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天の原ふりさけ見れば伊国なる・・・vol.1

イタリアワイン探訪 出会いと学び

仮)全日本イタリアワイン協会会長および、仮)マスターオブイタリアワインテイスターの命の有る限り食すでございます。 この二つの名称は残念ながら実在しません。 架空の団体であり名称です。 あくまで本NOTEのみ存在するものです。

こちらのNOTEではおもに、イタリアワインの概要や試飲コメント、イベントのお知らせ、そしてさまざまな魅力を発信したいと思います。
また、別途、イタリアワインテイスティング講座を有料で配信する予定でいます。 有資格者の間でも鬼門(?)とされるイタリアワインテイスティングでございますが、たしかにイタリア全土、20州すべての地域でワインが生産されているのは世界広しといえどもイタリアくらいです。 意外に思われるかもしれませんが、わが国は平成29年度3月31日現在において、奈良県、徳島県、佐賀県を除いた44都道府県でワイナリーを有しています。
さらにはイタリア政府が公認するブドウ品種は430種を超えます。 とはいえ、これらが単体、2種のブレンド、3種以上のブレンド、そして毎年のように生産されているのですから困惑するのは当然です。


イタリアワイン概要

イタリア共和国の総面積は約301,000㎢。 Romaの北緯41°は函館くらいですから、EUでは南でも日本人の感覚からすると実際は北に位置しています。 気候は亜熱帯地中海性気候。 ミラノであっても5から8月の生育期一カ月の降雨量は100mm以下、70mmを下回る月もあります。 地形は北から山麗地帯、平野地帯、ティレニア海沿岸地帯、アドリア海沿岸地帯、地中海沿岸地帯の5つに分けることが出来ます。 OIV(国際ブドウ・ブドウ酒機構)が発表した近年のイタリアワイン生産量は約4,250万hlで世界第1位です。 ワイン法は1963年制定、その後1992年に改定。 本来ならば現行ではDOPの表記がなされるはずですが、流通ではDOCGを頂点にDOC、IGT、Vdtの4つにカテゴリーに分類しています。 このDOCGについてはいずれ詳しくご説明したいと思います。

簡易年表
 ・1716年 トスカーナ大公国コジモ3世がChianti,Pomino,Carmignanoの生産地を区分。
 ・1870年頃 カルロ・ガンチャがAsti Spumanteの原型を造る。
 ・1920年 Baroloの生産地域の確立。
 ・1966年 最初のDOCが認定される(7銘柄)。
    Vernaccia di San Gimignano
               Est Est Est di Montefiascone
               Ischia
               Frascati
               Bianco di Pitigliano
               Brunello di Montalcino
               Barbaresco
 ・1975年 Vino NovelloをAngelo GAJAがNebbiolo種で初めて造る。
 ・1980年 最初のDOCGが制定される。
               Brunello di Montalcino
               Vino Nobile di Montepulciano
               Barolo
               Barbaresco


イタリア20州を知る 一度は飲んでみたい幻の州別イタリアワイン


Valle d'Aosta州 Passito di Chambave1970’71’74’81’85 / Voyat Ezio
Piemonte州 Barolo "Monfortino" 1970 DM / Giacomo Conterno
Lombardia州 Franciacorta Rampaneto 1984  /  Cavalleri
Liguria州 Pigato di Albenga vino Fiore 1982 / Calleri
Trentino Alto Adige州    Alto Adige Terlano Chardonnay 1991  /  Terlan
Veneto州  Amarone della Valpolicella 1975'79'80 / Quintarelli.G
Friuli Venezia Giulia州   Pinot Grigio ?? o Rujno 1991  /  Josko Gravner
Emilia Romagna州    Marzieno 1994  /  Fattoria Zerbina     
Toscana州    Brunello di Montalcino 1979  /  Case Basse
Marche州    Verdicchio dei Castelli di Jesi 1984  /  Villa Bucci
Umbria州    Montefalco Sagrantino 25Anni 1995  /  A.Caprai
Lazio州     Colle Picchioni vigna del Vassallo 1985'90  /  di Mauro
Molise州    Apianae 1993  /  Di Majo Norante
Abruzzo州    Trebbiano d'Abruzzo  1992'71'79  /  E.Valentini
Campania州    Pallagrello Nero Terre del Volturno 2000  /  Tommasina
Vestini Campagnano 
Basilicata州   Aglianico del Vulture 1981  /  D'Anjero Rionero
Puglia州    Patriglione 1985'88'90  /  Taurino Cosimo
Calabria州    Gravello 1990'91  /  Librandi
Sicilia州    Rosso del Conte1979'80'85  /  Regaleali Tasca d'Almerita
Sardegna州    Vernaccia di Oristano 1968'69'71'75'79  / Silvio Carta


