動物のお医者さん　10分男2

a；柿原哲夫　男　b；犬　ポメラニアン

a；さてっと・・後はお前だけか・・

b；くぅん・・・・

a；んーーみたところ、ポメラニアンと・・シーズーのミックスっぽいな。よしよし、どこ怪我してるか、教えてくれるか？

b；うぉん・・

a；わんわん

b；くぅん、わん・・

a；がるる・・わん・・

b；うぉんうぉんうぉん・・

a；くぅんわんわん、くぅん

b；わんわん、くぅん、くぅん

a；わん・・・

b；くぅん・・わん・・

a；うわん！うわん！くぅん。

b；わ！！わん！！ばうわう！

a；ぐるるる、わん！

b；くぅん。

a；くぅん。・・・・・成る程ね。恐らくそれはノミのせいだろう、こっちきな。

aナレ；俺はドクター柿原、動物のお医者さんだ。昼間は普通の動物病院を営んでいるが、夜はこうして飼い動物ではない野良を拾ってそいつらの治療をしている。というのも、俺はどういうわけか動物と対話することができるからだ・・・聞こえてくる悲しい叫び声を無視することはできない。

a；ほら、こっちおいで。俺がピンセットで撮ってやるよ。

b；ワォン・・・へっへっへ・・・

a；いい子だ。よしよし、じっとしてるんだぞ。

b；クゥン・・・

a；うわ、こりゃ結構結構やられてんな・・・ブラシとピンセットで撮った後に、薬塗って・・長い夜になるぞぉ・・・。

b；クゥン　ワン・・・ご迷惑、おかけします。

a；ガルル・・・ワンウォン・・・いやいや、俺が好きでやってることだ。

b；ワンワン、クゥン・・ワンワン・・・噂では聞いてたんです、動物の言葉がわかるお医者さんがいるって、仲間内で。

a；クゥンクゥンワン・・・はっは、そんな噂が回ってるんだな面白い。

b；ワンワン・・・すごい有名ですよ。

a；ガルルバウ！・・・僕らからしたら柿原先生はヒーローなんです！

b；クゥンワンワン・・そんな大層なもんじゃないよ、それに俺だって、救えないものもいる。

a；クゥン・・・・？柿原先生・・？

b；ワン、ワンワン・・ワン。すまんな、何でもない昔のことだ。さ、治療の続きだ。

a；ワン！・・・お願いします！

b；・・・・痛く・・ないか？

a；んっつ・・・少しだけ・・・

b；ん・・・少し痛いのくらいは・・我慢してくれ・・・んっ

a；ファ・・・いた・・

b；ごめんな・・・

a；すごい・・こんなに沢山・・・・

b；んっんっ・・も、もっと・・ゆっくり・・・

a；すまんすまん・・・ん・・

b；はぁ・・・・気持ちいい・・かも・・

a；少しづつ、よくなってきたか？

b；うん・・・体が浄化されていく・・・

a；もうちょっとだからな・・

b；ん！ンハァ！！

a；おいおい・・我慢しろよ・・・♡

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a；さて、治療は終わった。今度はここまでひどくなる前に、ここくるんだぞ。

b；はい、柿原先生！でもぉ・・

a；なんだ？

b；その、俺たちは人間にみたいにお金払えないし・・・どうしたら・・・

a；いやいや、そんなこと犬のお前が気にすることじゃないさ。人には人の営みがあって、犬にも犬の営みがある、そうだろ？

b；そう・・ですか・・・、あ！じゃあ、そしたら・・！

a；ん？

b；次は俺が毛繕いしますよ！

a；け、毛づくろい？？いや、いいってそんな！

b；大丈夫です！俺の毛繕い、仲間内でも評判なんですよ！でも、人間ってツルツルだから、どこを毛繕いしたらいいのか・・どこかに毛あります？

a；え。い、いや！本当にいい！！

b；んーっと・・クンクン・・この辺とかありそうだな。

a；ちょ！！やめ！！！どこの匂い嗅いでんだ！んん///

b；よし！ここには毛がありそう！！ここほれワンワン！！

a；の、のわああああああああ！！！！