オホ声刑事 15分男2女1

a=青木のぼる:警察 b=凛子:死んだ男の彼女 c=柿原哲夫:死んだ男の友人

a;さて・・お話を伺わせていただきます・・

b;う・・う・・うう

a;ええと、まずあなたが第一発見者の・・あーっと・・

b;うう・・うう・・・(泣く)

c;鶴見凛子です。僕は東雲ののの友人の柿原哲雄です。

b:ひぐ、、う、うう、、そうです…
a;ありがとうございます。それで凛子さんと被害者である東雲くんは確か・・

c;付き合ってました。高校時代から。

a;ふむ・・・・・凛子さんの叫び声を聞いてあなたが二階の部屋から駆け降りてきたらここに東雲さんの死体と泣き崩れる凛子さんがいたと。

c;そうです。

a;なるほど・・・。あなたたち三人はこのコテージを借りて年始の休暇でスキーをしにきていたんですよね。

c;はい、1月の2日からきていました。

a;3日前から・・・ですね。ふむ。

aナレ;私は青木のぼる、しがない田舎の警官だ。都会と違い、事件の少ない田舎でのんびりと老人や子供の手助けをして暮らすはずだった。しかし私は今死亡現場の捜査をしている、なぜかと言うと外は記録的な吹雪で外からの応援を呼べず雪山にもっとも近い交番にたまたま居合わせたからだ。正直、何をしていいのかわからない・・・。

b;ヒグ・・・何で・・・死んじゃったの・・・ののぉ・・・

c;凛子・・・

a;心中・・お察しします・・・・えーっと・・死因についてはよくわかりませんが外傷が見当たらないので・・・持病なんかはあったりは?

b;ヒック・・健康・・そのもの・・でじだ・・・

c;長い付き合いですが、聞いたことはありません。

a;そうですか。ではなぜ・・・とにかく、少し調べてみます。お二人はリビングで待機していてください。くれぐれも勝手なことはしないように。

c;わかりました。行こう、凛子。

b;ヒグ・・はい・・・。

a;さて・・どうしたもんかねぇ・・・まさか一人で現場検証することになるとは・・まぁ、吹雪がやめばちゃんと応援はくるし今は現場を荒らされないようにするだけでいいとは思うんだが。・・一応やれるだけはやってみるか・・・なにせカップルとその友達の三人で来て彼氏が死ぬって、やっぱり事件の臭いがするしなぁ。気になるのは・・

b;ああ・・うう・・・のの・・ののぉぉぉ・・・・

c;凛子・・大丈夫か・・な訳ないよな・・・。

a;あの二人・・鶴見凛子の方は演技で泣いているとは思えない、恐らく到着前からずっと泣きっぱなしなんだろう、そして柿原哲雄・・あいつはむしろ冷静すぎないか?一人が泣いているから自分は冷静にならないといけないという意志があったとしても、長年連れ添った友人が死んでいるんだぞ?そして・・・

c;凛子・・・ほら・・よしよし・・な?落ち着いて・・。

a;邪推ならいいが・・よくある話だろ?親友の彼女を好きになってしまって・・・ベタすぎる気もする。ま、不確かな憶測よりも今は何か手がかりになりそうな物的証拠を探したほうが良さそうだ。何か手がかりは・・・。

c;あのぉ。

a;ん??あ、はい、どうしました?

c;その、洗濯機を回してたの、忘れてて・・干しちゃってもいいですか?

a;洗濯・・?ええ、それくらいならかまいません。出来るだけ、この周りには干さないで頂ければ。

c;それはもちろんです。

a;その、柿原さん。

c;・・はい?

a;東雲さんが亡くなって、悲しくはないんですか?

c;・・え?

a;いや、その・・随分と気丈だなというか・・

c;・・・・ひどいですよ・・悲しいに決まってるじゃないですか・・でも、凛子があんな状態なんですから僕がしっかりしないとって頑張ってるのに。

a;ああいや、そうだよな、申し訳ない。

c;まさかとは思いますが・・疑ってるんですか?

a;え?いや、そんなつもりでは・・!

c;・・・そうですか・・。では・・。

a;・・・失言だったな。しかし・・洗濯っていつ回したんだ・・?死体を見た後にそんなことするなんてやっぱり正気とは考えれない。しかし外傷はないし・・返り血を洗った・・なんてこともないしな。考えすぎか、、実際のところ死因はなんなんだろう・・何か手がかりはないものか。ん・・・?あれは・・何だ・・?何か部屋の隅に白い粉が・・

b;盛り塩です。

a;ヒ!!び、びっくりした・・凛子さん・・具合はどうですか?

