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【読書】人と社会と幸せについて考えながら

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気の向くままの読書記録です。本の選び方はマニアック、かも。内容も、本の紹介はもちろんしたいことだけど、自分が何を思ったか、何を連想したか、も記録しています。それから基本図書館で借…
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#歴史

【読書】「原爆は日本人には使っていいな」

出版情報 タイトル:「原爆は日本人には使っていいな」 著者:岡井 敏 出版社 ‏ : ‎ 早稲田出版 (2010/7/1) 単行本 ‏ : ‎ 271ページ いくつもの切り口  本書はいくつもの問題提起をしてくれている。著者の意図するもの、意図せざるもの取り混ぜて。  著者の問題提起は主には原爆の常識の欺瞞、「ハイドパーク覚書」にまつわる欺瞞である。そして著者の行動の基層として平和を希求して孤軍奮闘する父の姿、それから著者が受けた軍国主義下のイジメとそれに対する父

【読書】世界「民族」全史 ――衝突と融合の人類5000年史

タイトル:世界「民族」全史 ――衝突と融合の人類5000年史 著者:宇山卓栄 出版社 ‏ : ‎ 日本実業出版社 (2023/1/20) 単行本(ソフトカバー) ‏ : ‎ 744ページ 売れ筋ランキング第1位「民族研究」 元予備校講師で著述家の宇山卓栄の渾身の一冊。  700ページ超の大作で力作だ。宇山の強みは、世界中を旅して自分の目と耳で確かめ肌感覚を持っていることだろう。著者はさまざまな媒体で著述し、時事解説も行なっている。深い歴史への造詣があればこそ、わかりや

【読書】沖縄はいつから日本なのか 学校が教えない日本の中の沖縄史 その1

出版情報 タイトル:沖縄はいつから日本なのか 学校が教えない日本の中の沖縄史 著者:仲村 覚 出版社 ‏ : ‎ ハート出版 (2018/4/18) 単行本 ‏ : ‎ 240ページ 本書から学ぶ、この一連の記事は下のような構成となっている。 予告編 1 日本の中の沖縄の歴史 ← この記事 2 基地問題は分断工作 3 沖縄県民は先住民族? 4 住民を守るのは自治体の義務 沖縄を知ることは日本を知ること 民族とは歴史と使命を共有した運命共同体だと著者はいう

【読書】樋口季一郎の遺訓 ーユダヤ難民と北海道を救った将軍

出版情報 タイトル:樋口季一郎の遺訓 ーユダヤ難民と北海道を救った将軍 編著:樋口隆一 出版社 ‏ : ‎ 勉誠出版 (2020/4/2) 単行本 ‏ : ‎ 552ページ ユダヤ難民と北海道を救った将軍  樋口季一郎の名を知っている人は、あまり多くないかもしれない。あるいは本稿の読者の方であれば、にわかの私よりよっぽどご存知の方が多いのかもしれない。  樋口季一郎は本書のサブタイトルの通り、ユダヤ難民と北海道を救った将軍(中将)である。正直なところ、本書をどのよ

【読書】月の裏側(日本文化への視角) もくじ

出版情報 タイトル:月の裏側(日本文化への視角) 著者:クロード・レヴィ=ストロース 翻訳:川田順造 出版社 ‏ : ‎ 中央公論新社 (2014/7/9) 単行本 ‏ : ‎ 176ページ 目次を作ることにしました  長かったので目次を作りました。よかったらご活用ください。 【読書】月の裏側(日本文化への視角) その1:文化人類学の神様の御神託 【読書】月の裏側(日本文化への視角) その2:日本が世界に還元するもの 【読書】月の裏側(日本文化への視角) その

【読書】月の裏側(日本文化への視角) その4

出版情報 タイトル:月の裏側(日本文化への視角) 著者:クロード・レヴィ=ストロース 翻訳:川田順造 出版社 ‏ : ‎ 中央公論新社 (2014/7/9) 単行本 ‏ : ‎ 176ページ 著者略歴 著者レヴィ=ストロースは著名なフランスの文化人類学者で、代表的な著作は『悲しき熱帯』である。婚姻関係をはじめとする他グループとのやりとりには規則性(構造)がある、と提唱した。構造主義の第一人者でもある。残念なことに2009年に100歳でお亡くなりになっている。生ま

【読書】月の裏側(日本文化への視角) その3

出版情報 タイトル:月の裏側(日本文化への視角) 著者:クロード・レヴィ=ストロース 翻訳:川田順造 出版社 ‏ : ‎ 中央公論新社 (2014/7/9) 単行本 ‏ : ‎ 176ページ 著者略歴 著者レヴィ=ストロースは著名なフランスの文化人類学者で、代表的な著作は『悲しき熱帯』である。婚姻関係をはじめとする他グループとのやりとりには規則性(構造)がある、と提唱した。構造主義の第一人者でもある。残念なことに2009年に100歳でお亡くなりになっている。生ま