びつくわけではない。採用先でも大学や職業学校のバックアップなしにインターンを取って無給労働させるのは労働法違反だ。もう一つのインターン、雇用先の見習いというのであれば、実際に雇用に続かなければ奴隷労働を構成する。だから、インターンなら私の裁量、という山口氏の言い訳は信用ならない。

詩織さんがインターンから採用へという見習いルートを狙っていたのはBBで明らか。しかし大学との関連が全く出ていないのも不思議だ。

あるコメントでは、日テレのインターンをしたが雇用に結びつかなかった事が帰国の原因であったというのがあった。

不思議なのは、あれほど憧れたNYのカレッジでのキャンパスライフの記述箇所は本文中ゼロ。

メリーマウントマンハッタンカレッジは米富裕層子弟を対象としたカレッジだ。普通に高校を卒業していれば入学できる水準。NYのマンハッタンに位置していることもあり、学費及び住居生活費が格段に高いのは当然といえば当然。

大富豪でない米のミドルクラスの子弟は学生ローンで大学を卒業するのが圧倒的に多い。この手の私立大学では1000-2000万円相当の借金を抱えて卒業。多くは10年以上の月賦払いとなる。

だから借金のなかった詩織さんはもう大の優等生。親の誇りだ。我が子に学費ローンを借りてやる為に家を担保にした親も多い。私の愚孫は州立大の学生だが、ドーム(=寄宿舎)代込みで年間約150万。食費・雑費抜き。だからNYのマンハッタンにある私立大学ではすくなくとも約3倍はかかるはず。

NYのメリーマウントマンハッタンカレッジの在学記録の照会については本でもネット上では全く言及がない。個人的な印象ですが、この確認がない限り詩織さんの学歴についてそのまま書いてある事通りに信じることは難しい。

逆に言えば詩織さんが在学していた事が確認されれば彼女のクレディビリティ=信用度は非常に高い、ということになります。


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