昔好きだった女性が結婚した話

昔好きだった女性が結婚した。

その子は小学校から同級生で、中学まで同じ校舎で過ごした。とても背が高く美人で、大人しく、頭が良くて、スポーツが出来て、絵が上手くて、ピアノがとても上手だった。ずっとみんなの憧れの存在だったと思う。

高校からは疎遠になって、僕は大学で上京し、彼女は地元に残った。その後大学生になってから開催された同窓会で再会した。
久しぶりに見る彼女はとても綺麗だった。相変わらず高身長で美人で愛嬌があって、話し方に品性と知性を感じた。何も変わらないけど、全然違う女性になっていた。

実は彼女は上京していて、一人暮らしの家の近くに住んでいることを知った。LINEを交換して次の週には2人で飲みに行った。

それから頻繁に会うようになって、デートもして、僕の家に泊まることも何度もあった。付き合ってないけど付き合ってるような関係。

でも一度もやらなかった。性交渉をしなかったという意味だ。

そうゆう空気になると彼女が毎回泣いた。

理由は聞けなかった。
何のトラウマか聞くことが怖かった。抱えられる気がしなかった、抱えるつもりもなかったのかもしれない。

若い僕は全てがめんどくさくなって徐々にフェードアウトしていった。
別に何も思わなかったし、今彼女が何をしてどこで生きてるかなんて気にならなかった。

それから4〜5年が経った。

今日「結婚しました」とLINEが届いた。去年したらしい。
なんでわざわざ連絡をくれたのだろう。何で今日だったんだろう。

でも理由は聞かない。

彼女は全てを受け入れた男性と結婚した。受け入れて理解して抱えてくれる男性を生涯のパートナーとして決めた。

何も受け入れられなかった男に、何を聞く権利もない。

報告することで彼女がスッキリするならそれでいい。このタイミングで言うことに意味なんてなくていい。幸せになってくれ。

おめでとう。

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