見出し画像

Live2D用立ち絵 制作過程紹介

IRIAMで活動されている雪桜さん(Twitter)の、Live2D用の立ち絵とキャラデザを担当いたしました!(※モデリングはしていません)

完成した立ち絵

今回の記事では、その制作過程について書いていきたいと思います(雪桜さんから掲載の許可を頂いています)。
Live2D用立ち絵を依頼しようと思っている人や、依頼を受けたいと思っている人の参考になれば幸いです。

はじめに

私は2021年に雪桜さんからIRIAM用立ち絵の依頼を受けており、実はそれが初めてのイラスト依頼でした。
IRIAMにはこういう立ち絵1枚で目や口を動かす機能があるので、そのための立ち絵です。

初代立ち絵

そして去年、雪桜さんからIRIAMでのLive2D化の権利を得たとの連絡がありました。「Live2D化するならキャラデザも変更したい」とのことで、今回Live2D用の立ち絵を作るとともに、キャラデザも含めて新しく作ることになりました。

キャラデザ決定に至るまで

デザインへの要望

今回デザインを変更するに当たって、雪桜さんからまず以下の要望がありました。
・基本設定(神の使いの狐・紫目・白髪)はそのまま
・元の立ち絵よりも頭身を上げたい
・髪を鎖骨下ぐらいの長さのハーフテールにしたい
・男の子と間違われないように、女性と分かる程度の胸がほしい
・基本的に露出は控えめにしたい

また、シンプル系のデザインとフリルや揺れものの多いデザインで迷っているとのことで、何枚か参考画像を頂きました。

大ラフと打ち合わせ

まずは、最初に頂いた要望を参考に、ざっくりとした大ラフを作成しました。まだここから選んでもらうわけではなく、打ち合わせのときに軽く参考にしてもらうための絵です。

画像左側:フリル多め可愛い系の絵と、シンプルマーメイドタイプの絵
画像右側:顔や髪飾りのアイデア

この大ラフを見せつつ、さらに詳細を詰めるためにDiscordで打ち合わせをしました。
打ち合わせでは、どんな表情にするかのイメージや、顔つきの大人っぽさの度合い、追加したいモチーフや基本のポーズなどを聞きました。
顔つきに関しては、大人っぽくするか元の顔に近い状態にするか悩むとのことで、両方ラフを作成することになりました。

ラフ作成

打ち合わせで聞いたデザインへの要望を踏まえつつ、4つのラフを作成しました。

顔に関しては、①・④が前の立ち絵に近い顔で、②・③が大人っぽくなっています。髪型も複数パターン考えてみました。

服装は、
①:可愛い巫女っぽい衣装(大ラフにあったデザイン)
②:大人っぽい神聖な感じの衣装(大ラフにあったデザイン)
③:ちょっと清楚な感じの衣装
④:元の立ち絵に近い狩衣風の衣装
にしています。基本的に露出は控えめです。

こういう配信用立ち絵は顔周りを映すことが多いので、目立つパーツを腰よりも上に入れることを心がけています。

このラフを雪桜さんに見せて、どれをベースにしてどう変更するかを伺いました。

ここで、
・顔は③をベースにメイクしたい
・髪型は③で、②の桜の髪飾りの片側を雪にしたい
・衣装は②をベースにしてもう少し体のラインを強調して、肩を見せ、肩の紐の飾りをなくして、鈴と水引と房の飾りを追加する
・しっぽを帯にしてまきつけたい(難しかったら今のままでいい)
という意見を頂き、これを元に修正ラフを作成しました。

修正ラフ

修正ラフでは、しっぽを巻き付けたバージョンと、しっぽなしバージョン、折衷案でしっぽを抱えたバージョンを作ってみました。

この修正ラフ提出の際に、以下の提案もしてみました。
・しっぽを抱えるなら手が見えるので、ネイルしてみてもいいかも
・着物が白一色なので、何か柄を入れてもいいかも

この修正ラフを確認いただいて、A案をベースに作成し、さらにネイルアートや服の柄を追加することになりました。

下書きと顔の修正

頂いた意見を元に、下書きを作成しました。

一番最初の下書き

下書きといっても、この時点で顔周りはかなりきっちり描いています。この段階で顔周りの印象を決めておきたいですし、修正があるならこの段階で直すのが一番楽なので。

これを確認いただいて、さらに「もうちょっと童顔にしたい」「目をもう少しずらしたい」などの細かい調整を経て、最終バージョンの下書きができました。

ひたすら微調整しているときの画像。これを繰り返して顔が確定しました。

キャラデザの確定

デザインが確定したので、この段階で三面図・ポーズ差分画像も作成しました。

三面図。服の柄などもまとめています。
ポーズ差分や表情差分の案。Live2Dで動かすための参考用です。

完成

清書と納品

デザインが決まったので、あとはひたすら清書していきます。
パーツを分けつつ清書して、いったんPNG形式で確認してもらってから、左右のパーツを分割したLive2D用のPSDファイルを納品しました。

完成!

あんまり下書きのときと変わってなくね?ほんとに清書したんか?と思われるかもしれませんが、ちゃんと清書しています。並べると分かりやすいと思います。

左:下書き 右:清書
(サイズを合わせていますが、実際は清書のほうが高解像度に描いてるので、
原寸だと清書のほうがもっと大きいです)

下書きの時に決めた顔の印象が変わってしまわないように、清書するときは下書きとよく見比べながら描くようにしています。
あと、私は普段線画の色を結構薄くするほうなのですが、立ち絵の場合は線画の色が薄いと、引きで見たときぼやっとしてしまうので、薄くしすぎないように気をつけています。

感想

モデリングは別の方が担当されているので、今回Live2Dが公開されて初めて動いているところを見たのですが、やっぱり動いているとかわいい!!
表情が変わるのめっちゃいいな~と思いました。

それと、初めて依頼をしてくれた雪桜さんのLive2D化に関われたのがとてもうれしかったです。本当にLive2D化おめでとうございます!

ここで宣伝

現在、立ち絵の依頼は「つなぐ」で受付中です。
(※7月が多分忙しいので納期は長めになるかもしれません)
Live2D用立ち絵に関しては、モデリングは含まれていないことにご留意ください。

通常のイラスト依頼のページもあります!!

ということで、Live2D用立ち絵の制作過程でした。
今回ご依頼いただき、そして記事の作成を許可していただいた雪桜さん、本当にありがとうございます!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?