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報酬のすくないお仕事を受けるとき・依頼するとき考えること

ツイッターで「報酬のすくないお仕事を受けるときの話」を見かけました。わたしは受注側にも発注側にもなることがあるので、普段自分で考えていることをこの機会にまとめてみようと思います。

※あくまで「わたしの立場」として、「わたしの考え」を記すことにいたします。

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もととなるツイート(アンケート)はこちら。

モーメントで皆さんのご意見も見ることができます。

https://twitter.com/i/moments/926630244764721152

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その前に自己紹介

わたしは制作会社のプロデューサーをしています。様々な企業さまや代理店さまから、デザイン・イラストレーション制作のお仕事をお受けしています。見積もり作成、お客さまとの予算交渉なども行います。

そして、フリーのクリエイターさんに対してお仕事をご依頼する立場でもあります。イラストレーターさんを始め、カメラマンさん、ライターさん...などに、お仕事をお願いしています。

お仕事の報酬はさまざまで、先方の事情で予算が少ない場合もあります。そんなとき、「どこまで受けるか」というのは難しい問題ですよね。安請け合いはしたくないけれど、全て断っていては仕事が減ってしまう。お客さまの力にはなりたいけど...。特に受注の窓口になっているわたしにとって、ずっと付き合うことになる問題です。

企業の目的は「ゴーイングコンサーン」、生き延びること。そのためにはしっかりとお仕事を見極めていかないといけないですよね。(フリーランスの方にとっても同じかと思います)

さっそくですが普段していることをまとめてみます。


事前にしておくこと

●基準となる価格と、最低限のラインを決めておく

例えばイラストレーションなら、人物のカットは1点いくら、A4の表紙ならいくら...というように理想の価格を設定しておきます。また、最低限のラインを決めておくことも大切です。どんなことがあってもそれを下回る場合にはお断りする、と決めておくと迷いません。

ご相談を受けて考えること

●その方との関係性や、他の案件はどうか

「人」や「会社」を見るという視点です。普段のお仕事の価格帯や発注頻度はどうか、また、今後発展していくかどうかを考えてみます。さらに、ご予算がない場合はこちらのご要望を受け入れていただける余地があるか、なども含めて考えます。

●今後の実績となる案件かどうか

この実績をサンプルとして、次のお仕事につなげていけるかどうかを考えます。今後会社として増やしていきたい案件なのか、トンマナが会社にあっているか。実績としてWEBサイトやSNSで発表させていただけるかも、確認しておくといいかもしれません。

●楽しい、やりたいと思う案件かどうか

最後が精神論のようでお恥ずかしいですが、単純に共感できる企画かどうか、楽しく制作させていただけるかを考えます。結局は「やりたい!」と思えるかどうか。そして受注窓口になるわたしが「やりたい!」と手を挙げたのなら、そのあと制作チームがスムーズに進行できるよう、力を尽くします。


この3方向から考えて、2つをクリアしている場合はお受けすることが多いです。


ご依頼するときに考えること

上記を経てお受けしよう!と決めたあと、クリエイターさんに制作のご依頼をしなくてはなりません。上記のような事情はあれど、それはこちらの話であってクリエイターさんには関係のないこと。でも、なるべくすべてをお伝えするようにしています。

●まず、正直に事情や価格をお伝えする

●なぜ、あなたにお願いしたいのかをお伝えする

●メリットに感じていただける内容をお伝えする

こちらをお伝えした上で、ご判断をいただくようにしています。


●メリットに感じていただける内容をお伝えする

については、自由度が高い、実績になると感じていただける、今後につながりそうなお仕事である、進行がスムーズである、など。ただ、メリットがあるからといって安価でいいということにはなりません。(自戒を込めて...)また、何をメリットとお考えになるかはクリエイターさんによってさまざまです。正直にお伝えした上で、お受けいただけるかご判断をいただいています。

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大前提として

すべての大前提として、「価格交渉をする」ということがあります。もちろん先方の事情がありますし、通らない場合もあります。それでもお伝えすることに意味があると考えます。

●本来の価格をお伝えする

●どうしてその価格なのか、理由をご説明する

●通らない場合はスムーズな進行となるようご要望をお伝えする

こちらは必須で行います。

最近は2つ目の「どうしてその価格なのか、理由をご説明する」ことが大切だと痛感しています。クリエイティブの価値は目に見えない部分もあり、理解されにくいものでもあります。その価値をしっかりと提供し、納得いただけるようなご説明ができることが理想です。頑張るぞ。

また、制作会社であるわたしたちが低価格帯でお仕事をお受けしてしまうことは、業界全体やフリーランスの方にとってもよくない影響を与えかねません。難しい問題ですが、しっかりと考えて今後もお仕事をしていきたいです。


(▼11/4追加)

そしてきっかけになったツイートをされていた、かわむさんのnoteも合わせてご覧ください。記事もご紹介いただきました。ありがとうございます!


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この場をお借りして、いつもお力を貸してくださるイラストレーターさん、デザイナーさん、カメラマンさん、ライターさん、、、、本当にありがとうございます。至らないところもまだまだありますが今後もよろしくお願いします!


うれちい