A1A presents 購買調達TalkLive! を見て感じたこと

2022年2月4日にA1A株式会社のホームページから公開された

購買調達TalkLive! vol.2「クルマのEV化と部品調達の今後 / 調達は営業経験者が有利?」

(ゲスト: ぜっとん@自動車業界調達マンさん)

を視聴しました。

https://rfqcloud.com/seminar/1517


このTalk Liveを企画しているA1A株式会社

2018年6月に設立、「RFQクラウド」というバイヤーのメイン業務である見積依頼・見積査定に関わるプロセスをクラウド上で一元管理することで業務効率化を実現するサービスを展開しているベンチャー企業です。

他にもセミナー情報など、バイヤー業務に関連するトピックスを色々と公開してくれています。

https://a1a.co.jp/

今回はぜっとんさんのTalk Liveでバイヤーとして非常に重要な学びがありましたので、ご紹介します。


仕入先の決算書をもとに経営のスリム化を提案・コンサル


バイヤーは仕入先と仕入価格の交渉を行います。

更に業界によっては、年に一度や半年に一度、仕入先へ合理化要請を行います。

そのため、バイヤーは仕入先の自助努力に頼らず、合理的な価格低減活動を仕入先を一緒に考える必要があります。

仕入先の工場に入り込んで、生産性改善を行うことがその代表的な活動でしょう。

製品の生産サイクル短縮や加工作業のムダ排除、また、自社で実施済みの改善活動なども仕入先と共有します。

一方、このような改善活動はバイヤー単独ではできず、自社の技術部門が中心となり、仕入先と協業することなります。

従って、社内の協力が必須であり、技術部門が多忙で自社開発につきっきりになると、仕入先の改善活動が思うように進まない、そんなこともあるのではないでしょうか。

前置きが大変長くなりましたが

それに比べ、今回のぜっとんさんが言われてた

「仕入先の決算書をもとに経営のスリム化を提案・コンサル」

するアプローチは非常に新鮮で目から鱗でした。

これなら、バイヤー単独で実行でき、社内技術部門からの制約を受けません。

ただ、そのためにバイヤーには仕入先の決算書をしっかり読める財務分析スキルが必要です。

また、併せて社内の経理部門など財務に詳しい人材を調達部門へヘッドハントし、仕入先の筋肉質な経営を目指しても面白かもしれません。

自分もぜっとんさんのような観点で各仕入先の決算書を改めて見返し、スリム化のポイントを見てみようと思います。

「安い国 ニッポン」を作り出したのはバイヤー?


前述した仕入先への合理化要請も然り、バイヤーは何よりも安く調達することが正義という方も多いのではないでしょうか。

しかし、なかば行き過ぎた原価低減活動の結果、今日のニッポンがあるのではないか、というぜっとんさんの意見にはっとされます。

バイヤーは安く買うのではなく、あくまで「適正価格」で買うことが求められる。

その理解を社内にも得る努力をしなければならないし、適正価格であることをしっかり伝えるための査定スキルも必要である。

ましてや、あらゆる調達品が高騰している昨今では、

仕入先からの値上げ要請を拒否することはほぼ不可能であり、値上げ後の適正価格に準じ、顧客への販売価格の見直しを社内の営業部門へトスしていくことが求められるでしょう。

社内の営業へ販売価格見直しの提案ができるか?


適正価格として、仕入先から値上げを認めるだけでそれが販売価格に連動されなければ、自社の利益は当然、圧迫されます。

市況高騰下の昨今では、これまで以上にバイヤーと営業部門との綿密な連携が求められているのではないでしょうか。

バイヤーは営業部門がしっかり顧客から販売価格見直しを勝ち取ってこれるよう、仕入価格上昇に関する詳細情報を共有、営業がしっかり戦えるよう武器として手渡すのです。

武器を手渡すには当然、一定のロジックが必要ですので、これもまたバイヤーの査定スキルが試されます。

まとめ


1時間ほどのTalk Liveを視聴し、ぜっとんさんのバイヤーとして高い付加価値のあるお話に刺激を受けました。

今後、ぜっとんさんはバイヤーとして培ったノウハウを活かして、企業の調達業務・経営のコンサルとして独立されるようです。

ぜっとんさんのようなキャリアがプロバイヤーとして進むべき道であり、サラリーマンバイヤーの自分もそういったマインドでやっていこうとモチベーションが上がるTalk Liveでした。

是非、バイヤーの皆さん見てください!


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