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春のざわつき

次の4月にカフェでグループ展を予定している。
8年くらい前から友人たちと3人で取り組んでいる展示。1年ごとにやったり隔年でやったりと取り組んできた。

毎回テーマ職人の1人がテーマを考えて、それに沿って2人は写真を撮り、私はイラストを描く。
写真とイラストを合わせた合作12枚、それぞれ自分だけの作品を1点ずつを完成させる。

合作は写真+イラストだけど、ありがたいことにそれをどう組み合わせるかは2人ともわたしに任せてくれる。
作った後は、毎回どきどきしながら2人に見せるのだけど、いつもいつも褒めてくれる。
自己肯定感が上がっていく、本当に優しい時間。

ところで、この優しい2人はもともと友人ではなかった。
2人は友人だったけど、わたしは友人じゃなかった。
学生時期の同級生つながりで大勢のグループ展に呼んでもらった頃の縁で、何回か参加してその大勢のグループ展が終わってから「3人でしない⁇」と呼んでくれた仲だ。

私はイラスト描く側の人間だと思っていた。
でも毎回テーマに沿った2人の写真を見ていると、なんだか自分にもこんな素敵な写真が撮れるんじゃないかと思ってしまう感覚になる。

ちなみに2人の写真は全然似てないし、私のイラストもテーマに沿って都度テイストを変えたりしているのだが、いつも展示の雰囲気はまとまっている不思議。

そして今回の展示。
季節も春ということで、春の風や春の花、別かれや出逢い。
わくわくとどきどき、不安と期待。
人と人の間には心や価値観の距離があり、隙間がある。
その隙間は埋められるものなら埋めて、一緒に景色を見たい。
そして隙間を埋める時のお互いの心の揺らぎ…

このテーマを聞いた時、私はいまいちピンとこなかった。
しかし、もう1人はウンウンと共感している。
やばいな、テーマを理解できないとは…
と思いつつ、テーマ職人に言葉を選びつつ、共感できないというか、そんな感情が自分の中にないことを告げる。

ーちなみに私はもともと反対意見を伝えるのは苦手で、こういう場面は相手に合わせてしまったり何も言わなかったりするのだが、長い事一緒にやってるんだからそれも誠実じゃないよなと思い伝えるに至る。

そしたら事も無げに「そうそう、今みたいなこういうことだよ!」と教えてくれた。
その隙間を埋めたいと思うのか、折り合いをつけていくのか距離を保つのか、私はやっぱり後者だろう。
同じ景色は見たいけど振り向かせる熱意はそこまでないし、その人が見たいものを見ればいいし私も好きなものを見るわ、という感じ。
言ってみればタイプの違いで、私も遠慮なく伝えたい事を言えばいいのだが言ったところで、今以上の熱量で被せられたら結局折れるしかないしなと諦めてしまうところが短所だと思う。

そんな事は置いておいて。

優しい友人たちとテーマで作品を作っている。
トップの画像はボツにしたイラストなので、ここで公開させておく。
展示は4月から始まる。
まだ鋭意制作中である。

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