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【読書】人と社会と幸せについて考えながら

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気の向くままの読書記録です。本の選び方はマニアック、かも。内容も、本の紹介はもちろんしたいことだけど、自分が何を思ったか、何を連想したか、も記録しています。それから基本図書館で借…
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#日本史がすき

【読書】「原爆は日本人には使っていいな」

出版情報 タイトル:「原爆は日本人には使っていいな」 著者:岡井 敏 出版社 ‏ : ‎ 早稲田出版 (2010/7/1) 単行本 ‏ : ‎ 271ページ いくつもの切り口  本書はいくつもの問題提起をしてくれている。著者の意図するもの、意図せざるもの取り混ぜて。  著者の問題提起は主には原爆の常識の欺瞞、「ハイドパーク覚書」にまつわる欺瞞である。そして著者の行動の基層として平和を希求して孤軍奮闘する父の姿、それから著者が受けた軍国主義下のイジメとそれに対する父

【読書】 慰安婦性奴隷説を ラムザイヤー教授が完全論破 その1

出版情報 タイトル:慰安婦性奴隷説をラムザイヤー教授が完全論破 著者:ジョン・マーク・ラムザイヤー 翻訳: 藤岡 信勝, 山本 優美子, 藤木 俊一, 矢野 義昭 出版社 ‏ : ‎ ハート出版 (2023/12/13) 単行本 ‏ : ‎ 416ページ 学問の自由の勝利本書の構成  本書は著者 マーク・ラムザイヤーによる4つの論文と、突如キャンセル・カルチャーの渦に巻き込まれた著者の体験記とその背景を<プロローグ>ととして掲載した5部構成となっている。 本記事

【読書】幕末外交と開国 (講談社学術文庫 2133)

出版情報 タイトル:幕末外交と開国 (講談社学術文庫 2133) 著者:加藤 祐三 出版社 ‏ : ‎ 講談社 (2012/9/11) 文庫 ‏ : ‎ 280ページ 和やかな調印式 本書を読むきっかけとなったのは、室伏謙一氏がネットメディア(YouTube動画だと思う)で、「幕末期の幕府は事前に綿密に調査をし、外交の現場でも相手の狙いは何かを的確に捉え、結果として素晴らしい外交だった。むしろ、不平等条約は明治期の失策により結ばれた」と発言しているのを聞いたからだ。

【読書】 古代憲法 先代旧事本紀大成経伝(二) (先代旧事本紀大成経伝 2)

出版情報 タイトル:古代憲法 先代旧事本紀大成経伝(二) (先代旧事本紀大成経伝 2) 著者:安齋玖仁 出版社 ‏ : ‎ ‎ エー・ティー・オフィス (2016/12/10) 単行本 ‏ : ‎ 260ページ またいではいけない 昔の人は「本をまたいではいけない」といった。少なくとも、私のおばあちゃん世代の人たちにとっては、そうだった。それは、多分、どんな本であっても。  子どものころ、住んでいたところには、まだ、たくさん畑が残っていた。私は団地住まいだったけど、

【読書】 聖徳太子: 地球志向的視点から その4

出版情報 タイトル:聖徳太子: 地球志向的視点から 著者:中村 元 出版社 ‏ : ‎ ‎ 東京書籍 (1990/9/1) 単行本 ‏ : ‎ 251ページ 前回まで 【読書】 聖徳太子: 地球志向的視点から その1では、東洋思想研究の世界的権威である著者中村元の紹介と、私のこれまでの断片的な聖徳太子像、それから飛鳥・奈良時代のコスモポリタン的な空気感を本書を通して紹介した。  聖徳太子は一義的には、当時の政治家=為政者であった。中村は、冠位十二階や十七条憲法、仏法

【読書】 聖徳太子: 地球志向的視点から その3

出版情報 タイトル:聖徳太子: 地球志向的視点から 著者:中村 元 出版社 ‏ : ‎ ‎ 東京書籍 (1990/9/1) 単行本 ‏ : ‎ 251ページ 前回まで 【読書】 聖徳太子: 地球志向的視点から その1では、東洋思想研究の世界的権威である著者中村元の紹介と、私のこれまでの断片的な聖徳太子像、それから飛鳥・奈良時代のコスモポリタン的な空気感を本書を通してご紹介した。  聖徳太子は一義的には、当時の政治家=為政者であった。中村は、冠位十二階や十七条憲法、仏

【読書】 聖徳太子: 地球志向的視点から その2

出版情報 タイトル:聖徳太子: 地球志向的視点から 著者:中村 元 出版社 ‏ : ‎ ‎ 東京書籍 (1990/9/1) 単行本 ‏ : ‎ 251ページ 前回は… 東洋思想研究の世界的権威である著者中村元の紹介と、私のこれまでの断片的な聖徳太子像、それから飛鳥・奈良時代のコスモポリタン的な空気感を本書を通してご紹介した。コスモポリタンとは、すなわち地球志向ということだ。世界各国(主にはアジアではあるが)からやってきて主に仏教を伝えてくれた人々=コスモポリタン。そ

