第7章 東京恋愛物語(ドラブラメインストーリーまとめ)その1

 スマートフォン向けMMORPGコード:ドラゴンブラッドメインストーリーのまとめです。

前回のあらすじ

 オロチ八家の中心拠点、源氏重工への潜入を果たした《プレイヤー》たちは、日本の混血種が白王の末裔であり、オロチ八家の後継者である稚生こそが超混血種「皇」であるという重大な証拠を入手する。そこに突如現れた堕武者の群れから逃れるため、シーザーたちは稚生と一時的に共闘し、窮地を脱した。一方、ロ・メイタクの計略により月読禁所に迷い込んだロ・メイヒと《プレイヤー》は、そこで上杉絵梨衣と再会を果たしたのだったーー

第7章 東京恋愛物語

怪物ちゃんとの再会

 入浴中の絵梨衣とばったり出くわしてしまい、ロ・メイヒはたじろぎます。絵梨衣は何食わぬ顔で着替え、不思議そうにロ・メイヒのもとへ歩み寄ります。

「僕達……前にもあったことあるんだけど、覚えてる? ぼ、僕はロ……Sakura・ローだよ。あっちは僕の同級生」
「そう、これは、黄色いアヒル……絵、絵梨衣さん?」
ロ・メイヒ
友達のアヒルを手渡されて嬉しそうな絵梨衣

 そういえば、海の中で絵梨衣が「死なないで」と投げて寄越したアヒルは、あの後ずっとロ・メイヒが所持していたんでしたっけ。
 ロ・メイヒにアヒルを返してもらって、人形のように無表情だった絵梨衣の顔がほんの少し緩んだようにも見えます。

 穏やかな再会の時も束の間、数体の堕武者が2人のもとに近づいてきました。おっと、生きている奴もいたのですね。

 ロ・メイヒは絵梨衣を庇いつつも、すっかり怯えた様子です。絵梨衣は不思議そうに「あなたは好きじゃないのね?」と尋ねます。

「こんなの好きになるもんか! 僕を食べようとしてるんだよ! 君は好きになれるの?」
ロ・メイヒ

 それを聞いた絵梨衣は、悠然とした動作で剣を抜きました。

オロチ八家の殺人兵器が動く
「私が好きかどうかはどうでもいい。もしSakuraが嫌いだったら」
「殺せば良いだけよ」
上杉絵梨衣
言霊《審判》から逃げられる者はいない

 堕武者たちの身体に突如×字型の裂傷が生じ、一瞬のうちに絶命。初めて目の当たりにした言霊《審判》の力にロ・メイヒは唖然とし、すっかり怖気付いて《プレイヤー》にささやきます。

「うう、怖すぎだよ。これってオロチ八家の殺人兵器じゃない? なんでこんな化け物が⁈」
「ボスと先輩がいたら喜んでいたかもね。でもここには僕ら2人だけ……こんな状況で待ってろなんて! ねぇ、彼女を置いて逃げたら、ここから生還できる可能性はどれくらいかな?」
「まったく……イヤでも面と向かわないといけないのかな? 僕達に何をさせたいんだ……」
ロ・メイヒ

 確かに絵梨衣には研究材料としての価値が高そうです。シーザーやソ・シハンなら喜んで学院に連れ帰ろうとするかもしれませんが、ロ・メイヒはこんな危険な怪物ちゃんと一緒なんて恐ろしくて仕方がないといった様子。しかし、ロ・メイタクが謎のアプリで彼らをここまで連れてきたのには意味があるはずです。

 絵梨衣がノートを見せてきました。「外へ」と書いてあります。「もっと遠い所へ遊びに行く。お兄ちゃんがいないうちに」「先に行って。道がわからないの」

期待を込めた眼差しがきらきらと輝く

 どうやら彼女に従うしかないようです。覚悟を決め、ロ・メイヒと《プレイヤー》は彼女を東京の街に連れ出すことにしました。


逃避行

絵梨衣は外の世界に興味津々

 東京の街を見た絵梨衣はノートに「綺麗」と書き記します。ロ・メイヒは絵梨衣に温かい飲み物を渡し、彼女をエスコートします。うんうん、なんだかいい雰囲気じゃないの。

謎の組織に監視されている……?

 そんな2人の様子を密かに見ている者がいました。彼はスマホに向かって「ボス、合流しました」と報告。すると神秘的な女性の声が「よし、よくやった」と返します。彼らは一体……?

