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Chocolat tous les jours ー Vol. 11

皆さま、こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。
当地では、サマーバケーションが終わり、9月1日から通常モードに戻ったブリュッセルですが、バカンスとともに夏も終わってしまったように急激に気温が下がってきています。そしてオフィスは相変わらず寒いです。

今年はベルギーに限らず欧州全体で渇水に悩まされていたのですが、9月に入るとほぼ毎日雨が降っています。それと前後して朝や夜の気温は10度前後になり、「30度超え!」「猛暑!」と話題になっていたのが嘘のようです。そして雨が降らなくても曇りがちな天気が続いています。

夏時間が終わり、このままくらーい冬になっていくのでしょうか。私自身は秋~冬は好きな季節なのでむしろ嬉しいのですが、スペイン人の同僚は「憂鬱…」と言っていました。

例年になく寒い冬

肌寒さが強まっている今日この頃ですが、ヨーロッパに住む人々にとって今年の冬はいつにも増して厳しいものになるかもしれません。

皆さんもご承知のとおり、従来から欧州はロシアからの石油・天然ガスに大きく依存しています。今年2月のロシアによるウクライナ侵攻が始まって以降、EUはロシアに対する経済制裁を積極的に行ってきています。中でもロシアからの石油・天然ガスの輸入を減らすというのは、彼らの対ロシア依存度を考えるとかなりハードルの高いことです。それでも漸時ではあるものの、輸入量を減らすという判断をしています。さはさりながら、それはとりもなおさずEU域内の国民には厳しいものとなります。

コロナ禍からの回復とウクライナへの侵攻と相まって物価上昇が続いていることは随時お知らせしてきているところです。発表によれば、ベルギーの8月インフレ率は9.94%となり、1976年3月に9.96%を記録して以来の高さとなっています。このインフレのほとんどはエネルギー関係によるものです。ガスや電気代の高騰は想像を超えるもののようで、同僚曰く、去年からすると倍になっているとのこと。幸いなことに我が家は固定価格で契約しているので直接の影響は受けていません。一義的にはほっとするものの、(契約であるとはいえ)今のところ後ネゴが来ていないことを考えると、それまで大家さんは相当得をしていたんだろうなぁと思わないでもありません。

こうしたガス・電気代の高騰を受け、当地のニュースサイトでは節約術を紹介しています。いくつかご紹介します。

調理の際、お湯をシンクにすぐに捨てるのではなく、シンクの栓ををしてそこに溜める。そうすればその熱でリビングルームが暖まる。

これはそのままですね。こちらの家はキッチンとリビングとダイニングが同じ部屋にあることが多いです。

省エネ家電に買い換える、家を省エネにリフォームする

省エネ家電に買い換える出費、リフォームする出費とガス・電気代どちらの方が高いのか。。。。こちらの家は元々断熱性が高くできています。日本ではアルミサッシ・シングルガラスが主流ですが、こちらでは少なくともペアガラス(2枚のガラスの中に窒素などが充填されており、断熱性が高い窓ガラス)が主流です。たまにガラスが3枚になっていたりもします。また、最近では資材価格の高騰や人手不足でリフォーム工事が滞っているというニュースもあるので、こうした節約術がどこまで効果的かはやや疑問です。

シャワーの後、シャワーブースの中で体を拭く

ホットシャワーの後、暖かい空気がブースにとどまるのでお風呂場全体を暖める必要がない。
※これは日本のお風呂の構造からするとちょっと想像しづらいですが、こちらではシャワーブースはお風呂場の中にあり(必ずしも扉で区切られているとは限りませんが)、いわゆる脱衣所にあたるスペースにもヒーターが付いています。シャワーブースが暖まっているうちに体を拭けば、体が冷えることもないので脱衣所のヒーターを稼働させなくてもいいよ、ということでしょうか。

ホームセンターで売られているシャワーブース。扉を開ける前にここの中で体を拭けば寒くない(はず)。

リビングルームでアイロンがけ

あまり出入りしない部屋でアイロンをかけないということですが、アイロンに部屋を暖めるだけの熱量があるのか、不明です。

冷凍庫をいっぱいにする

水を入れた容器を使ってでも冷凍庫をいっぱいにすることで、冷凍庫が必要な温度を維持するとのことですが、日本だと冷凍庫(もしくは冷蔵庫)にものを詰め込みすぎると冷却効果が落ちて、むしろ冷やすためにより一層の電気を使う(だから詰め込みすぎはよくない)と言われるので、その反対のことを聞くと本当か?と思ってしまいます。それとも冷凍庫だとそうではないのでしょうか。凍らした水が冷却効果を高めてくれるのでしょうか。

料理をする際には鍋に蓋をする

これは確かに効果がありそうです。鍋でお湯を沸かすときに蓋をしていると熱が逃げないのでお湯が早く沸きます。

友達を呼んで一緒に料理をする

料理をする際のガス・電気の節約になるし、人が多ければ体温で室温が上がるからだそうです。

こうしてみると結構細かい(そして効果のほどがやや不明な)対策もありますね。

隣の国まで買い出しに行く

最近では、ベルギーからお隣のドイツやフランスに買い出しをする人が増えているそうです。なぜかベルギーでは同じ品物でもドイツやフランスより高いことがあり、とりわけ足下のインフレ下ではその影響が強く出ているようです。国境近くに住んでいる人からすればどこに買いに行こうが同じものが手に入る一方で、少し足を伸ばせばより安価に手に入るのであれば「越境」するのも頷けます。ただ、ブリュッセルはお隣のフランスへもドイツへも車で少なくとも時間半~2時間は掛かるので、ガソリン代と時間を考えると節約にはならなさそうです。

ブリュッセルから最寄りと思われるフランスの街まで車だと最短で1時間21分です。
ベルギーとドイツの国境に近い街アーヘンまで、ブリュッセルから車で1時間54分です。ちなみにドイツに入った途端、道路が急に綺麗になってとても走りやすくなります。

先日、バス停でバスを待っていたら道路の反対側で住宅の外壁工事?のための足場を組んでいました。3階か4階まで足場を組むようで、2人1組になり下にいる人が足場を組んでいる人に足場の資材を渡しています。上に上がるにつれてだんだん手が届かなくなってくると、なんとパイプを投げ始めました!万が一受け取るのを失敗したり投げ損ねたりしたらどうなってしまうのか、ハラハラしながら見ていましたが、バスがきてしまったため最後まで見られず。。。。月刊連合でも書きましたが、当地の安全衛生に関する感覚は日本とはずいぶんと違うようです。

投げ渡すものを準備
勢いを付けて
投げる!
ナイスキャッチ!(ドヤァ


ここに記載した内容や見解はあくまでも個人のものであり、執筆者が所属していた/所属する組織の見解を反映しているものではありません。また、本記事には業務上知り得た内容は一切ありません。

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