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パンデミックを肌で理解する。ニュージーランド事情。

3月15日です。今日の午後11時59分よりニュージーランドへ入国する全ての人(ニュージーランド国民を含む)に14日間の「自主隔離」が要請されます。その間、他の人に感染させる危険のある行為を全て避けなくてはならないそうです。15分以上人と1m以内で会話をしない、公共や人が集まる場所に行かない(レストランやスポーツ観戦など)。要するに旅行者の方は「ホテルから出るな」ということだと思うのですが、一部宿泊施設では(ユースホステルなど)自主隔離の滞在先として使うことを禁止しているところもあり、行き先を失う旅行者が空港で足止めをくらうんじゃないかと懸念しています。突然の宣言だったので、知らない旅行者の人は少なくないと思うんですよね。大丈夫かな…。

ニュージーランドでの感染者は3月15日の時点で8人のはず。いずれも国外から感染し、ニュージーランドに入国後に発症した人ばかりで、国内の経路が不明な感染はまだ出ていないそうです。

「その数字なのに、そんなに厳しい措置!?」と思われるかもしれませんが、私は国民の安全を第一に考えた首相の正しい決断だと思います。もしも国内で感染が広がり、たとえそのうちの1%が重症化するとなると、確かに国外からみると少ない数字かもしれませんが、それに対応できる医療体制がここニュージーランドの南島にあるとは思えないからです。人口が集中しているオークランドやウェリントンのような都会ではまた違うのでしょうが、南島の、しかも私が住んでいる地方(セントラル・オタゴ)では医療従事者の不足が唯一の不安材料であります。とにかく感染を広げたく無いという、今回の政府の半ば強引な決断に同意です。

とはいえ、この政府の発表に続き、ついさっき南島クイーンズタウンでも初の感染者が発表され(ドーハからの旅行者)今までずっと「TVの向こうの出来事」としてきた南島の人々の間でも不安がささやかれるようになってきました。
マスクや消毒液の売り切れや、トイレットペーパーが品薄になっているのはここニュージーランドでも同じです。幸い?私は日本人で花粉症持ちのため、マスクの買い置きが常にあるので、ご近所さんに配ることができました。ファーム引きこもりの私には必要ないけど、会社に出勤する人たちには安心材料になるみたいです。(でも多分つけないと思うけど)

観光業と農業で経済が支えられているニュージーランドの南島。現在いる旅行者の人たちが帰国して、間も無くここワナカや南島初の感染者が出たお隣のクイーンズタウンの町はがらんとしてしまうことでしょう。
さすがに「人混み」からは程遠い超田舎町なので、まだまだパニックには程遠い現在ですが、コロナで状況が毎日激変しているので明日からまたどうなるかわかりません。

3月27日から日本旅行を予定していたのですが、止むを得ずキャンセル。ご近所で他にも「日本旅行」を楽しみにされていた2家族が、続々とキャンセル。
私の友人が「一生の夢だった」スペイン旅行をキャンセル。
お隣さんが甥の結婚式のために向かうはずだった、メキシコ行きをキャンセル。
お隣のお嬢さんとご近所さんが現在北イタリアに滞在で、足止め中。早くニュージーランドに帰ってきたいそうですが、空港で止められて隔離されるのは必至。
世界中のボーダー(国境)がどんどんクローズされていっている感じがします。

パンデミックとは国を超えて同時期に感染が広がること。単語も意味も知っていたけど現実のものになって初めて肌で「そうか、これがパンデミックの本当の意味か」を噛み締めています。

各国政府の対策がうまくいきますように。悪いニュースが底をついて、少しでも収束が見えてきますように。



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