 場面変わって。無事に神道エリアから脱出していたらしい稚生が、源氏重工の業務用放送で人々に呼びかけます。まずはビルに閉じ込められている従業員に。そして、ビルから脱出しようとしているシーザー小隊にも。

稚生も無事脱出していた
「源稚生です。従業員の皆さん、慌てないで下さい。ビルの封鎖はすぐに解かれます」
「今離れようとしている方々。次に会う時は、恐らく敵同士だ」
源稚生
さようなら、かつての友よ

 それを外で聞いていたシーザーは「さようなら」と独り言ちました。恐らくソ・シハンも一緒に脱出したのでしょう。とりあえず皆無事そうです。

 場面戻って再びロ・メイヒ一行。
 逃げ出せたのはいいけれど、絵梨衣を連れてきてしまったのでオロチ八家は今頃大慌てでしょう。すぐに手配書が回るかもしれません。安全に身を隠せる場所を探し、街を歩き出しました。

 絵梨衣は東京の街に興味津々で、ロ・メイヒの心配もどこ吹く風。歌舞伎町のキラキラしたネオン街に行きたがりますが、オロチ八家のお姫様をそんな所に連れ出すわけにはいきません。

気苦労が絶えないロ・メイヒ

 適当な場所を探し歩き、やっと見つけた温泉ホテルを滞在先に決めました。


小休止

 温泉ホテルに来るのは初めてなのか、絵梨衣は子供のようにはしゃいでいます。脱衣所の大きな鏡に映る自分を見て「世界は広い。絵梨衣は2人いる」とノートに記します。

「あれは君じゃないよ。この広い世界で絵梨衣は1人だけさ。なんだかちょっと孤独な感じだね」
ロ・メイヒ
少年の心はさながら詩だ(byザトウクジラ)

 お風呂が大好きな絵梨衣。ロ・メイヒに構わず服を脱ぎ出したので、ロ・メイヒは慌てて部屋に戻ってきました。すっかり疲れ切った様子です。

 外は雨が降っています。思い出すのは……絵梨衣と同じ赤い髪をした彼女のこと……

「ノノにお風呂に入ってくるなんて言われたことないや。一番多く言われた言葉は「ろくでなし」だったかな」
「ノノのことを好きになるなんて思ってもみなかった。これから他の人を好きになれるかも分からないし。フィンゲル曰く、愛とは現在進行形。2人目を好きになったということは、いずれ3人目も好きになるらしい」
「でもやっぱり、ノノを忘れられない。彼女以外の人を好きになんてなりたくないし、思い出にしたくないんだ」
ロ・メイヒ
ノノのことが本当に好きなんだね

 そこまで言って急に照れ臭くなったのか、ロ・メイヒは誤魔化すように、《プレイヤー》に高天原のシーザーたちと現状を話し合ってくるよう言いました。

 高天原の付近まで来ると、何やら通行人が不穏な話をしています。「今回、高天原はただでは済まないだろう」……何かトラブルでもあったのでしょうか。急いで向かいましょう。

なんか知らんけどヤバい状況らしい

風間瑠璃の来訪

 高天原のエレベーターホールで見知った顔を発見。風間瑠璃です。

珍しいスーツ姿の風間瑠璃
「この間は源家当主の素早い動きのせいで挨拶もできなかったが、縁のお陰でまた会えたってことだ」
「自己紹介をさせてくれ。風間瑠璃、猛鬼衆の竜王だ。稚生は、僕の兄さ」
「僕に興味があるのだろ? まぁ、僕の方がそっちに興味津々だけどな。でも今は、目先の問題を解決するとしよう」
風間瑠璃

 高天原のフロア内では、寝ぼけた女性客が高圧的にシーザー、ソ・シハン、ザトウクジラに詰め寄っていました。どうやらタチの悪いクレーマーのようです。

 しかし一流歌舞伎俳優にして歌舞伎町の6年連続ランクインの伝説のホスト、風間瑠璃が姿を見せると、女性客は大興奮。すぐに上機嫌になりました。

風間様に会えて大喜びの女性客

 風間瑠璃の機転によりどうにかその場を収めることができました。

 風間瑠璃が突然この店を訪れたのは、シーザー小隊への挨拶と、明日の夜上演予定の「歌舞伎」への招待が目的でした。

突然の招待
「僕の本名は源稚女。源家の次男。源稚生は兄だ」
「劇場で君たちに会えるのを楽しみにしている」
風間瑠璃

 招待状には猛鬼衆の紋章が印字されていました。

(その2に続きます)