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ハロウィンと大学祭 …むかしむかしのお話

ハロウィンのたびに、学生時代に参加した大学祭の市中行進を思い出す。

みんながいろんな仮装をして、広島城から本通り、八丁堀を回って広島城に戻ってくる大掛かりでおバカなパレードだった。

もうずいぶん前にやめてしまったみたいで、正直残念。

それぞれの部やサークルがテーマを決めて、みこしを担いで練り歩く。

僕が1年生の時は、「市中」行進だからみこしも「シチュー」にしようと、でっかいシチューのルーの箱を作ってみこしに仕立ててた。

くだらないシャレで、ほんとバカバカしいが、自分たちのみこしができると嬉しかった。

この時の僕の仮装は「猿回しの猿」。

みこしのコンセプトとは全く関係なかったが、先輩から「にぎやかしに」と押し付けられた。

下級生の僕に拒否権などはない。

いまから考えたら、ひどい話だ。

いまのような着ぐるみなんかは売ってなく、茶色い上下の服と顔を茶色に塗りたくって、茶色のしっぽをつけただけ。

ベストを着たかどうかは覚えてない。

パレードでは、一生懸命動き回って、猿回しの芸?を演じ続けた。

本通りで見知らぬおばさんに「ありゃ、ホンマに猿じゃわ」と言われているのを聞いて、うれしかった。

バカバカしいと思えることも、一生懸命にやると喜びがあることを、この時、知った。


2年生の時のテーマは「ホラー」。

みこしを棺桶にして、みんなが担ぐ。

行進が止まって棺桶を下ろしたら、中から死霊が出てくる…
この年の僕の役割は「死霊」。

行進の最中、ずっとみこしとなった棺の中に隠れている。
僕が死霊に選ばれた理由は、男で一番軽かったから。

おデブに成り下がってしまった今の自分からは、想像できないけど。

みこしが下ろされると、棺の扉を開けて出て行って、道行く人たちを驚かす…という事で、最初のうちはみんなノリノリでやっていた。

でも、男が入った棺を担ぎ続けるのはみんなきつかったせいだろうか?
怒り?や不満?は僕に向かった…かどうかはわからないが、僕は棺から出てきた瞬間に、みんなに両手両足をつかまれて、いのこ祭りの歌を歌いながら上下に揺さぶられた。

修大名物の「いのこ」である。

 ※広島地区には、大きな石にたくさんのひもをつけ、
  それをみんなで引っ張り上下させて、五穀豊穣に感謝する
  「亥の子祭り」というお祭りがある。

その「石」の代わりに人間がなるというもので、この時期の大学では、行事やイベントの区切りの中でよく行われていた。

お仕置き…というよりは、意味的には「胴上げ」に近く、やられる人はみんな「やめてくれー!」と言いながら、やられたがっていた。

意味的には、ダチョウ倶楽部の「押すなよ、押すなよ~」に近いかもしれない。

「いのこ」の洗礼を受けた人は、いつもみんな、喜んでいた。

「いのこ、いのこ、いのこ餅ついて、 繁盛せい、繁盛せい…」

懐かしいなぁ…いのこ。

大学を卒業してから、「いのこ」(変則胴上げ)をしているひとを見ることはなくなったけど、続けてほしかったなぁ。

・・・ だんだん何を言いたいのかわからなくなってきた。

ここまで書いて、何をいいたいのかというと…

「まつり」というのは、非日常に身を置く機会で、自分たちで作り上げていくから面白い、と思うのです。

そんな非日常を楽しむためには、時間と場所を決めて、事故やトラブルが起こらないように、届を出したり、周知をしたり、警備を固めたり、いろんな準備をしたうえで、日常の人に迷惑が掛からないようにしたうえで、思いっきり非日常に入り込むことが大切だと思うのです。

非日常に入り込むことが、日常での生活を活性化させてくれる。それが祭りの大切な意味だと思うのです。

きょうは、ハロウィン。

しっかりと準備と配慮をしたうえで、思いっきり非日常を楽しんでほしいと思う。

あっ、大学祭の季節にもなりました。
学生のみなさん、思いっきり楽しんでください。


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