『まばたかない瞳 バンガロール連続誘拐殺人』ネタバレなしの感想

#まばたかない瞳  日本語字幕がありがたい。この映画は台詞の情報量が多くて、多分英語字幕では読み切れなかった。そもそも「CBI」が何たるものか知らなかったので、その時点でアウトだったと思う。CBIは「犯罪捜査機関の中央捜査局」でインド警察の上部組織。FBIのように各州をまたいで捜査ができるようだ。

インドでも、少なくともCBIでは科学捜査が行われてる。都会だけかもしれないけれど。棒で叩く以外の捜査もちゃんとあるのねと安心したのも束の間、あまりにも犯人にしてやられてばっかりなので大丈夫なのかいと心配になる。美女にして名優の誉れ高きナヤンターラ様がヒロインで、捜査の責任者なのに。これは「だから女はダメだ」と訴えたい作品なのかと邪推すらして。実際は全然そんな事なかったです。逆に女の凄さを見せつけられました。

そのヒロインを翻弄する犯人、最初から顔出しなんだけど、これが私が今まで見てきた映画の中でも一、二位を争う程の気持ち悪さと不愉快さで吐きそうになった。『ウォーキング・デッド』のニーガンを彷彿とさせるニヤニヤ笑いが本当に人の気持ちを逆撫でする。見事な造型ではある。

演じたのは実は映画監督であるアヌラーグ・カシャップ氏だそうで……なんなの、インドの監督ってみんな演技が上手いの? この犯人役なんて、もう心の底からイヤなヤツなのに、そんなのを嬉々として演じられるなんて、どうなってんの?

この犯人、人物造型はまるで違うけれどやってる事がほぼ同じタイプを『キケンな誘拐』で見たと思う。インドには実際にこういう事した人がいたんだろうか? このタイプに比べたら『ヴィクラムとヴェーダ(ー)』の方がまだ理解できるな……。

二転三転して結末が全く予測できない映画だった。これも最初の方に伏線があって、薄々何があったかはわかるのだけど、その内幕が明かされた時にあまりの凄惨さに声を失うのよね。そしてこの映画でも恋する男はストーカー。しかしそれだけでは終わらないというのが大変良かったです♪


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