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【Tips】バックテストのスプレッド、「変動」だから正しいの?

*テーマ

今回のテーマは「バックテストのスプレッド」です。
FXにおいて、スプレッドは切っても切り離せないものです。

私はEAを選定する基準の1つとして、バックテスト結果を参考にしています。

そこで、EA販売サイトを見ていると、
「TDSの変動スプレッドで右肩上がりなので、勝てるEAです!」
といったニュアンスの謳い文句をたまに見かけます。

本当にそうなのでしょうか?
こんな人はぜひ読んでみてください。

・スプレッド「変動」だから正しいバックテストだと思っている


*バックテスト結果の比較

FX取引で切っても切れないスプレッドですが、バックテストでもスプレッドの差で大きく結果が変わってきます。

実際にデータを見た方が早いと思います。

以下の図1と図2はどちらも同一EAで、パラメータや期間も同じ状態でバックテストをした結果です。

図1.バックテスト結果(スプレッド変動・補正なし)
図2.バックテスト結果(スプレッド変動・補正+10point)

どうでしょうか。
EAの設定は全く同じにも関わらず、結果に差異が出ています。

何をしたかというと、ティックデータのスプレットを補正しています。


*スプレッドの補正

TDSではデューカスコピーのティックデータをダウンロードし使用します。
ここで大切なポイントは、このデータにスプレットの情報も含まれている、という点です。
つまり、そのままバックテストをするとデューカスコピーのスプレッドを採用するということになります。

では、デューカスコピーのスプレッドはどの程度なのでしょうか。
こちらのEA(AverageSpread)を利用して計測してみます。
※mq4形式ですのでコンパイルして使用する必要があります。

ドル円でやってみます。

図3.AverageSpreadの設置
図4.AverageSpread_2015年12月
図5.AverageSpread_2022年12月


約0.4~0.8pipsでした。
近年は大きい傾向にあるようです。

海外ブローカーの場合、ドル円のスプレッドは1.5pips程度です。
デューカスコピーのスプレッドを海外ブローカー環境に近づけるためには、
スプレッドを補正する必要があります。

図6.スプレッドの補正

私がバックテストをする際は、ドル円の場合スプレッドを+1.0pips(10point)補正するようにしています。

こうすることにより、海外ブローカーに近い環境でバックテストをすることができ、より信憑性のあるテスト結果を得ることができます。


*まとめ

いかがでしたでしょうか。

スプレッド「変動」は、デューカスコピーのティックデータで正確にテストを行うということであり、
海外ブローカーの環境を正確に再現しているわけではありません。

利用ブローカーに合わせてスプレッドを補正することで、
正確なバックテストをすることができます。

・TDSのティックデータ=デューカスコピーのティックデータ
・利用ブローカーに合わせたスプレッドに補正する必要がある
・他者のバックテストレポートにおけるスプレッド「変動」を過信しない





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