【読書】 聖徳太子: 地球志向的視点から その1

出版情報 タイトル:聖徳太子: 地球志向的視点から 著者:中村 元 出版社 ‏ : ‎ ‎ 東京書籍 (1990/9/1) 単行本 ‏ : ‎ 251ページ 東洋思想研究の世界的権威:中村元 著者の中村元は東洋思想研究の世界的権威だそうだ。出身地松江には、名を冠した記念館まである。そのWEBの紹介ページには、 とある。東京にはそれとは別に中村の名前を冠した中村元東方研究所が存在する。  大正元年(1912)生まれの中村が本書を出版したのは平成2年(1990)。昭和

【読書】「日本人とは何か」がわかる 日本思想史マトリックス

タイトル:「日本人とは何か」がわかる 日本思想史マトリックス 著者:茂木誠 出版社 ‏ : ‎ PHP研究所 (2023/9/16) 単行本(ソフトカバー) ‏ : ‎ 472ページ 学び甲斐のある思想の宝庫:日本思想史茂木誠という作家 以前、著者の茂木誠について、このようにご紹介した。「茂木誠は予備校教師&著作家で歴史系YouTuber。番組が面白くて、もう2年近く見続けている」。これが去年2023年9月1日。ほぼ半年前だ。相変わらず茂木の番組を視聴し続けている。

【読書】沖縄はいつから日本なのか 学校が教えない日本の中の沖縄史 その3

出版情報 タイトル:沖縄はいつから日本なのか 学校が教えない日本の中の沖縄史 著者:仲村 覚 出版社 ‏ : ‎ ハート出版 (2018/4/18) 単行本 ‏ : ‎ 240ページ 本書から学ぶ、この一連の記事は下のような構成となっている。 予告編 1 日本の中の沖縄の歴史 2 基地問題は分断工作 3 沖縄県民は先住民族? ← この記事 4 住民を守るのは自治体の義務 沖縄を知ることは日本を知ること 民族とは歴史と使命を共有した運命共同体だと著者はいう

【読書】現代語訳 古事記:蓮田善明 訳

出版情報 タイトル:現代語訳 古事記 訳者:蓮田 善明 出版社 ‏ : ‎ 岩波書店 (2013/9/19) 文庫 ‏ : ‎ 304ページ まったく古さを感じさせない昭和9年の現代語訳  本書を読んだ印象は、何よりも上品で、何よりも瑞々しい。昭和9年に訳されたとは。令和を生きる我々にとってはちょっと過剰に思える敬語ぐらいかな、気になるのは。でもそれも、神様に捧げる言葉なら、むしろちょうどいいくらいかもしれない。  訳者 蓮田善明は国文学者だ。古事記に関する論文も

【読書】沖縄はいつから日本なのか 学校が教えない日本の中の沖縄史 その1

出版情報 タイトル:沖縄はいつから日本なのか 学校が教えない日本の中の沖縄史 著者:仲村 覚 出版社 ‏ : ‎ ハート出版 (2018/4/18) 単行本 ‏ : ‎ 240ページ 本書から学ぶ、この一連の記事は下のような構成となっている。 予告編 1 日本の中の沖縄の歴史 ← この記事 2 基地問題は分断工作 3 沖縄県民は先住民族? 4 住民を守るのは自治体の義務 沖縄を知ることは日本を知ること 民族とは歴史と使命を共有した運命共同体だと著者はいう

【読書】沖縄はいつから日本なのか 学校が教えない日本の中の沖縄史 予告編

タイトル:沖縄はいつから日本なのか 学校が教えない日本の中の沖縄史 著者:仲村 覚 出版社 ‏ : ‎ ハート出版 (2018/4/18) 単行本 ‏ : ‎ 240ページ 本書から学ぶ、この一連の記事は下のような構成となっている。 予告編  ← この記事 1 日本の中の沖縄の歴史 2 基地問題は分断工作 3 沖縄県民は先住民族? 4 住民を守るのは自治体の義務 この本を読むきっかけ 愛国女子見習いLizzyさんのYouTube番組を見て本書の著者 仲村覚

【読書】日本とユダヤの古代史&世界史 もくじ

出版情報 タイトル:日本とユダヤの古代史&世界史 - 縄文・神話から続く日本建国の真実 著者:茂木 誠、田中 英道 出版社 ‏ : ‎ ワニブックス (2023/6/9) 単行本 ‏ : ‎ 304ページ 目次を作りました  長かったので目次を作りました。よかったらご活用ください。 【読書】日本とユダヤの古代史&世界史 予告編 【読書】日本とユダヤの古代史&世界史 その1:ユダヤ人とは何者か 【読書】日本とユダヤの古代史&世界史 その2−1:ユダヤ人と日本人の関