【写真】重力から解き放たれるまでの散歩道
「まだ暑いまだ暑い」と喚いていた日々、秋は突如として眠る私たちの前に姿を現す。そうしたら、その肌寒さに目覚めた私たちは「急すぎるだろう、風邪をひくじゃないか」と文句を言った。
だから秋は怒って背を向けてしまった。自分を求めたのはあんたたちじゃないかと眉間にしわを寄せる秋を、帰り際の夏がまぁまぁと必死になだめる。ほんのりと涼やかな雨は秋の歌ではなく、そんな夏の冷や汗かもしれない。
世界の隅っこでうずくまる秋に、夏がキンキンに冷えたサイダーを手渡す。秋はむくれたまま、黙ってそ