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骨髄バンクのドナーになれなかった話

こんにちは。朝からシャワー、なかだいらです。
過去の日記が出て来たので、この機会に骨髄バンクの記事だけnoteにまとめようと思います。何かの役に立てば。

届いたオレンジ色の封筒

2019年9月8日。
ドナー候補に選ばれるとこういう封筒が届くんだよー。
前回は妊娠中で提供できなかったんだ。
今回はお役に立てるといいなぁ。
アレルギーの薬を飲んでるとNGかもしれないので、明日主治医に確認しに行ってくる!

ドナー登録はずいぶん前にしてて、今回「型が適合した患者さんが見つかったので候補として協力してくれますか?」という通知が来たの!
これから私も色々検査を受けて、提供できるかを調べる感じかと。

服薬を続けながら話を進めることに

2019年9月10日。
昨日、主治医に相談して、アレルギーの薬はいますぐ辞めなくてOK。
そのまま臨んでみましょうとのこと。
私の場合、猫多頭飼いの猫アレルギーなので、予防の薬はいきなりやめられないみたい。
いまの服薬でずっと喘息をコントロールできているので、具合見ながらコーディネーターさんと相談して進めていくカタチになりそうです!

移植の1カ月前から服薬はNG…

2019年9月13日。
私はまだ候補の段階です。
ドナー候補は複数いる場合もあれば、患者さんにとって私が唯一の候補である可能性もあります。
健康状態が良く、ドナー・患者さんどちらにとってもリスクが低いと考えられるひとが選ばれることになります。

今日はコーディネーターさんから電話があって、健康状態について色々質問がありました。
ドナーに決定した場合、骨髄提供の1カ月前からサプリや薬の服用ができなくなるんだって。

私は喘息の発作もずっと起きてないし、花粉症・猫アレルギーも薬が無ければくしゃみ・鼻水・目のかゆみが辛いだけで、命には関わらないから大丈夫だと思ってるんだけど、念のためまた主治医に相談に行ってこようと思います。

今回の件で「アレルギー体質でも薬飲んでコントロールできてるからいいや」と思ってたけど、体質改善も含め自分の身体のこともっとよく考えようって思ったね。

提供見送りまでの経緯

禁酒宣言したときの紙

2020年6月24日。
写真は、移植に備えて禁酒しようと思って冷蔵庫に貼った紙です。
2019年9月にドナー候補に選ばれたのですが、その後やはり喘息発作のリスクを踏まえ、見送りとなってしまいました。

お役に立てず残念ですが、それが最善だったと納得できています。
ドナー候補宛の封筒を受け取ったのが2019年9月8日で、その後は主治医と相談しつつ進行。
その後、9月30日にコーディネーターさんと面談、同日血液検査も行いました。
この面談でいくつもの学びがありました。

骨髄移植の基礎知識

①骨髄は背骨に注射して脊髄を採取するわけではない。
私の中では背骨の中にある組織を注射で採るイメージでした。
脊髄は骨髄移植と全く関係ないんですね。

②採取には2種類ある
骨髄は背骨ではなく、骨盤から採取するそうです。
あと血液中に造血幹細胞を増やす処置をして、全身麻酔無しで静脈から採取する方法もあるとのこと。
私は血管が細いからこちらの方法はNGとなりました。

提供には2種類の方法があります

③ドナー候補に選ばれるのは4回目
1回目は妊娠中で辞退、2回目はバリ島生活中で不採用、3回目は本人連絡前に脱落、今回が4回目とのこと。
コーディネーターさんに「何度も選ばれるということは白血病等にもなりやすいってことでしょうか」と聞いたところ「いえいえ、よくある一般的な型なだけです」とのことで安心しました。
ちなみに主治医は骨髄バンクに30年登録していて、1度も選ばれなかったそうです。

④患者さんは移植前に正常な細胞まで破壊して待つ
患者さんは移植の前に1~2週間かけて、大量の抗がん剤投与や放射線照射によって、病的な細胞を破壊して移植を待つことになります。
その際、正常な造血幹細胞も死んでしまうわけです。白血球も減少し抵抗を失うため、無菌室で過ごすのですが、無事に移植が完了した後も、拒絶反応や感染症により亡くなってしまうこともあるそうです。

患者さんは命がけで移植を受けます

面談後は血液検査を受け、医師から改めて服薬の状況を聞かれました。
前回の吸入がいつだったのか。喘息発作用のメプチンはお守りのために持っているので、前回がいつだったかもう覚えていません。1年以上前だったか、1年以内だったか……。
その辺りを慎重に確認され、主治医にも電話をして頂き、微妙ではありますが喘息リスクありに丸が付きました。
検査結果の通知は2週間前後ということでした。

突然訪れた不安とプレッシャー

この面談以降、自分でも想像していなかったことが起きました。
これまで不安も恐怖も何も無かったのですが、患者さんが命がけで移植に臨むことを改めて知り、もし準備期間中に喘息の発作が出てしまったらと思うと、怖くて怖くて。
発作が起きたら吸入すれば楽になります。でも吸入したら移植は中止です。
自分のせいで誰かが死に直面する。
これは想像を超えるプレッシャーとなりました。

発作が起きたらどうしよう、息苦しくなっても吸入できない。そう考えると余計に息ができなくなります。
しばらくの間はお酒を断ち、睡眠にも気をつけて、なるべくアレルギー症状が出ないよう努めていました。


その後、予想していたより早くコーディネーターさんから電話があり、喘息リスクが心配なので今回は見送り、とのことでした。
私は正直、ほっとしてしまいました。

私はこの赤枠まで進んで終了

そして自分自身が健康でいることが、骨髄移植の大前提だと痛感しました。
自分自身が治療中なのに、多くのひとに動いていただき、また移植を待つ患者さんにも大変申し訳なく思いました。
コーディネーターさんとの電話の中で、「もし私がドナーとなっていた場合、準備期間中に喘息の発作が出たら患者さんはどうなりますか」と質問してみました。
「その場合はご自身の命を優先してください。事故や病気でドナーが移植に対応できなくなることはまれにあります。その際でも移植を実施できるよう、次の候補の方にも並行して準備していただいています」とのことでした。
それを聞いて少し安心しました。ただ次の候補の方がいるとは限らないそうです。

今回はきっとより健康で適した候補の方が選ばれたと信じたいです。
というわけで、私のドナー候補4回目は見送りです。
見送りになったひとは、骨髄提供は1年間お休みとのこと。
アレルギー体質だけど薬飲んでればいいや、と思っていましたが、誰かのために健康な状態でいる、という考え方もあると気づいた出来事でした。

以上、素人による自分用メモなので、正しくは下記を。
▼日本骨髄バンク
https://www.jmdp.or.jp/

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