原価計算基準と(仮案)のこと

「原価計算基準」は1962年に制定されましたが、その前に(仮案)として1957年にまとめられ、そして大蔵省の企業会計審議会では(仮案)に基づいて議論が進められました。

その1957年にまとめられた(仮案)は、実に60年近く人目に触れることなく保管されてきました。
しかし、「基準」の制定に携われた東京大学名誉教授である故・諸井勝之助先生の意向により、2015年のLEC東京リーガルマインド大学院大学(LEC会計大学院)の紀要で全文公開されることが決まり、現在は誰でも閲覧が可能な状態となっています。

私達が普段目にする「基準」とは、いわば指針のような存在であり、そこには啓蒙的な内容が記されていません。そんな理解のもとで(仮案)を目にしたときは、実に引き寄せられるような気持ちが湧き上がりました。関心を持ってこの記事にたどりつかれた皆様にも是非ご自身の目で確かめて頂きたく思います。

より多くの方々に「基準」と(仮案)の違いについて考えていただくきっかけになりましたら幸甚です。

追伸:
「基準」を重点的に取り上げた書籍の一つとして、2022年11月に発売されたこちらの「原価計算の基本」がございます。



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