Chocolat tous les jours ー Vol. 6
皆さま、こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。先日、かねてより行きたかったLes Trois Bornesというところへ行ってきました。ここはその名のとおり、ドイツ、ベルギー、オランダの国境が接しているところ。日本では陸地で国境を接しているところがないので、地図で目にした時からずっと行きたいと思っていました。
ベルギーにはこうした場所が他にあと2箇所あるので、こちらにいる間に是非訪れたいと思います。
1.ウクライナ侵攻
日本でも連日報道されているようですが、ロシアによるウクライナ侵攻の与えた衝撃とそれに対する当地での反応は、日本のものよりもだいぶ大きいのではないかと思います。少し前にはプーチン大統領による核兵器使用の可能性が示唆されたり、ウクライナ最大規模の原子力発電所への攻撃もありました。そうした状況を受け、一部の薬局ではヨウ素が配布されたというニュースもありました。同僚と立ち話をした際にも、こうしたことに不安を覚えているようでした。
報道では非戦闘員にも多大な犠牲が出ており、故郷を離れて近隣諸国へ逃れる人々が100万人規模になるとも言われており、非常に痛ましく思います。欧州各都市ではかなり大規模な反戦でもが行われており、当地も例外ではありません。地理的に近いこともあるのでしょう。また、デモ主催者によるプレスリリースでは、「欧州の独立国家であり、平和的で民主主義の国に対するクレムリンによる戦争」と述べられています。
他方で、こうした活動に水を差すわけでは決してないのですが、しばしば「欧州の仲間」や「民主主義国家」への攻撃許すまじという言葉を耳にします。これに対して、非欧州人の自分からすると違和感を覚えます。ウクライナへの侵攻を機に、東アジアにおける緊張も高まるのではという想像をしてしまうのですが、ではそうした時に欧州で同じような反応があるのだろうかと考えてしまいます。あるいは、例えばベトナムが隣国からの侵攻を受けた場合、同じような反応があるだろうかとも考えてしまいます。
2.ベルギーの労働改革
2月15日、ベルギー政府は2030年までに雇用率を80%にすることを目標に、2つの軸からなる労働改革を発表しました。日本でも「週休三日制の導入」ということで報道されたと承知しています。
その内容は、1.雇用率を上げること、2.新しい形の雇用によりよい規制をかけることからなります。もう少し詳しく見てみましょう。
(1)教育訓練への投資
トレーニング期間の設定(2022年は3日、2023年は4日、2024年は5日、雇用者が費用を負担する形で労働者がトレーニングを受ける権利を有する)
(2)プラットフォーム労働者へのよりよい労働条件
ギグワーカーの保護(EUの指令案に倣った条件を満たせば自動的に労働者と推定される、プラットフォーマーの義務的な負担による職務上の事故をカバーする補償が適用される。より良い法的確実性を保証し、実質的に使用者の役割を果たすプラットフォームが、それに伴うすべての社会的責任を負うことを義務付けることにある。この変更は、関係する労働者の利益になるだけでなく、ルールを尊重し、時には不当な競争にさらされる企業にとっても利益となる。
(3)よりよいワークライフバランス
4日間勤務(労働協約に基づいて、週休3日(週末でも週の中日でもいつでも可)とすることができる。ただし週の労働時間は不変。
つながらない権利(これまで連邦機関職員にのみ適用されていたもを民間で働く労働者にも適用。20人以上の組織。時間外の応答などは違法。)
シフト勤務の7日前通知
(4)労働率向上
新しい仕事への移行(前職の雇用期間中であっても新しい雇用先での仕事をすることが可能。)
解雇通告後、退職までの残り期間の1/3を再就職のための準備に充てることができる
Eコマースにおける深夜労働(夜8時から深夜まで働くことを認める、ただし労働協約がある場合。18ヶ月の間は試験的に可能(労働協約がなくても可))
多様性のモニタリング(正当な理由なく業界の平均的なダイバシティー度合いから外れる場合には改善のための行動計画の作成が必要)
日本では週休三日制やつながらない権利が話題になったようですが、EUや労働組合の反応を見ていると、プラットフォーム労働者へのよりよい労働条件がより注目されているようです。2021年12月、EUでも欧州委員会がプラットフォーム労働者に関する指令案を発表しています。日本と同様、配車サービスやフードデリバリーで働く労働者が、本来は労働法上の労働者であるにも関わらず、自営業者として「誤分類」されているいるとされます(約2800万人いるされるプラットフォーム労働者のうち、550万人が誤った分類で「自営業者と」されている)。こうしたプラットフォーム労働者が法的な雇用上の地位を得ること、つまり最低賃金や団体交渉、労働時間管理、労災補償といった権利や保護を受けられるようにするというものです。また、アルゴリズムによる管理の透明性や監視を高めるとするものです。
3.チョコレートにまつわるイベント
既に3月になりちょっと古新聞になりますが、2月上旬に街を歩いていたところ、連なるチョコレートショップではバレンタインデーに合わせたデコレーションがなされていました。ショップのショーウインドウにはハートをモチーフとしたチョコレートが並び、ブリュッセルらしさを演出しています。
バレンタインにチョコレートを送るという習慣は、日本のチョコレートメーカーが商業的な狙いで始めたものという理解でいたため、こちらでチョコレートショップがバレンタインにちなんだプロモーションをしているのはとても意外でした。
バレンタインデーと言えば、元々は「キリスト教圏の祝いで主に欧米で、毎年2月14日に行われるカップルが愛を祝う日」(Wikipediaより)という日なので、必ずしもチョコレートとは結びついていない(というか無縁)のイメージでした。実際のところどうなのかと同僚女性に聞いたところ、「自分が若い頃(彼女の現在の年齢は不明です)にはそういう習慣はなかったので、最近の傾向じゃないか。商業的なものね」と言っていました。ベルギーのチョコレートブランドも日本に進出し、バレンタインデーにちなんだギフトを売り出していることから、それが逆輸入されたのかもしれませんね。
そんなバレンタインデーのデコレーションも、2月14日を過ぎるとすっぱり姿を消し、今は既にイースターのデコレーションになっていました。イースターは「十字架にかけられて死んだイエス/キリストが三日目に復活したことを記念・記憶する、キリスト教において最も重要な祭り」(Wikipediaより)です。春分の日の後の最初の満月の次の日曜日とされており、具体的な日付は毎年異なります。今年は当地では4月17日です。そのため、この日に合わせて休暇を取る人は多いようです。
イースターと言えばイースター・エッグとイースター・バニー。チョコレートショップのデコレーションもウサギや卵の形のチョコレートが店頭に並びます。バレンタインデーよりも歴史が古く、ポピュラーなせいか、スーパーマーケットではバレンタインデーにちなんだチョコレートは見かけませんでしたが、イースターにちなんだお菓子は大々的に並んでいました。
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