なんで生かされたの

今の誰にも言えないじぶんの気持ち。
大多数の人の気分を害すると思うので
（ならここに書くなよ）
読むのはおすすめしません。

もうすぐ臍帯血移植をしてから４年目になる。

今は2023年３月から始めたファミレスのフロアでバイトと
在宅で文字起こしの仕事を時々しています。

来年には33歳になるけど独身。
移植の前処置の放射線や抗がん剤で妊娠できないし、
恋愛する気力もないし、
むしろそういう気持ちすら消えてしまったから、
この先、自分ひとりで生きてゆけるように
いつも正社員の求人情報を見て、
いいなと思うところを見つけては、
面接に行くのだけれど、全部不採用。

それならば、と思って
ファミレスと掛け持ちで
自分の好きな雑貨屋さんや洋服屋さんでバイトしようと
思って面接に行っても、不採用。

結局ファミレスでいいように使われる日々。
今時フリーターなんてこの田舎にはあまりいないから、
何時でも、何曜日でも、何時間でもできる私みたいな人間は
いいように使えるんだよね。
だから、正社員の面接落ちましたって伝えると
毎回「やったー！これであと５年は居てくれるね」って言われる。
どんな顔すればいいのか分からない。

こんなに不採用続きじゃ
使ってもらえるだけありがたいのかもしれないとも思うけれど。

でも、ファミレスの運営なんて
人件費削減、人件費削減とそれしか頭にないから、
最低人数、平日のディナーでもほとんど１人でフロア。
学生さんの急遽お休みの穴埋めももちろんやらされる。
キッチンスタッフからもお客さんからも
あっちこっちからいろいろ言われて、
お会計で呼ばれて、
料理運んで、
腕痛めるほどお皿積んで片付けして。

毎日５、６時間の勤務だけど精神がすり減っていく。
こんなんでフルタイムの仕事できるのかなと自信もなくなる。

改めて履歴書を見ると
正社員なんて
高校卒業してから入社して１年くらいで辞めて、
そのあとはずっと非正規。

しかも
病気のこともあって職場と職場の間があいてたり、
体調崩してすぐ辞めてたり。

フルタイムのアルバイトで10年働いてたからそれは正社員と同じくらい
の価値があると思ってたけど、
そんなわけないよね。
いくら同じ時間でも、同じ業務してても
履歴書だけ見た人からしたら
正社員様とバイトなんて全然違うよね。

移植して検査の結果もなんの問題もないから
病気のこと言わずにいたいけど
履歴書見ていろいろ言われたら
言わざるを得なくなる。
今は元気ならいいって判断してもらえたらいいけど
それが理由で不採用にする会社もあると思う。

そりゃ健康な人のほうがいいに決まってる。

自分も医療スタッフさんにお世話になったから、
元気になったら医療に関する仕事がしたいと思っていた。
医療機関はお給料もいいし、安定してるし
ひとりで生きていくにも安心だと思った。

でもほとんど門前払いのような感じで不採用だった。

自分の好きなファッションやおしゃれな雑貨のお店。
ステロイド治療やったり、女性ホルモンが自力で出せなくなったり
その辺りからめちゃくちゃ太った。
別人レベルで。
アパレルやってたころの自分の感覚のままだったけど
全然違うよね。

もう今の私ではそっちの職種もだめだった。

映画館の仕事とか、
漫画やアニメに関わる仕事とか、
旅行や観光に関わる仕事とか、
いっぱいやってみたい仕事はある。

でも、
私にはできない。
やらせてもらえない。

経歴も胸を張れるものはひとつもない。
病気のこと。
そのハンデを埋めるくらいの努力もしてない。
だから、
全部自分のせいだって、結論になるんだ。

そこに行きつくと何で生かされたんだって思う。
臍帯血移植したとき、
精神科の隔離病棟にぶちこまれたとき、
なんでそこまでして生かされたんだって思う。

芸能人やスポーツ選手が重い病気から復帰する姿を見て
みんな口々に「感動した」「本当にすごい」「応援してます」
と褒めたたえる。
自身や周りの人が病気している人は
「勇気をもらえました」「私もがんばります」
と言う。
私も闘病中はそう思った。
特に競泳の池江さんは同じような時期に移植をしていて、
一緒に歩んでる感覚だった。

でも、今はどう。
池江さんはプールに戻り活躍している。
比べることじゃないのかもしれないけれど、
私とは比べ物にならないくらい努力しているからだけど、
それは分かるんだけど。

芸能人じゃなくても、
病気を克服した人たちってどうやって生きてるんだろう。
知りたい、教えてほしい。

何を頑張ったらいいのか、何を努力したらいいのか
それすらも分からなくなっている。
とりあえず図書館で本を借りてきて読むことは
闘病生活だったころからずっと続けているけど、
それが何になるのかは分からない。

こんな自分でも雇ってもらえるところで働いて、
安いアパート借りて、
本を読んで普段は過ごして、
たまに友達と出かけて、
それが私の幸せなのかもしれないと今
これを書いて思った。

でもそんなささやかな暮らしでさえ今は見えてこない。