第24章 ショウさんの夏攻略(ドラブラメインストーリーまとめ)その1

 スマートフォン向けMMORPGコード:ドラゴンブラッドメインストーリーのまとめです。

前回のあらすじ

 かつてソ・テンキョウが生活していた宿舎を訪れたノノと《プレイヤー》は、大雨による建物倒壊に危うく巻き込まれかける。一方ロ・メイヒはノノを救うために夢の中でゲームを続けるうちに、攻略法そのものに疑問を抱き始めるーー

第24章 ショウさんの夏攻略

ノノの幼なじみ

 次にノノが訪れたのは、ブラックプリンス国際金融センター。
 ノノがシランでの調査に使っていた車は、ブラックプリンスグループの御曹司ショウ・イチホウから借りていたものでした。その鍵を返しに来たのです。

 そこに、ちょうどショウさんが外出先から戻ってきました。

派手な服を着た御曹司のショウさん

 この日ショウさんは女優のトさんと面接する約束をしていましたが、急用ができたといってろくに挨拶もしないまま外出していました。
 トさんのことは当然、秘書が送り返しているものと思っていたショウさんは、部屋にまだ女性の姿があるのを見て不思議がります。

 そして……その女性がトさんではなく、ノノであることが分かるとひどく驚きました。

「先輩⁉︎ なぜここに?」

ショウさん
ノノの姿を見て驚くショウさん

 実はショウさんはノノの幼なじみ。彼に言わせれば「幼稚園時代の恋人」でした。
 勿論、ノノはもう彼のことなど何とも思っていません。しかしショウさんは今だにノノへの想いを引きずっており、彼女の婚約者であるシーザーに対して対抗心を燃やしていました。

 せっかくの機会に旧交を温めようとするショウさんですが、ノノの用事は鍵を返すことだけ。用が済めばさっさと帰ろうとします。

「先輩、本当にあのイタリア人と結婚するのかい? イタリアの男って浮気者だろ?」

ショウさん

 もしチャンスがあれば自分がシーザーに劣っていないことを証明できる、と食い下がるショウさん。しかしノノはうんざりした様子で、話は終わりだと冷たくあしらいます。

 ショウさんは、自らを三蔵法師に付き従う孫悟空にたとえてノノへの想いを吐露しました。

「世界にはたくさんのサルがいる。賢いのもいれば、バカなのもいる。賢いサルは、水簾洞から出してもらったらこれ幸いと逃げてしまうだろう。でもバカなサルは、その人の背中についていくだけだ。他にどこに行っていいか分からないから」
「僕は、そのバカなサルなんだ。分かるかな」

ショウさん

 この「最遊記」のたとえは、前回ロ・メイヒが呟いていたものですね。
 なぜショウさんが同じたとえを口にしたのか……少し時間を遡ってみましょう。


ショウさんの思い出話

 時間を戻してーー女優のトさんはショウさんとの面会のため、ブラックプリンス国際金融センターを訪れていました。
 そこに、ショウさんがジョン・キーツの『ナイチンゲールに寄せて』という詩を口ずさみながら現れました。

 普段はプレイボーイのショウさんですが、今日は少し様子が妙でした。美しい女優のトさんを前にしても、どこか心ここにあらずという感じです。
 それもそのはず。ショウさんはつい先程、ノノが中国に戻っているという知らせを受けていました。

「大丈夫、先輩が戻ってきたんだ。復習しないと……飛んでいけ! 私もお前に向かって飛ぼう! 酒神の車もお供もいらない! 透明な詩の翼に乗って行くんだ!」

ショウさん

 ショウさんがこんなにも熱心に英国詩を復習しているのは、ともにイギリスの幼稚園を卒園したノノに聞かせるためです。さらにショウさんは幼稚園時代の写真をもとにノノの彫像まで造らせていました。あまりの執心ぶりに、トさんは若干引き気味です。

微妙な顔をするトさん

 そこに秘書が現れ、ノノの友人が入院している病院を突き止めたことをショウさんに報告します。上機嫌なショウさんはさっさと病院へ出かけてしまい、哀れなトさんはその場に取り残されてしまうのでした。

 ショウさんはロ・メイヒの病室を訪ねます。もちろん目的は、ノノと親しくしているというロ・メイヒからノノやシーザーに関する情報を聞き出すこと。

病室へやってきたショウさん

「ところで、先輩の恋人はいったいどういうことだ? イタリアの男はみんなクズだって聞いたけど」

ショウさん

「今は恋人じゃなくて、フィアンセだ。でもボスはクズじゃない。先輩をとても大事にしてる」

ロ・メイヒ

 ロ・メイヒもまたノノに密かな想いを抱いており、シーザーとの関係を複雑な思いで見守る立場です。もしその恋がノノを不幸にするならば、ロ・メイヒは相手のことを決して許さないでしょう。でもシーザーは違う……決して自分などが敵う相手でないことも、分かっています。

「先輩は小さい頃、どんな子供だった?」

ロ・メイヒ

 ショウさんは幼少期の思い出を聞かせてくれました。

 ……幼少期のショウさんは人を従えようとする生意気な性格でしたが、ノノに返り討ちにされ、以来「先輩」と呼ばされるようになりました。

思い出話をするショウさん

 ショウさんが虚勢を張っていたのは、名門貴族の子供が集まる学校で周囲に蔑まれて育ってきたためでした。

 ある日、ラグビーの交流試合に参加したショウさんは、相手チームから顔に何度もボールをぶつけられるという嫌がらせを受けます。
 前歯が折れても退場せず試合に出続けたショウさんの前に、バットを持って颯爽と現れたのがノノでした。彼女はショウさんの代わりに試合に出て、15人の男たちのディフェンスを次々に破っていったのです。

「あの日僕は心に誓った。彼女を妻とするんだ。ひざまずいてでも、はってでも、彼女と結婚するんだとね!」

ショウさん


(その2に続きます)