己という運命の女神に刃を向ける
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もしも自分が世界を滅ぼす運命を課せられた存在だったとして、そのとき私は、その運命が描く地図通りに歩みを進めるだろうか。それとも、運命に抗うために、必要とあらば神にすら刃を向けるだろうか。
運命に抗おうと思えるほど、生への強い執着はない。
少なくとも今現在の自分には。
「人生の運命図は、誰もが生まれる前にすでに描き終えているのです。その運命図を変えることができるのは限られた場合のみ。たとえば一つ目は、家族など自分にとって大きな存在を失ったとき――・・・」
昔、Y