コロナの話。

宮崎の、更なる田舎に住んでいるご年配の方々はコロナに対して、ありゃー都会のパリピがなるもんだという完全な他人事になりつつあるようです。
元々の呑気な県民性が遺憾なく発揮されていて、そんな言い分も可愛いと言えば可愛いのだけど、いや待て油断禁物やぞ!と他人事ながらひやひやしたりもしております。

ワクチンに関しても、都会の若者全員にさっさと打ってしまって、それからウチらみたいな田舎モンに振る舞えばいいんじゃないのか、と言っているのを何度か耳にしました。
でもかかりつけ医に勧められたり、家族がなんやかやで予約を取り付けたりでそう言う方々はかなりの接種率のようで、だからこその余裕ある態度、というのもあるかもしれない。

などと言いつつ、化粧せんでええからマスクはありがたいねえ、と皆マスクは手放さない。

それは私もそうである。もうノーマスク生活に戻れない!
何か不満があるとマスクの下で遠慮なく唇を尖らせる癖がついてしまっていて、ノーマスク生活に戻ってもその癖が直らなかった場合、人間関係になにやら余計なヒビを入れてしまいそうな気がしております…。こわい。

もちろんこれらは市街地から遠いド田舎の話で、もうちょっと人口が多い地域になると、毎日それなりに感染者が出てるのもあって話は全然違ってくるのです。そりゃそうだ…。
実際、今ワクチンの接種予約はすべての枠が埋まってしまっていて、次の予約受付はお盆明けなんですって。
先日接種券が届いたので、やあやあ初陣じゃあー!と勇んだというのに私は見事に敗北しました…。
うちは私以外全員2度目まできっちり終えております。
私も早く仲間になりたい。


さてそんなコロナ。
今日、悲しいことがありましたので、その話をしたためようと思います。

旦那が夕食後にテレビを見ながら、今日ね、たまらんことがあったんよ、と言うのです。
テレビに夢中なのではなく、こちらを見ない。

つまりこれは彼の心に相当大きな傷を残した出来事で、そうしていないとたぶん泣いてしまうんだろうなあ、と数年にわたる結婚生活で次第に分かってきました。
旦那は無表情なのでわかりにくいのですが、実は涙もろいのである。
バレたら恥ずかしいという思いがあるらしく、ほっそりした猫背をこちらに向けてこっそり目元を拭っているので私は見ないふりをしております…。

そんな彼が勤めている老人ホームは去年からコロナ禍により面会が出来ないそうで。
時々迎えに行くと、でかでかと面会禁止と書かれた紙が玄関に貼ってある。

宮崎の感染者数などを鑑みて時折規制は緩めているようだけども、基本的には来客はお断りしているようです。

その施設を利用しているご夫婦がおりまして。
奥様が老人ホームに入所していて、ご主人はデイサービスに家から通っているとのこと。
リハビリ等の後、昼食を終えて帰宅されるのだけど、去年までは奥様とお昼を一緒に食べていた。
というか、奥様の食事の介助をしていた。
それができなくなって1年。

今日、久しぶりに昼食を一緒にどうか、となって一年ぶりに夫婦が顔を合わせたところ。
奥様はご主人のことが分からなくなっていたそうだ…。
ご主人はそれはもうショックを受けていたそうで、介護職員がご夫婦の写真を見せたり話をしたりしても、どう頑張っても効果はなかったそうで。
ご主人はおろか、写真に写る自分を自分と認識できなかったそうなので、なかなかここからの回復は難しいのかもしれないとのこと。

旦那は栄養士なので、摂取量や嚥下の状態を見るためにたまたま立ち会っていたようなのですが、そのご主人の落胆ぶりが見ていてとてもとても辛かったらしい。

コロナでなければ、今までのように毎日お昼を一緒に食べられていれば、こんなことにはならなかったかもしれない。
いや、そんな日は遅かれ早かれいつかくるのだ。
でも、少しでも先延ばしにできたかもしれない。

とはいえ介護職員だって、この一年に限らず、そのずっとずっと前から変わらず真摯に入所者と向き合ってきたわけで、それでも認知症が進行してゆくのはもう誰のせいでもない。

誰も悪くないのだけど、コロナさえなければ、ひょっとしたら、と思ってしまう。

ご主人がこの一年どんな思いで過ごしてきたか、そしてやっと迎えた再会がこんな形になってしまってどれだけショックだったか、そんなことを考えると私もとてもじゃないけど言葉が出なくて、2人で無言でオリンピックを見ていたけれども、正直なところ、何の競技だったかすら思い出せない。

ご主人の心のケアをどうにか、こういうことで一気に体調を崩したりするから、とありきたりな言葉だけをどうにかひねりだしたら、旦那も、だよなあ、だよなあ、と力なく頷いていた。

その、世にもしょんぼりした背中を見て、私が先にボケるわけにはいかん!と思いました…。

(以前友人一同に、私がボケたら、メシはまだかのう!おやつはまだかのう!って一日中食べ物のことでキレ散らかしてそうでやだなあ…と言うと、見えるようだ!と全員から爆笑されたことがある。更にはおやつのクオリティに文句言いそう、とも言われた。あり得る。旦那のほうが楚々とした可愛げのあるボケかたをする気がする)

こんな話を友人とするほどに私は認知症のことを平素から怖がっていて、その予防対策として、うっかり物忘れをしても、そこで粘り強く考えてきっちり思い出せたらノーカンにしてもよし、というどこかで得た知恵を盲信していて何年も前からそれだけは頑張っています…。

あ!この話をしているときのオリンピック競技は男子10000メートル決勝だった、そういえば。
ケニア勢の追い上げがすごかった、はず。

あと、料理はすごく有効らしいですね!
段取りを考えながら手先と頭を同時に使うのは、脳トレとしてとても良いそうです。
なるべく何品かを同時進行で作って、食べるときに温かいものは温かく、冷たいものはきちんと冷たく仕上げておく、というのも心がけてます。

ちなみに今日は鶏の炭火焼、梅と大葉を挟んだ鯵フライ、夏野菜の炒め物、千切り昆布ときゅうりの酢の物、マカロニサラダ、でした。
暑いので汁物はやめた。
今日仕事を終えて帰宅したら室内が34度あってびっくりした…。まだ7月だというのに…。

鶏と鯵フライは出来合いのもので、炒め物は明日パスタに転用されるのです。
そうそう、マカロニサラダのボウルに水で戻した昆布をぶっ込みそうになって慌てました…心臓がヒッてなったわ…。

あらまあ脱線しましたね…食べ物のこととなるとほんとにもう。
夕食のくだりはまるっと消去したほうがまとまりはいいんでしょうけど、まあいいや。今日はもう寝ます。

おいしいものを食べます。