「蒼生2019」への少し長い編集後記・1

とは言え、僕にはすべてを概説的にまとめられるほどの筆力もないので、一つずつ順を追って説明していくことにします。「編集実践2」は文芸ジャーナリズム論系内の演習授業です。2年生から4年生までの文芸ジャーナリズム論系生が優先的に取ることができ、他の論系生でも2~4年生かつ定員に余裕があれば取ることができます。なので、笙野先生のご寄稿冒頭にある「卒業記念的な雑誌」という訳ではありません。そもそも僕もまだ(2019年3月現在で)2年生なので。

これは憶測でしかないですが、「文学とハラスメント」自体は学生による自主企画の体裁を取っているので、笙野先生に趣旨を説明した方が、卒業制作くらいの気持ちで企画を立てたというようなことを仰って、それが笙野さんに混同されたのかもしれません。とにかく今回、笙野先生のご寄稿は校正校閲なしでそのまま載せるという方針だったようで、こういった部分もちょいちょいあるみたいです。

話を戻します。授業で初回にやったことは、自己紹介文。内容も至って普通のものです。書いたのは名前・学年・この演習を取った動機・授業でやってみたい仕事(編集・校閲・ライティング・デザインなど)、やってみたい企画など。やってみたい仕事・企画ともに全然具体的なものではなく、それをもとに授業を展開していくといった性格のものではありませんでした。言ってみれば、学生側の演習に対する能動的な思考を働かせてもらうための予行練習のような感じだったと思います。なあなあで履修登録してなあなあで始まってしまう学生もいるので。

初回は、それと教員紹介のみ。もしそれだけかと感じる方がいると僕の受けた印象と違うので書いておくと、初回授業はほとんどの授業がシンプルなガイダンス的なものなので、特別おかしいことではありません。

第2回。授業内で何やったかはあんまり覚えてません。雑誌作りってまずどういう仕事があるのかとか、そういう感じのトークだった気がします。前回(初回)に書かされた自己紹介文の返却もなく、基本誰のものも見てません。で、授業後にYouTube上の宮崎駿インタビュー(5分程度)の文字起こし&原稿化の課題が出ました。文字にした後、さらに構成などをいじってわかりやすくした上で規定の紙面に収める必要があったので、それなりに歯ごたえのある課題だったと思います。

第3回。10月中旬です。テープ起こしして再構成した第2回の課題を班に分かれて読み合わせ、班ごとに一番よかった人を決めてその人を班長としました。課題は授業の最後に提出してしまったので手元にはありません。また、班分けは単純な五十音順でした。ちなみにこの日いなかった人は個別に先生方と連絡の上で後日各班に組み込まれました。その振り分け方までは分かりません。
完全に余談ですが、後日メイン企画「あなたとして生きる」および全体の編集長になる方も、また自主企画「文学とハラスメント」を主宰した方もこの日はいらっしゃなかったかと思います。

第4回。模擬特集を考え始めました。「文学とハラスメント」企画でもちょっと槍玉に挙がりましたね。このときの僕はそれが怪しいとか微塵も思っていません。正直今もあんまり思ってないです。「課題で作った宮崎駿のインタビューを入れた40pの特集」の案を練ったわけですが、学生の大半は文ジャにいるというだけで雑誌作ったことなんかないので、特集というものを色んな縛りがある中で組んでみるという経験って必要だった気がします。
そもそも40pのうち宮崎インタビューは最大4pまでと言われていたので、最低36pは班ごとにテーマから考える必要があった訳ですし、予算額と一記事あたりの相場、広告記事の縛りなど、組み込むべき要素はそれなりに用意されました。学生の創意工夫がなかったと書かれていることについては、少し他の受講生に失礼なのではないか、と思ってしまいます。
また「編集後記」(これもまた地味ながら非常にくせ者で僕のもやもやとした気持ちの元凶でもあるのですが)に「シラバスに”模擬特集”などという文字はない」と書かれていますが、そもそも授業15回で素人30人弱が雑誌を完成できるはずもなく、作業が毎年遅れていることは受講生の間ではそこそこ知られているというか、公然の秘密のようになっています。今年も遅れましたが、去年の「蒼生2018」も発行日は3月です(本来の学期末は1月末)。そもそも、文キャンにシラバスを厳密に守る講義ってそんなにありません(これ自体は問題っちゃ問題なのかもしれません)。なのでそのことがただちに教員個人のハラスメント、そして特集の妨害となるかというと、ちょっと僕個人としては違った認識です。

第5回。10月末です。僕はたしか欠席したのでくわしいことは知りません。ひきつづき模擬特集を議論したと聞いています。

以上が僕という個人、一介の二年生から見た「編集実践2」序盤の5回です。個人的には特になんとも思っていません。正直ここから第15回まで、「編集実践2」は僕にとってただの演習の一つです。ヤバかったのはそのあと、特にこの辺の序盤はほかの演習よりむしろユルくて楽だなくらいにしかとらえていませんでした。
まだ「蒼生」の「そ」の字も出ていないのは、確かに今思えば進行がひどく遅いかもしれないですが。

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