重要土地規制法
昨日の一般質問で取り上げた「重要土地規制法」における久高島の注視区域指定は必要ないのではという議論を沖縄タイムスさんが記事にしてくださいました✍️
県内弁護団の皆さんと勉強会も行いながら詰めてきた質問です。
以下詳細を説明します。法律関係なので少し長くなりますが、大切な事なので読んで頂けると幸いです😊
去る5月12日、当該法律に基づき本市の知念高射教育訓練場(陸上自衛隊知念分屯地)が「特別注視区域」、久高島が国境離島「注視区域」として土地利用規制の区域候補に指定されました。
重要土地規制法は「防衛施設等重要施設の周辺区域内及び国境離島等の区域内にある土地等が重要施設又は国境島等の機能を阻害する行為のために供されることを防止するため、土地利用状況の調査、規制、届出等の措置について定める」法律です。
つまり、指定された防衛施設や国境・離島において土地や建物における機能阻害行為が行われないか調査(監視)するという事です。
重要施設に関しては施設敷地の周囲おおむね1kmが注視区域対象となるが、離島に関しては島丸ごとが対象になります。
しかし、久高島には防衛施設も存在しなければ、当該法律第5条1項において規定する注視区域の離島機能阻害行為における「特に防止する必要」という事が明らかにされておらず、指定の必要性を十分に確認できない状況があります。
また、当該法律基本方針で例示されている「機能阻害行為」も久高島で過去に発生していないという状況があれば、まず南城市としてはどのような懸念や恐れがあって今回久高島が指定候補地に該当されるのかという疑問を持つことが当然だと私は考えます。
さらに、久高島における土地所有形態は非常に特殊で、島の土地は「全て区有地」の土地総有制(久高島土地憲章)で個人の土地所有ができず土地を借りる、活用する際は必ず区の審査が必要となります。
このことから、私は土地規制法の基本方針5~6ページ「指定にあたり留意すべき事項では機能阻害行為の兆候の把握が容易であるかどうかといった地域の特性等がある場合は指定要件に該当しても、その地域を指定しないことがある。」という記載に該当すると考えました。
つまり、久高島においては現在すでに土地利用の際に区の審議という手続きを必要としており、現状でもすでに区あるいは南城市の範囲で十分にチェック機能・管理体制が整っており、注視区域の指定は必要ないということになります。
内閣府といえどもこの日本全体の地域事情、ましてや小さな離島の事情まで全てを把握することは難しい。特に久高島は日本においてもかなり珍しい特殊地域事情があり、それを国に説明すべきではないかと市長に求めました。
古謝市長も、久高島においては区の所有制度によって不正な土地利用(機能阻害行為)は起こり得ないと認めているものの、「だから法律があっても久高島に何ら影響はない」と指定区域へ異議を唱える意思は確認できませんでした。
私は指定区域で、南城市のみならず沖縄にとっても神聖な久高島にちゃちゃを入れて欲しくないと正直な思いを申し上げました。
この法律はそもそも立法事実自体が存在しないことや、刑罰の対象となる行為が明確でなく(罪刑法定主義への違反)、政府(内閣総理大臣)の判断で具体性に関わらず機能阻害行為に指定される恐れがあるなど、住民監視(調査・監視対象が際限なく広がる懸念)による思想信条の自由や表現の自由の萎縮効果、さらには財産権を侵害(事実上の強制的な土地収用の懸念)する恐れが大きく、さらには権利制限を受ける市民が不服申立てを行う手段が定められていない事など、憲法違反の法律であると県内弁護団や市民団体から指摘されています。
また、法案提出の際には連立与党の公明党も「まるで戦時下を思わせる民有地の規制」と強い難色を示していました。
一歩間違えれば重大な国民の権利侵害が起こる可能性がありながら、ルールがあいまいで政府のフリーハンドで拡大運用できかねない非常に危険な法律だという懸念がある以上、指定を必要としない現状があるならば区域指定されないことが一番であり、市民の基本的人権を擁護する立場にある自治体としては当然それを求めていく必要があると思います。
本日はハーリーの後に県議会傍聴を行い、いつもお世話になっている当山勝利県議にも久高島の件を報告いたしました。
今回取り上げて頂いた沖縄タイムスさんも、久高島の特殊事情の視点は目からウロコだと関心を持って頂きました。メディア等含めて、世論も喚起しながら引き続き取り組んでいきたいと思います。
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