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第0話 サバンナの王者はヌー

ヌーを知ればサファリが何倍も楽しくなる
サバンナの王者はライオンではなくヌーと言っても過言ではありません。ヌーがサバンナを作り上げているのです。ヌーがいなくなればサバンナの自然は保たれなくなってしまいます。

でも、ヌーって知っているようで……知ってる?
なぜ、大移動をするのか、知ってる?

推定150万頭の生息数を誇るヌーは、セレンゲティNPの南から北のマサイマラNRまで草を求めて大移動し、1年かけておよそ1800 kmの道のりを1周します。

ヌーの大移動

「ヌーは草を求めて大移動する」と語られます。がしかし、
ヌーの大移動ってそんな単純ではないのです。
「ヌーは雨を追って移動する」とも言われます。が、しかし、
そんな単純ではないんですよ!! ヌーって、自然って。

取材を続けていると、実に様々な事が見えてきました。

ヌーの徹底取材
2020年から4年にわたり、セレンゲティNPの北のマサイマラNRからセレンゲティNP南端のンドゥトゥまで、ヌーの徹底取材を繰り返してきました。そして、ヌーってものすごく色んな事情を抱えて、賢くたくましく生きている、大移動しているって分かってきたのです。
※取材は続行中!

特にコロナ禍の取材で、ヌーの大移動に近年異変が起きていることも分かってきました。その異変の原因は、私の取材で分かった限りでも5つ(実は6つ目の爆弾もあります)。

これは問題ですよ!(ll゚Д゚)

コロナ明けの2022年に、コロナ前と同じ内容の“ヌーの大移動ツアー”に参加した知人は、「高い旅費を支払ったのに見られなかった」とガックリ。

「自然だからね、見られない事もあります」
サファリでお目当ての動物やシーンが見られなかったとき、この言い訳をするガイド、ドライバー、旅行会社は、クビ!と私は決めています。
特に、ガイドや会社が専門性を売りに高いツアー料金を設定していながら、自然や運のせいにするような会社は、論外。運任せなら通常料金でいいはずです。

超絶ラッキーなシーンが見られるか否かは、運だけではなく知識と洞察力がカギ

もちろん自然なので想定外のことは起きます。例えば、

プロの気象予報士でもハズレる事はあります。夕方の天気予報で、
「明日は夜から雨。帰宅が遅くなる人は傘を持って行きましょう」
と言っていたのに、実際は15時に降り出したとします。ちょっとハズレ。気象に何かしらの変化があったわけです。こんなことは想定内
プロであればこの変化をいち早く察知し、「思っていたより早く降り出すよ。傘を持って行って」って対応できるんです。そして予報がハズレた原因を解説しますよね。
気圧の急激な変化、南海上の台風が想定以上に早く発達したetc.。

サファリで「自然だから仕方がない」「運もあるからね」と言ったら、それは自然も野生動物も分かっていないということかもしれません。

私はサファリ中、足跡や草丈、獣道、糞、鳴き声、動物の状態など様々なことを気にしながら、
「あっちに行ってみよう」
「この時間にここ行きたい」
とドライバーさんにお願いしています。

水場に行っても必ず動物がいる訳ではありません。でも自然を理解していれば「今ならいるだろう」と予測ができます。『まるまるサファリの本ver.4』改訂版には“攻略法”としてサファリのコツを載せます!

ドライバーさんの意見も聞きつつ作戦を立てるのですが、想定内のことが起きれば臨機応変に作戦変更。もちろん想定外の事が起きてしまい、結果見られないことも多々あります。
でもこんな時は“ガッカリ”ではなく“収穫”です。
優秀なドライバーであれば何が起きたのか(なぜ見られなかったのか)を説明してくれます。自然や動物を理解しているんですね。
そして取材続行。原因を実際この目で見に行き、理解し、写真やデータを残し、先の予測の材料とし、次回の取材に繋げていくのです。

せっかくアフリカまで繰り出すのなら、川渡りの目撃に成功したい!さあ、どんな作戦を立てる⁉

ヌーを知ることはサファリを知ること
冒頭でも書きましたが、サバンナを牽引しているのはヌーです。ヌーの大移動です。
ヌーの大移動を知らずしてマサイマラNR、セレンゲティNPは語れません。

誰も知らないヌーの大移動』というテーマでマガジンを作成し、ヌーの徹底取材で見えてきた数々のお話をして行く予定です。
例えば……、
・ヌーが北へ南へと大移動をする様々な理由。
・今マサイマラNRで起きている事(近年のヌーの大移動の異変)。
・ヌーを知れば動物の目撃率も上げられる。
・サファリ中の動物の探し方(攻略法)。
などの内容を盛り込みながら、4年の出来事をエッセイ的にまとめていきます。

自然科学の堅苦しい話ではなく、いつものようにユル~く楽しく書いていきますので、ぜひお読みいただけたら嬉しいです。

※申し訳ありませんが引用防止の意味もあり、次回第1話からマガジンにまとめて有料記事とさせていただきます。全10話以上。今後も取材を続けていくので、最終的に何話になるかは分かりません。
(マガジンを購入していただくと全ての話が読めます)
記事の内容は引用禁止!購入は口外、引用、無断利用しない約束とさせていただきます。

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