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藤井風さんの曲と自分の中の「よきもの」に従うこと

藤井風さんの曲とからめて
自分の中の「よきもの」に従うことについて話をしてみた。

(以下だいたい文字起こしをしたものです。)

ひとりひとりの正義、よきもの

どうしてこのような話をしようと思ったかと言うと、
stand.fmの一つ前の投稿で飲茶さんの哲学書入門である
正義の教室をご紹介したため。

こちらラノベ風でとても読みやすい作品だった。
これが正しいと考える際の思考のもとになっているのは
突き詰めると3種類だけで
・合理主義
・自由主義
・直感主義
とのこと。

これを聞いて私は絶対、直感主義だなと感じた。
「可愛いは正義」としょっちゅう言っているから。
この可愛いは正義というのは、
自分が感じる可愛いに絶対の価値がある
誰が何と言おうと価値があるとに考えているから。

このようにこれはこうに違いないというふうに
ズバンと直感的に考え方が降りてくるというのは
私はよくあるなと感じる。

こういう時はプロセスを通り越して
答えだけ引っ張ってくるということをするから、
どうしてそんな結論になったんだと聞かれても
説明を求められると非常に困ることがある。

みんな自分なりの正義を持っていると言えると思う。
「正義なんてない」と言う人も
「そんなものはないんだ」ということを信じていると言えるから。

またアンチ・ヒーローだとしても
「善なんて何の価値もない」とか
「善人なんてクソだ」ということを信じていると言えると思う。

みんな心の中に各自の「よきもの」というのを持っていて、
このよきものというのは
他人から見てどうこうということではなく
「自分がこれは正しいんだ」というふうに感じているものだと思う。

ただこれが「よきもの」だと分かっていたとしても
常によきものに従えるわけではない。
人は誰しもずるい面を持っていると思う。

「これくらいはいいよね」とか
「他の人だってやってるじゃん」とか
「バレないバレない」
っていうのを私も思ってしまう時がある。

あるいは
「こういう夢を叶えたい」とか
「自分を守るためにもうこういう人たちとか
 こういう物事から離れよう」とか
「こんなことしてみたいな」ということを感じたとしても
恐怖感が出てきてしまって
「こんなことしたらとんでもないことになるんじゃないか」とか
「これまで築き上げたものを失うんじゃないか」とか
「年甲斐もなくって笑われるんじゃないか」
と恐怖を感じてそのよきもの対して動き出すことができない
ことがあるかなと思う。

私自身自分の良きものに従えているかというとそうではなくて
試行錯誤繰り返したり
行ったり来たりしているなと感じる。

藤井風さんの曲から

この自分のよきものに従うということを考えた時に
藤井風さんの曲を思い出した。

風さんの名前を世界的にした曲「死ぬのがいいわ」の歌詞の中に
以下の部分がある。

三度の飯よりあんたがいいのよ
あんたとこのままおさらばするよか
死ぬのがいいわ
死ぬのがいいわ

藤井風「死ぬのがいいわ」

これここだけ聞くとちょっと演歌みたいだなと感じるけれども、
ご本人のインタビューの中で
この歌の中の「あんた」は"理想の自分"のことだと話されていた。

つまり理想の自分になれないんだったら
死んだほうがマシだという歌だということになる。

この"理想の自分"というのは
他の人とか世間から見てなんか良さげと見られるものではなく
より自分らしい
より本来の自分のことを指しているとのこと。

このインタビュー聞いた時は本当に驚いて、
この歌の見方が180度変わった。

またメジャーデビュー曲の「何なんw」という曲では、
ハイヤーセルフから見た自分の姿を歌っていると話しておられた。

涙ながらに後悔し、生まれ変わると誓っても
また日常に埋没して、また同じ過ちを何度も何度も繰り返す。
それを見てハイヤーセルフはため息をつきながらも
また何度も何度もチャンスをくれる
ずっと見守っていてくれるというストーリーの曲になっている。

ミュージックビデオでは白い服を着た黒人のダンサーさん
(こちらハイヤーセルフを表しているのだそう)と風さんが登場する。

このダンサーさんがずっと風さんについてきてくれて
何度もサインを送ったり
呼びかけてきてくれたりするが、
風さんはイライラしたり、気づかなくて転んだりしてるという
様子が描かれてい。

この「過ち」とは、善良とか道徳的という意味ではなく
これが自分の道だと思ったことを
やらずに過ごすこと指しており、
歌詞の中では「肥溜めにダイブ」と表現されている。(すごい表現)

私から見ると
本当に自由に自分らしい表現活動をしているように見える風さんだけれど
そうじゃない自分
逃げてしまう自分
怠惰な自分
守りに入りたくなる自分との間で
日々葛藤していらっしゃる面もあるのかなと感じた。

このように風さんの曲は
自己との対話や高次の自分へ至る道を描いていることが多いなと思う。

最近発表された新曲「Workin' Hard」の ミュージックビデオは
自分の名前「Fujii Kaze」と天板に書かれた車を
重機でグシャッと潰すというシーンから始まる。

先日はアジアツアーが大盛況で、
傍から見たら成功されている
誉れを手にしておられると思えるのだけれど、
そんな自分の名前をこともなげに破壊していく。
「そうじゃねえだろう」とばかりにグシャッと潰していくっていうのが
本当にすごいなと感じる。

自己を破壊し、さらにその先にいる理想の自分
ハイアーセルフの自分に近づいていく道の途中に
いらっしゃるんだなと感じる。

要約すると、単に藤井風さんかっこいいよね
と言いたいだけの話でした。

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