b;少し・・落ち着きました・・・・・先ほどはすいませんでした・・。

a;お気になさらず、 恋人が・・このようなことになったんですから・・当たり前です。

b;はい・・・。

a;で・・えっと・・これは?

b;・・・その・・盛り塩です。

a;盛り塩・・・ですか??

b;はい・・。

a;えっと・・なぜ?

b;その・・・・清めるためにです・・

a;清めるために、ですか・・・?一体何を

c;凛子、大丈夫なのか?

b;柿原くん・・うん、ありがとう もう大丈夫。

c;一体何を話してたんです・・・?まさかあんた、凛子のことまで疑ったんじゃないだろうな?

a;いや、まさかそんな・・・。

c;・・・ならいい。

b;柿原くん、疑うってどういうこと?まさか、お巡りさん・・柿原くんのことを怪しいって思ってるんですか・?

a;あ、いえ、決してそのような・・ただ一応、捜査なので・・。

c;刑事(でか)でもない派出所のお巡りさんが、捜査ねぇ…

a;・・・

b;私も、柿原くんも・・・のののことは大好きでした・・・・殺すだなんて、あり得ません・・・。

c;そうだ・・小学校から今までずっと仲良くしてるんだ。…俺には殺す動機がない。

a:…そう・・・ですよね。すいませんでした。

c;・・・じゃあ向こうで俺たちは本物の捜査官が来るまで待ってるんで。

a;はい。

a;はぁ・・・・ったく、俺だって好きでこんなことしてる訳じゃねえっつの・・しかし気になる点が多いな。まず盛り塩・・?今どきするか?盛り塩なんて・・実際にこの白い粉が何なのか・・・本当に塩なのか・・ここは名探偵の如く思い切って舐めてみるか・・いやいや・・もしもの事があったら、まずい。臭いを嗅ぐくらいにしよう。

a;スンスン・・・・無臭・・?いやもう少し鼻を近づけないとわからんか・・。スンスン・・ごほぉ!!!!ごほ!くっ!!粉が舞い上がって!!鼻に!ごほごほ・・

b;お巡りさん・・大丈夫ですか・・?

a;あ、ああっと!これは失敬、少し鼻の調子が。

b;そうですか・・。その、、冷え込みが強いので何かあったかいものをと思って・・。コンロを使ってもよろしいでしょうか?

a;ええ、大丈夫です。

b;ありがとうございます。ちょっと後ろ通りますね。

a;はい・・・ヒ、ヒグゥぅううう!!

b;え?

a;あ、ああ・・失敬・・ちょっとその・・寒気?が・・。

b;だ、大丈夫ですか?

a;大丈夫です、驚かせてすいません・・。

aナレ;今のは・・何だ??凛子さんが私の後ろをとおっただけで、擦れただけで全身に電流が走った。そのせいで変な声が出てしまった・・これは一体・・。しかし確かに寒い。吹雪は強くなる一方だ。凛子さんも不安だろうな・・・ガスコンロでヤカンに火をかける凛子さん。黒のスキニーパンツと、ジャストサイズのセーターが豊かなボディラインをあらわにして・・エロいな・・って俺は何を考えてるんだ?

b;よかったら、お巡りさんも飲みかすか?紅茶でよければ・・

a;ああ、はい。いただきます、ありがとうございます。

b;はい、どうぞ。

a;おほおおおおおおお!!

b;ヒ!

食器

c;凛子!!どうした!

b;そ、その・・お巡りさんが急に・・声を上げたからびっくりして・・

a;はぁはぁ・・はぁ・・す、すいません・・その・・思ったより熱くて・・

c;はぁ??熱かったからってオホ声ダサねぇだろ?今リビングまで聞こえてきたんだぞ、おほぉおって!

a;いや・・その・・・

b;お、おほ声・・?

a;し、失敬・・ここは私が片付けますので、お二人はリビングで・・紅茶を飲んでいていください。

b;おほ声ってなんです??

c;凛子いこう、そんなこと知らなくていい。

aナレ;おかしい・・・からだがおかしい・さっきから少し擦れたり、少しあついものに触れただけで全身に強烈な快楽が走る・・・私は一体どうしてしまったのか?は、まさかさっき・・鼻から吸ってしまった・・あの盛り塩が原因か?と、とにかく操作を続けよう。第二の疑問だが、彼らはスキーをしにこのコテージにやってきたと言っていたが、外にも中にも・・そのスキーが見当たらない。三人はスキーをしに、ここにやってきた訳ではないはずだ。そして柿原が人が死んでいるにもかかわらず洗濯して干したものは、大量のタオルと・・下着・・・・・。少しづつ見えてきた。

a;すいません、お話を伺いたいのですがよろしいでしょうか?

