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◆虫は苦手だが、蜘蛛は勝手に味方だと思っている。 天井に少し大きめの蜘蛛が張りついていた。夜、ふとんに寝転んだ瞬間にふと視界に入ったその存在を、私はどうする気にもならず、電気を消して目を閉じた。選んだのはささやかな共存。互いに無用な干渉はよそうねと思いながら。 翌朝、目を開けると蜘蛛はまだ天井にいた。しかし昨夜とは少しばかりちがう位置だ。おはようと言ってみる。当たり前だが返事はない。ごはんを食べて身支度を整えて仕事に行く。行ってきますと言ってみる。当たり前だが特に反応はな