7/12父の奮発

お父さんは僕が世の中で一番嫌いな人だ。
子供の頃はまだ恐怖に従順だから、怒鳴られながら手のひらの上で転がされていた。
絶対にこの人のようになるものかと強い意志で生きてきたので、今では父にも自分の力ではっきり物を言えるようになってきた。
最近では、自己肯定感の低さから自己防衛のために強がっちゃうんだなと割り切れるようになってきた。
それとも本当に勘違いしてるいる人かどちらかだ。

今日は弟が帰ってきた次の日だった。
最近弟は父の仕事の手伝いもし、今後やりたいことは父の理解があることでもあり完全にお気に入りになっている。
対する僕は、プライベートの方がごたごたしているので今はあんまり好かれてはいない。
(父は結果から大きく評価を変えるタイプ)
今日帰ったら、普段料理も盛り付けもしない父が鮑を切り、鰹を炙り大葉ニンニクも乗せちゃっている。
完全にご機嫌ウェルカムモードだ。
母に弟が帰ってきたからお父さんノリノリじゃんと言ったら、僕が帰った時もこんな感じよと返ってきた。
絶対ここまで手間かけて豪華にはせんぞ…。
そんな空気を冷たくするようなことを言わないでと言われた気がした。
自分は歓迎されてないと思ったから聞いた訳じゃないのに…。
なんで余計なことを聞いてしまったんだろうと後悔すると共に、変に気を遣わないでくれた方が楽なのになと思った居心地の悪い夜だった。

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