バイヤーという仕事は面白い!
このブログは以下のような方にお届けしたいです!
・調達・購買における日々の業務、人間関係にお悩みの方 (コスト低減・交渉、サプライヤー様との関係、調達部門内/社内事業部門との関係等々)
・調達・購買業務に興味があり、就職・転職を考えられている方
・調達・購買部門へ人事異動となり、業務に不安のある方
・そもそも『調達・購買』ってどんな仕事か具体的にお知りになりたい方
是非、最後までお読みください!
自身の経歴・経験
まず、私自身の経歴を紹介させて下さい。
14年間のバイヤー経験
私は2008年から自動車部品メーカーの調達・購買部門に所属しております。
前職は通信業界で飛び込み営業したこともあり、最初は右も左もわからない状態で調達という世界に足を踏み入れました。
当時は
『営業はモノを売る仕事で調達はその逆、人同士の折衝ごとに変わりはなく立場が逆になるだけでしょ』
程度にしか考えておりませんでした。
担当した調達品目
これまでに経験した調達品目は以下になります。
◇石化樹脂(オレフィン、エンプラ、スーパーエンプラ全般)
◇非鉄伸銅条材(銅・アルミ・金)
◇樹脂成形 加工品(コネクタ)
◇非鉄プレス 加工品(圧着端子)
◇ゴム成形 加工品(防水シール)
現在は調達部門の組織パフォーマンス向上のために、 人材育成中心に企画業務に日々奔走しております。
バイヤーという仕事のここが面白い!
これまで14年間、調達・購買の仕事を経験して言えることはとても奥が深く面白い!ということです。
何故、そう思うのか?具体的に列挙していきます。
『会社の看板・顔』として仕事ができる
バイヤーは外部の会社である仕入先と接する部門です。
調達は仕入れに関する主役であり、外部の仕入先とコミュニケーションする上で会社として恥じない言動が求められます。
仕入先に自社がどう思われるか?はバイヤーの一挙手一投足で決まる、と言っても過言ではありません。
まさに「会社の看板・顔」として仕事ができます。
バイヤーは常に仕入先に対して横柄にならず謙虚に、また自社の利益のみならず、仕入先との共存共栄を意識した実践的なWIN-WINな関係を構築する力量が必要です。
『原価感覚』が養われる
バイヤーは調達価格を決定する部門です。
そのため、仕入先との価格に関する交渉は日常茶飯事です。
『この調達品の価格は適切か?』を常に意識し、仕入先とコミュニケーションしているといつしか日常のありとあらゆるものの価格・原価が気になり始めます。
例えば、100円均一で陳列されている商品。
商品を物色しながら、これは売値100円に対して、原価が安く利幅が大きい商品か?逆に原価が高く採算が悪い商品か?例えばプラスチックスの成形品であれば
・原材料はPP(ポリプロピレン)、であれば、材料単価はいくらでこの商品の重量ならこれくらいの材料費だな とか
・この形状なら金型費はこれくらい、成形は1個取りor複数取りか否か とか
・生産国はベトナム、ならばワーカー賃金はこれくらいで人件費チャージはこれくらいだな 等々
自分なりに仮説を立てて楽しんでおります。
また、原価感覚を養うことで車や家や土地など、私生活での大きな買い物の際にも交渉の一助になるかもしれませんね。
『コミュニケーションスキル』が高まる
個人的にはこれが最も伝えたい内容かもしれません。
コミュニケーションスキルと言っても様々あるかと思いますので、主だったものを記載します。
交渉力・折衝力・ファシリテーション力
バイヤーにとって、仕入先との価格・納期を中心とした交渉ごとが主な仕事の一つです。
従い、交渉における駆け引き・テクニックを得ることができますが、バイヤーの交渉もそう単純ではありません。
自社の事業部門を中心とした会社としてのリクエストを受け、仕入先との交渉することも多いですが、自社と仕入先は当然、それぞれ異なる会社です。そのため、双方の利害が食い違うことが多くみられます。
例えば、
・社内から「調達品コストを20%削減したい」に対して、仕入先からは「いや、5%が限界です」
・社内から「今月末までに納品して欲しい」に対して、仕入先からは「いや、次月末にしか納品できません」
これらに対して、社内要求を一方的に伝えるバイヤーはただのメッセンジャーであり、そこに付加価値はありません。
優秀なバイヤーには一見、歩み寄れそうもない双方の食い違いに対して、妥協点を見出し、自社と仕入先ともに腹落ちする『納得解』を導くことが求められます。
そのためには、お互いに譲れない点、妥協できる点を整理して、落としどころを探る中立的な立場でコミュニケーションをすることが求められます。
また、落としどころに探るにあたって、自社と仕入先との打ち合わせも頻繁にあるのことでしょう。
打ち合わせ会議進行役はバイヤーが行うことが多く、円滑に進めるスキルが求められます。
いわゆる『ファシリテーター』としての役割もバイヤーは担います。
双方が本音で言い合える場の空気をつくることで、お互いの思いを理解し、Win-Winの関係を構築することが求められます。
私生活への応用・人生の質を向上
このような仕事でのコミュニケーションを14年間も続けていると自ずからコミュニケーションスキルが高まった実感があります。
それを仕事だけに留めていくことは非常に勿体ないことです。
私生活での家族・友人・会社以外のコミュニティの人達など、私たちの生活は関わる人とのコミュニケーションで成り立っている、と言っても過言ではないはずです。
人の悩みの大半が人間関係に起因することからもそれは明らかだと思います。
私はバイヤー14年間の経験で自分の親や妻と少しずつではありますが、良好な関係を築けている実感があります。妻とはここ5年ほど喧嘩しておらず、家庭円満です。
仕事のおかげで、私生活含め人生全体の質が上がるって最高じゃないですか?
それもこれもバイヤーという仕事で日々、仕入先・社内部門と愚直に真摯にコミュニケーションしてきた産物と有難く思っております。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
少し話がそれるかもしれませんが、私はアンケートなどで職種を選択する際に『調達・購買』の選択欄がないことが不満でなりません。
“「営業」や「経理」はあるのに何故?こんなにやりがいのある仕事なのに、、、”と勝手にひとりで憤っております。
今回の記事により
ひとりでも多くの方へバイヤーという仕事の魅力が伝わっていれば、これに勝る喜びはありません。
自分自身、本当にこの仕事に出会えて感謝しています。
同じように思える人をひとりでも増やしたいと思いますし、そうすれば世間的にも調達・購買という仕事がよりメジャーになり、プレゼンスを向上することができるのではないでしょうか。
すべてのバイヤーに幸あれ‼
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