c;何だよ・・・別にもう聞くことなんてないだろ?あんたも大人しくじっとしてたらどうだ?

b;えと・・まずはさっき飲めなかった分の、紅茶をどうぞ。

a;ありがとうございます。ふぅーっ ごく あったまるなぁ。柿原さんもそうおっしゃらずに、少しだけご協力お願いします。

c;はぁ・・何ですか?

a;まずは・・疑問に思ったことですが、あなたたちは本当にこのコテージに、スキーをしに来ていたんですか?

c;そうですけど・・?

a;それにしては・・スキー板もストックも見当たらないようですが?

c;っつ!

b;そ、外にかけといたら吹雪で飛ばされてしまったんです。

c;そ、そうだよ。

a;成程・・・そうですか・・凛子さん、あなたはあちらにある白い粉を盛り塩だと言いましたね?

b;そうですけど・・

a;あれは・・本当に塩ですか?

b;はい・・?

a;私ね・・謝ってあれを鼻から吸ってしまんですよ・・

b;あれを粘膜で!!?

a;はい・・・。するとどうですか、私の体は・・とても敏感になった。

b;ぐ・・

c;おいおっさん、何言って・・

a;あれは・・強力な媚薬か何かじゃないですか?

c;ふ、ふざけるな!!

a;あなたたちはこのコテージに、本当は・・・あ、あれ・・・?

b;本当は・・・・何かしら?

c;ククク・・・やっと効いてきたか。

a;う・・視界がぼやけて・・お前ら・・何をした・・

b;紅茶に・・お薬を入れさせていただきました。強力な睡眠薬。

c;はっはっは!!残念だったなお巡りさん!!ゲームオーバーだ!!

a;ふ・ふざけるな・・・ク・・・・う、ううおおおおおお!!

c;何!?こいつ警棒を!!!

a;んほおおおおおお!!!!

c;ケ、警棒で自分の手を打ち付けた痛みで意識を保ってるだと・・!?

a;はぁはぁ・・・痛みと・・快楽で・・目が覚めたぜ・・。

b;ヒ・・ヒィイ・・・か、柿原くん・・・どうしよう!!

c;だ、大丈夫だ凛子・・!!こっちにはこれがある・・

銃を構える。

a;拳銃・・・そんなものまで・・・

c;いざって時のためにネットで買っておいたんだよ!

a;わかった・・降参だ・・・なんてな!

机を蹴り上げる

c;ク!!こいつ机を蹴り上げて自分の身を隠しながら後退しやがった!!!

a;はぁはぁ・・柿原哲雄・・これだけ距離をとったんだ・・素人のお前に狙いが定まるかな?

c;舐めんじゃねえ!!

SEバキューん

a;ク!!こいつ、本当に打つなんて・・・違う薬もキメてやがるな!容赦せん!!

SEバキューん

a;んほおおおおおおおおおお!!

aナレ;私が引き金を引いた瞬間、拳銃のノックバックにより体は揺れた。その揺れがエアリズムと私の肌を強く摩擦した・・・私は絶頂した。

a;あ、ああ・・あ・・はぁ・・

c;な、なんだあいつ・・?振動で絶頂したのか?

a;あ・・あ・・ああ・・・

c;い、今がチャンスだ!!くらえ!

SEバキューん!

c;くそ!!当たんねえ!!

a;ふぅ・・は、反撃せねば・・

SEバキューん

a;んほおおおおお!!おっおっ!!

c;あいつ・・・銃を打つたびに絶頂してやがる・・・

bナレ;壮絶な撃ち合いの果てに、残ったのは私一人だった。柿原哲雄は青木巡査の打った銃弾が腹部に命中し、息絶えた。青木巡査は度重なる絶頂による心臓への急激な負荷での死亡。昨晩の東雲ののと同じだ。
この後に来る、捜査員たちへの言い訳を考えようとも思ったが、それももうめんどくさい。銃撃戦で割れた窓から冷たい風が私の頬を撫でる。間違えて自分ののむ紅茶にも睡眠薬を入れてしまったのだろうか、今はこのまま何も考えずに、ソファで眠ることにしよう。


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