イタリアワインを識る3つの原則

これらは筋トレの記事にもお伝えしましたが、ワインを識る上でも大変重要な原則と考えます。 ただ単に、高級ワインが飲みたい、覚える必要性を感じないという方でしたら、おそらくこのノートはまったく無用です。 私は気の置けない仲間内の会ではなく余所行きの会などで、ず~っと自慢大会を披露されている方より、何も分からずとも美味しいと飲んでくれる方のほうが精神衛生上、助かります。 昨今ではさまざまなハラスメントがあり、ワインに限らず、お酒の席では普段以上に抑制が必要と考えます。 迷惑行為はやめましょう。 嗜みを知り、マナーさえキチンとしていれば、ワインの会ほど楽しいものはございません。 さて、3原則です。
全面性の原則・・・個別のみならず全体を考察する。
反復性の原則・・・継続するからこそ向上する。
・意識性の原則・・・これこそテイスティングの極意です。

簡単にご説明しますと、ワインを識るとは段階があり、先ずは平面的と言いますか、紙媒体や画面にある情報を入手します。 例えば産地、品種、銘柄、収穫年、生産者は二次元つまり平面的な識るです。 これが三次元つまり立体的になるとどうなるか・・・そう。テイスティングのように、外観、香り、味わい、などなどを最初は小さい球体にさまざまな要素を粘土のようにくっつけて大きい球体にするイメージです。 そしてこの先は意識的な分析と記憶の繰り返しです。 私的には反復横跳びか踏み台昇降のようなイ地味なトレーニングの繰り返しといったところでしょうか。 進んでるのか何なのか分からなくなる時があります。 これがさらに識りたいとなるとつまるところ、畑における栽培管理や醸造方法に行きつきます。 醸造家のテイスティングはソムリエや評論家のそれとはまったく異なります。 決定的に違うのはブドウという原料を熟知している点だと思います。 たとえば栽培面では、白または黒ブドウの栽培における葉枚数の違い、副梢や副々梢の管理の仕方、アントシアニンの種類と各々の性質、醸造面では酵母の種類、有機酸と糖と香気成分の関連性・・・などなどです。 どこまでを学びたいかはご本人の熱量次第でしょう。 


イタリアワイン 学ぶに資する食文化の象徴

本NOTEでは今後、イタリアワインが飲みたくなる情報とイタリアワインテイスティング(こちらは有料)にて、随時ご紹介します。 個別の特徴を知っていただくとさらにイタリアワインを飲みたいと思っていただける方が増加するのでは・・と期待しています。 筋トレと園芸、そしてイタリアワインとなると、おや??と思う方もいらっしゃるかもしれません。 たしかに筋トレとアルコール類は相反する性質のものです。 すなわち筋トレはストレス応答ですが、アルコール摂取はストレス対応と言えます。 アルコールを摂取しないという選択をした方に対して、わたしは否定することはありません。わたしには出来ない選択ですし純粋にそのストイックさに敬意を表します。 それとは別の次元で捉えた時、ワインは百薬の長であり、食文化、地域文化の伝統性を有するものと考えます。 そうであるがゆえに、単に酔うだけの嗜好品ではなく、文化を有した学ぶに資する豊かな嗜好品と言えるのではないでしょうか。 


総論&まとめ

幻のワインでご紹介しましたが、年代が古いとお感じになった方も多いかと思います。 幻としたのはイタリアワインの多くの生産者が白ワインなら1984、91、94年、赤ワインなら1970、71、75、85、90年を忘れ難いヴィンテージとおっしゃっていたからです。 単に古酒をおススメしたいというのではなく、この時代、現代ほど科学の視点以上に”経験こそがすべて”の時代でした。 ワイナリーの家長は家族から尊敬されています。 なぜなら、畑の管理も収穫も発酵も熟成もあらゆる面で他の誰よりも最も熟達者だったからです。 そのような経験やそのワイナリーの思想のようなものがダイレクトに感じられる、そんな時代を好んで選びました。 現在のイタリアワインももちろん、飲む度に新しい発見があり、相変わらず多様で当時では生まれなかったであろうワインが多く存在します。 一時はマーケティング重視の時代もありましたが、それももう、今は昔です。 ありがたいことに、わが国では首都圏のみならず、地方であってもイタリアワインを楽しめるレストランやバルが増え、それに伴い、イタリア全土のワインを楽しめるようになりました。 ワインは人を繋ぎます。 そして、さまざまな事柄を学べます。 本NOTEでは今後も、楽しくイタリアワインが飲みたくなる情報をお伝えします。 ワインをグラスに注ぎ入れて空に透かせてみると、その土地の風景や人々の暮らしや生命の営みに思いを馳せることがあります。 知識も経験も一切を無にして在るものを在るがままに受け入れ、感じることもまた一興です。 至極単純に考えたら、ワインはブドウとその風土とそこに生きるさまざまな生命が織り成す結晶のようなものです。 四季の周期と生命の配列がそこには在ります。 こころ豊かに過ごせるよう、また、美味しく飲食が出来るよう、健康に留意しながらイタリアワインで素敵な日々をお過ごしください。


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