ピアノ


熊川哲也さんて10歳からバレエをはじめて
15歳でロイヤルに行ったんだと知ってビックリたまげた。
バレエってピアノと同じように
小さい頃からやってコツコツやるものだと思ったから。
好きこそものの上手なれ、なんだなぁ。

5歳からピアノを始めて大学を卒業するまで
17年間ピアノが毎日の生活の一部でした。最初のころはホントに好きで面白くて、先生に言われた課題曲の先の先まで譜読みをする子供でした。けれどいつの間にか、やりたいことだったのに、やらなきゃいけないことになってしまって、毎日ピアノの椅子に座るのが億劫になってしまいました。

熱心に母がピアノの雑誌を買ってきて、私に読ませようとするのも嫌だったし、テレビでピアニストの公開レッスンをやっているのを見るように言われたのも苦痛でした。

それでも、楽しくないけど、一番得意なことでした。自分のプライドでもあり、自己実現手段でもありました。

家の目の前にも高校はあったけど、
そこだと帰ってすぐ練習しなきゃいけないから、練習嫌いな私は寄り道のできる遠くの高校を選んで通いました。

大学では仲間や恩師に出会うことができ、ピアノが楽しいとまた思えるようになりました。大好きで自分の音色にあった作曲家にも出会えた気がしていました。
練習嫌いではなくなり、こだわり、いくらでも練習していて、学校の練習室に23:00頃までいたりしていました。

ピアノの演奏会も学校のテスト勉強と同じ。
目標があって、期日があって、
それに向かって今日は何をしなきゃいけないのか、いつまでに何ができていなければいけないのか。を考えて一人黙々と毎日少しずつ取り組む。そんなスタイルが私に合っていたのかもしれません。

卒演では、達成感を感じ、ああこのままこの幸せな時間が続いたらいいのにと思いながら演奏しました。

ピアノを趣味に変え一般企業に就職し、毎日は練習しない日々を重ねました。技術はみるみるうちに劣るけれど、細々と合唱部やオペラの伴奏活動をしていました。
震災時は、音楽っていう科目は無力だ、なにも救えない。なんて思ったりしました。最低限の暮らしができて成り立つものなんだと改めて感じました。
それでも転勤先の大阪でも新しい音楽仲間を見つけて土日にアンサンブルを楽しみ、いろんな発表の場で演奏をしました。

子供を出産し育てていくと、初めて触れるのは、童謡や絵本という、音楽や美術のなんだと思いました。
またそこで音楽の偉大さを感じました。

今、就職して音楽を趣味に変えて同じく17年経ちました。やっぱり今でも音楽が好きだなぁと感じています。

子供と一緒に歌うのが楽しい。子供が音楽に合わせて踊る姿が愛おしく感じます。
音楽を仕事にしたい。ずいぶん遠回りをしましたが、改めてそう思います。

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