花火を見た!あと花火するぞ

花火大会に行った!

ご縁あって以前バンド関連で1度だけお世話になったオッちゃんに誘われ、オッちゃんの地元のお祭りのお手伝いやエキストラ?をした。
そのお祭りの目玉の一つ、フィナーレにあたるのが花火大会だ。

いまいち乗り気じゃなかったんだけど花火やっぱ生で見るとめちゃくちゃ良かったな。
小さな町のお祭りであるためにかなり近くで打ち上げられていたからか、おそらくやや小さな規模の花火だったんだろうけど、その実際の規模よりも体感としてずっと大きく見えた。

全然うまく撮れなかった...


背中にいかつい"モンモン"が入ったオッちゃんと2人で「ううむ」とか唸りながら見た花火で情緖もクソもなかったが、それでも打ち上げ花火はいつでも"あの頃"の気持ちにそのまま返してくれるなあ、ずっと見てられるなあ、と思った。

個人的な事を話せば、これは、高校の文化祭の後夜祭で毎年打ち上げ花火が上げられていたことに起因すると思う。
良いところなんてあんまり無い、うっすら全員が自分の高校にウンザリしてるような高校だったけれど、良かったなと思える数少ないことの一つに、文化祭の後夜祭があった。
後夜祭はなぜかかなり力が入っていて、昼間の文化祭のメインステージとは別に後夜祭用のステージがあり、しょうもない軽音部のコピーバンド、有志の先生方のおじさんコピーバンドなどが見られた。(自分にとってはしょうもなかったが、しょうもないことも含めて雰囲気があった)
そして、その近くには要らない木材をぶち込んだキャンプファイヤーがあり、ステージを眺めたり火を眺めたり、あえて学校隣の河川敷からそれを眺めたり、各々の時間を過ごした。
そして、目玉は花火大会だ。なぜか教員のなかに花火の免許を持っている先生がおり、毎年後夜祭はフィナーレに数発花火が打ち上げられた。
花火が終わると決まってsecret base(あの花じゃないzoneのバージョン)が流れ、それを聴きながらなんとなく余韻に浸って帰路に着いた。

小さな町の花火大会は、打ち上げられる距離が近く大きく見える点、普通の花火大会に比べ人でごったかえしていない点、において後夜祭の文化祭と頭の中で完全にリンクしてしまった。

年を経るごとに色んなことの種明かしがなされたせいか、「この夏はなにかありそう」「この夏休みは特別な夏休みだ」という感覚が薄れつつある。(一般的にはこういう感覚ってもしかしたら意外と無かったのかな、少なくとも俺は夏だけでワクワクできるような意外と素直な子どもだった)

しかし、件の後夜祭的花火を見て、一瞬「君と夏の終わり」のあの特別な夏にそっくりそのまま心が帰ってしまった、と"思った"のだ。

俺が花火を見上げ呆然とし、間抜け面を晒している途中、高校生カップルが明らかに花火に飽きていたのが横目に入った。
彼ら彼女らは花火もまあ楽しんだんだろうが、そんなことより頭の中は横の異性のことでいっぱいだったんだろう。そりゃそうだ。
ド田舎すぎてラブホもないし、お祭りのあとの田舎の実家なんて親戚が集まっててお泊まりもできないだろうし、つまりは時間がくれば「じゃあねー」と手を振って別れるしかないわけで、残された少ない時間めいいっぱい2人の時間を楽しまなければいけない。まだあちこち露店を2人で回ったり?人によっては茂みに隠れてお楽しみしたり?したいんだろう。花火もそっちのけでそんな事を考えていたんだろう。そりゃそうだ。

俺が思い出していた気持ちが高校の時の気持ちそのままじゃないことに気がついた。
すると、ペタペタと自分の中で塗り固められた後夜祭のイメージが瓦解しはじめて、少しずつ記憶を辿り、苦い思い出まで思い出し始めた。
一緒に後夜祭のバンド見てて「あのドラムの先輩かっこいい」って言ってきたあの娘元気かなあ。
え!!!??横に一緒に後夜祭楽しんでる男いるけど!?で、ドラム!?珍しいね????
とちょっとパニックになったな。ウケる。

高校の時は「もし時間が巻き戻せるとしても絶対にもう一度高校生活をしたくない」と強く思っていたのに、たまに自分の記憶のなかで美化されて、懐かしんでしまうときがある。

つまりは、俺にはもう高校の時分の感情そのまま完全になんて思い出しようもないのだ。ましてや中学のときの気持ちなんて言うまでも無い。
今まさに特別な夏を過ごしているであろう青年らを尻目にそんなことを考えて少しショゲた。

と、いうのをオッちゃんの隣でぼーっと考えてたらふつふつとなんでオッちゃんと2人で花火見なきゃいけないんだと腹が立ってきた。
その日は疲れていたこともあり、酒を飲み過ぎていたこともあり、お世話になったオッちゃんの実家でドカ酒飲んで吐いて寝た。
不義理すぎる。ごめんオッちゃん。

何かを取り返せるわけではないんだけど、というかこんなキッカケがなくてもするつもりだったんだけど、今年の夏は仲間を集めて花火大会をしよう。
俺はまだ今の俺なりの気持ちで夏にワクワクできるはず

補足

オッちゃんが自由人かつ趣味人すぎててっきり独身貴族だと思ってたんだけど余裕の既婚者だった。
奥さんも音楽が好きらしかったが、オッちゃんとは趣味が真逆で良い関係性だと思った。
オッちゃんがthe bandとccrを流して「やっぱ最高だよなあ、南部の風が吹いてるよなあ」って言ったら「ダッセー!!!泥臭すぎ!」って奥さんがギャーギャー言ってた。
逆に奥さんが「プリンスがさあ...」って語り出すとオッちゃんは「意味分かんね」と一蹴してた。

もし中途半端に趣味がかぶったらなんか合わせなきゃいけないかもだし、俺が次もし誰かと付き合うなら音楽にまったく興味ない人がいいな、と思ってたけど、これくらい真逆ならむしろ上手くいくのかも。
ちなみに、唯一、「オアシスはダサい」これだけは口を合わせて言ってて笑った。
うるさい!オアシスは!かっこいいよ!!!!!!!

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